10月15日の党首会談をきっかけに、公明党から連立解消された自民党と急接近している日本維新の会。16日に始まった、首相指名選挙での協力や連立政権の構築に向けた政策協議は順調に進み、18日には連立政権の合意書に署名する見通しであることが報じられた。
「維新は自民との政策協議で、連立入りの条件として12項目の政策要求を提示していました。公約の柱となる社会保険料の引き下げと副首都構想の実現を“絶対条件”に挙げ、17日の協議では国会議員定数の1割削減の条件も盛り込まれました。自民はいずれも受け入れる方針だといい、両党間で隔たりがあった企業・団体献金の禁止と食料品の消費税2年間0%についても実現に向けて努力する意向を示しているそうです。双方が政策合意に至れば、首相指名選挙で高市早苗総裁(64)に投票することになるので、“高市首相”が誕生する可能性が一段と高まりました」(全国紙政治部記者)
ようやく政局の着地点が見えてきたが、ここ最近の与野党の流動的な動きは国民の大きな関心事に。情報番組やワイドショーでも連日のように特集が組まれ、維新をめぐっては元大阪府知事で弁護士の橋下徹氏(56)の発言にも注目が集まっていた。
橋下氏といえば、大阪府知事時代の’10年に大阪都構想を掲げる地域政党「大阪維新の会」を設立。’15年に住民投票で大阪都構想が否決されたことで政界引退を表明するも、国政新党「おおさか維新の会」を立ち上げるなど深く関わってきた。
いわば維新の“生みの親”ともいえる橋下氏だが、維新と自民が合流に向けて足並みを揃えるなか、テレビで発言した内容が“情報漏洩”だとして物議を醸している。
《橋下さんが、維新の非公開情報を語るのはちょっと、、、と思います 色々なルートで情報は入るにしても、維新の内部情報を語られると、すごく繋がってるように思われてしまう気はします》(以下、《》内引用は全て原文ママ)
17日に更新したXで、橋下氏にこう苦言を呈したのは、維新で埼玉県衆議院14選挙区の支部長を務める加来たけよし氏(44)。投稿には16日放送の『情報ライブ ミヤネ屋』(日本テレビ系)で、橋下氏が維新と自民をめぐる“裏事情”を語ったことを取り上げた「スポーツ報知」の記事を添えていた。
同日の番組では、自民と維新が急接近したことを特集。
橋下氏は「ポイントは副首都法案なんですよ」と語り、「高市さんサイドが次の通常国会で出すということを言い切ってくれたので、吉村さんはグッと高市さんの方に傾いてきたと思う」とコメント。そのいっぽうで立憲民主党や国民民主党に対して、吉村氏とのコミュニケーションが不足していることを指摘した。
だが、自民については「先の自民党総裁選のときに、小泉陣営と(維新の)組織対組織でいまの12項目、その当時は10項目だったかな。ずっと協議を積み重ねてきたんです」と切り出し、自民と交渉のテーブルにつくことを決断した吉村氏についてこう推察した。
「小泉陣営と維新が協議をしてきたことは高市さんもほぼほぼ賛成で、さらにそこに一歩踏み込んで、副首都法案について通常国会に出すというところまでの熱量を出されたので、吉村さんは協議で向かっていこうと決断されたんだと思いますね」
さらに「実は水面下で、小泉さん側の方と吉村さんはじめ大阪の地方議員も含めた組織が、ずっと協議を重ねてきてるんですよ」とも述べ、「永田町だけの国会議員同士の会談だけで物事が動くという風に立憲民主党や国民民主党が認識していたのであれば、ちょっとそれは誤解」と解説。その上で、立憲や国民が吉村氏とコミュニケーションをとるべきだと説いていた。
するとここで宮根が、「小泉進次郎さんが総裁になってれば、もっと早く維新と自民は連携もしくは連立みたいな話がすんなりいってたってことですか?」と質問。橋下氏は「僕が聞いてる限りですけども、いや、もう連立までですよ」と明かし、こう述べていた。
「ただそこは、副首都法案・大阪都構想のワンセットには公明党が反対してましたから。ただ、その時には小泉さん陣営は、“そこはなんとかまとめる”というかたちでずっと協議はしていたところ、今回、公明党が(連立を解消した)。僕はこれを、高市さんの戦略じゃないと思ってるんで」
続けて、「結果として公明党が離れたので。
すでに維新と自民の間で連立の下地ができていたことを明かした橋下氏だが、維新の現役党員から非公開情報であると指摘されてしまうことに。Xでは橋下氏に苦言を呈した加来氏に理解を示す声や、公然と暴露した橋下氏を批判する声が上がっている。
《現議員も迷惑》
《今の維新に不満があるのはわかるが、だとするならば、政治の世界に戻って責任のある立場でやって欲しい そうでないなら、黙っておくのが礼儀だと思います》
《橋下さん弁護士やってたのになぜ口軽いの?》
《維新の情報を漏洩するとは…これは危惧されますね 連立後の漏洩とかないでしょうね?》
「現在の維新の源流となる地域政党を立ち上げたのは橋下さんですし、政界引退後も’22年3月まで政策助言などを請け負ってきた立場として見解を求められるのはごく自然なことでしょう。ただ、16日の放送回で橋下さんは、『僕はいま維新とはまったく関係ない』と“部外者”をアピールしていました。にもかかわらず、非公開情報を公然と話してしまったのであれば、維新の現役党員が怒るのも無理はないでしょう。
ベテランコメンテーターである橋下さんは、発言の影響力が大きく、維新と自民の連立政権が樹立したあともメディアで重宝されるはず。ですが、今回のように維新内部の人物から苦言を呈されることが続けば、“党の活動に水を差しかねない”と不安視する人もいるようです。“古巣”をよく知る事情通だとしても、それが仇になってコメンテーターとしての評判に傷がつかなければよいのですが……」(WEBメディア記者)