「天皇陛下と愛子さまは、10月26日に皇居内の楽部で『秋季雅楽演奏会』を鑑賞されました。26日は日曜日でしたが、最近は陛下と愛子さまが休日に、お二人で外出されたり、行事に臨まれたりすることも増えています」

そう語るのは皇室担当記者。

この記者が語るように、天皇陛下と愛子さまは9月27日土曜日、東京都千代田区のホテルをおしのびで訪問し、動物愛護に関するフォーラムに参加されていた。

「また10月19日日曜日には、やはりお二方で学習院大学を私的に訪問し、特別展『貞明皇后と華族』を鑑賞されたのです。

貞明皇后は大正天皇の后です。1923年に関東大震災が発生した際には、皇后の意向で『宮内省巡回救療班』が創設され、被災地を車で巡回して治療に尽力しました。救療班は半年間で解散するまで、22万人もの人々に医療を提供したそうです。

陛下と愛子さまは2時間半にわたって母校・学習院大学に滞在されたのですが、社会的弱者や困窮者にも寄り添うという皇室の使命を、自ら体現した貞明皇后の業績などについても話し合われたのではないでしょうか」(前出・皇室担当記者)

急増している陛下と愛子さまの二人きりのお出かけは、“仲むつまじい父娘の休日デート”といったもの以上の意味合いがあると、ある宮内庁関係者は指摘する。

「帝王教育とは、天皇陛下のおそばで、そのお振る舞いやお言葉、ご姿勢を見聞きすることが、いちばん大切だといわれています。そういった意味では、愛子さまは休日でも、帝王教育に励まれているといえるでしょう。この数年、皇族数の確保策について議論されてきましたが、いまだ結論は出ず、愛子さまの未来は不透明なままです。

結婚して皇室を離れるのか、皇室に残られるのか、それとも多くの国民が望むように女性天皇への道を歩まれるのか……。

ただ陛下は、どんな運命のなかでも、愛子さまがご自身の意志で道を拓かれるよう望んでいらっしゃるでしょうし、そのために父娘の時間を大切にされているのだと思います」

静岡福祉大学名誉教授の小田部雄次さんは、愛子さまが受け継がれる“陛下の教え”について、次のように語る。

「それぞれの場面における陛下のまなざし、所作、ご感想、そして人々へのお言葉のかけ方など、すべてが愛子さまにとって学ばれるべきことです。

それは父から娘へというだけではなく、“皇室の伝統を背負う同志”への贈り物といった一面もあると思います。特に陛下は長年、花園天皇の『誡太子書』を意識されています」

’10年2月、当時皇太子でいらした陛下は、お誕生日に際しての記者会見で『誡太子書』についてこう述べられていた。

「第95代の花園天皇が、当時の皇太子―後の光厳天皇にあてて書き残した書に、まず徳を積むことの重要性を説き、そのためには学問をしなければいけないと説いておられることに感銘を受けたことを思い出します」

小田部さんが続ける。

「『誡太子書』には、“すぐれた人格的価値も身につけないで、人々の上に君臨することは、自分で恥ずかしく思わないのか”といった厳しく叱責するような言葉が並び、陛下はご自身への戒めにされているだけではなく、愛子さまにもそういった姿勢をお伝えになっていることでしょう」

さらに陛下は愛子さまに、皇室の一員としての姿勢だけではなく、ご公務や海外ご訪問などのおつとめに関する具体的な体験談も語られているという。

前出の宮内庁関係者によれば、

「愛子さまは、11月17日から22日までの日程でラオスを訪問されます。愛子さまにとって初めての海外公式訪問になるのです。

首都・ビエンチャンでは、黄金の仏塔として知られる『タートルアン大塔』を視察され、日本の資金協力で建設された『武道センター』で稽古に励む子供たちと交流される予定です。

そして天皇陛下も13年前の’12年に、ラオスで同じ施設を視察されているのです。陛下は’23年に、ラオスの国家主席と会見し、当時について『たくさんのことを学ばせていただいた』と、感想を述べられています。

その国民性や国内事情から、施設の詳細にいたるまで、陛下は保管していた当時の資料を使って、愛子さまにレクチャーされていると聞いています。初めての海外公式ご訪問に臨まれる愛子さまにとっては貴重な情報ですし、心強い限りでしょう」

■三浦春馬さんゆかりの小児病院もご視察に

また皇室番組を長年手がけてきた放送作家の、つげのり子さんはこう語る。

「愛子さまのラオスご訪問で、私が注目している日程が2つあります。

1つはビエンチャンの『コープ・ビジターセンター』ご訪問です。

この施設は国立リハビリテーションセンターの敷地内にあり、ラオスが抱えている不発弾問題の現状を伝えています。

ベトナム戦争時、アメリカ軍はベトナムの隣国のラオスにも大量のクラスター弾を投下しました。いまも、その不発弾の爆発のために、命を落としたり、手足を失ったりといった悲劇が続いているのです。戦時下だけではなく、その後も人々が苦しめられているという現実を愛子さまは、深く胸に刻まれることでしょう。

もう1つは、在留邦人とのご面会です。私は9月にラオスを訪れましたが、現地では多くの日本人が、NGOやNPOの活動を行っています。最貧国の1つであるラオスで、日本人がインフラ整備、教育、医療などの幅広い分野で協力していることを知っていただければと願っています」

愛子さまがラオスの古都・ルアンパバーンで視察される24時間救急体制の「ラオ・フレンズ小児病院」も日本の認定NPO法人「フレンズ・ウィズアウト・ア・ボーダーJAPAN」が創設した。

「『ラオ・フレンズ小児病院』はこの10年間で28万人以上の子供たちを無償で治療してきました。’20年に逝去した俳優・三浦春馬さんが支援していたラオスの病院としても知られています。

春馬さんご本人が病院視察の際に強く必要性を感じたという、患者である子供たちの家族が利用できる宿泊施設も’24年に完成しました」(前出・皇室担当記者)

ただ病院の運営は楽ではなく、財政的には厳しい状況が続いており、現在はクラウドファンディングにより資金を募っているという。

「フレンズ・ウィズアウト・ア・ボーダーJAPAN」代表を務める看護師の赤尾和美さんに話を聞いた。

「(三浦春馬さんの支援で完成した宿舎は)オープン以来常に満員で、ご家族も患者さんもとても喜んでいます。

愛子さまのラオスご訪問によって、ラオスという国自体の認知度を上げることにつながれば、とてもうれしいです。

これを機に多くの方がラオスの国や人々、文化、医療、子供たちの状況などについて興味を持っていただけるようになればと思っています」

“ラオスには愛子にとって将来の可能性を広げるような出会いが待っているはず”……、天皇陛下はそんな思いを胸に、“二人きりの休日特訓”を続けられている。

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