11月15日と16日、2日間にわたって千葉・幕張イベントホールにて音楽フェスの「CROSS ROAD Fest」が開催される。同フェスはLa’cryma ChristiやSHAZNAといったヴィジュアル系黄金期のバンドが集結するフェスだ。

先述の2バンドのほかに1日目にはPlastic TreeやPsycho le Cemuら5組、そして2日目にはPENICILLINやFANTASTIC◇CIRCUSら6組が出演する。5月に同フェスの開催が発表されると、往年のヴィジュアル系ファンたちはそのラインナップに大歓喜した。

ところがそんなフェスの“ある独自の方針”が、物議を醸すことに――。というのも11月2日、同フェスの公式Xアカウントは《タイムテーブルに関して》と切り出すと、こう綴ったのだ。

《CROSS ROAD Festでは、お越しいただく皆さまに全てのバンドをご覧いただきたいため、タイムテーブルの公開はございません。次に誰が登場するかも含めて、是非楽しんでいただければ幸いです。※転換は各バンド間30分程度ございます》

同フェスでは、出演順や出演時間を知らせるタイムテーブルを非公開にするという。しかし、1日目は13時から20時30分まで、2日目は11時30分から19時10分まで、両日ともに8時間近い長丁場でパフォーマンスが繰り広げられる予定だ。

そのため、参加予定のファンの間ではSNSで不安や不満の声が続出することに。この件を取り上げたネットニュースのコメント欄には、こんな声が寄せられている。

《転換各30分で1日目2日目でそれぞれ7組と8組のバンドが出るとなると転換だけで3時間近くあって全部見るとかなりの時間だと思うけど、それでタイムテーブルなしってだいぶキツくないか?》
《タイムテーブルないのはそりゃしんどすぎるわ。みんながみんな全部見れる体力があるわけじゃないですよ。

全部見れないなら来るなって言ってるのと同じ》
《観る側の事考えてないと思う》
《返金してもらっていいレベル》

同フェスに参加予定の40代女性はこう嘆く。

「8時間もの長丁場で、どのバンドがいつ出演するのかがわからないのは困ります。わかっているのは転換が30分あるということだけで、現時点では全バンドの演奏時間が均等なのかもわかりませんからね……。

観客は30代後半から50代ぐらいまでの女性が主なターゲットだと思われますが、若い頃と違い、皆それぞれに事情があります。全てのバンドを楽しみたいのは山々ですが、たとえば体調面に不安がある人は、お目当てでないバンドのときに休憩するためのスケジュールを組みたいでしょう。また、家庭の事情で家をずっと空けられないという人や遠征組の人は、お目当てのバンドを中心にしたスケジュールを立てたいでしょう。

フェス会場では女性用トイレに行列ができやすいのですが、タイムテーブルさえわかっていれば、お目当てのバンドの前にトイレを済ませることもできます」

この女性は「タイムテーブルを発表しないのなら、せめてチケットを販売する前に教えてほしかったです」と言い、こう続ける。

「CROSS ROAD Festは飲食物の持ち込みが自由であるいっぽう、会場ではサンドイッチとポップコーンといった軽食しか販売されません。それも事前予約制です。にも関わらず、再入場は不可のため、外に買い出しに行くことができないのです。

事前に準備してからフェスに臨んでも食べ物や飲み物の量が足りないこともあるでしょう。長丁場のなか、お腹が減ったとき、喉が渇いたとき、気分転換がしたいとき、ホールの外に出られないのは体力的にかなりキツいです。

また、事前物販がないため、開場時や転換時、終演後にかなりの混雑が予想されます。非常に杜撰な運営のように感じますね」

こうした批判の声を受けてか、同フェスの公式Xアカウントでは3日夜に《発表させていただきました、タイムテーブルについてのお知らせですが、その後、皆さまから多くのご意見をいただき、実行委員会及び出演者サイドとも協議を重ねた結果、事前公開することになりました》と方針の変更を発表した。タイムテーブルは6日の20時に公式サイトやSNSで公開されるという。

ファンはひとまず一安心かもしれないが、タイムテーブル以外の問題がまだまだ残っていそうだ。

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