庄司浩平が26歳の誕生日を迎えるタイミングで、2冊目の写真集を発売した。単なるビジュアル集ではなく、庄司自身が書いた文章が核になっているのが特徴だ。

「読み物として楽しんでいただける作品にしたいと思い、文章と写真を組み合わせる形にしました。文章を料理してもらうようなスタイルで、撮影のテーマや衣装などはスタッフさんに任せました。予想外のアプローチを提案されることも多く、とても新鮮でした」

なかでも印象に残っているのは、ベルトで上半身を縛ったカット。

「文章と文章のつなぎをどう見せようかと考えて、“ベルトで結ばれる”というモチーフを使いました。ブラックコーデに塗料をのせた強いビジュアルですが、実際には少し動ける余白があって。見た目は縛られているのに、どこか自由さもある―その感覚が、作品全体のテーマにも通じている気がします」

タイトルについても、読者に解釈を委ねる形をとった。

「“だから、ぼくは…”の後、答えにたどり着く一歩手前で止める。読む人それぞれの解釈を尊重したくて、このタイトルにしました」

この一年で彼を取り巻く環境は大きく変わった。特撮ドラマ『仮面ライダーガヴ』で注目を集め、ドラマ『40までにしたい10のこと』では、風間俊介演じる主人公の10歳年下の恋人役で話題に。

「まわりの状況が急激に変わってスピードが速くなったと感じます。最近は、通りすがりで顔がバレることが多くて。これはまずいと思うようになりましたね(笑)」

経験を経て感じることも増えた。

「仕事がなかったときに『人は自分が期待するほど見ていないけれど、自分が思うほど無関心でもない』という言葉に救われた時期がありました。逆に今、注目される機会を得ても、周囲は自分が思うほど気にしていないことも理解しています。片足重心だった感覚が、ようやく両足で地に足つけて生きていけている感覚ですね」

日常のリラックス法は、昼寝や夜のランニングだという。

「昼寝は単純に気持ちいいですし、夜でも軽く走ってから寝ると、すごくよく眠れるんです」

写真集に梶井基次郎の『檸檬』の世界観を取り入れるなど、読書の幅も広い。

「ふだんから1カ月に4冊ほど読み、図書館で借りることも多いです。今読んでいるのは、西加奈子さんの本で、司書さんのおすすめコーナーに置かれていたものですね」

26歳を迎え、表現者としての挑戦も続く。

「もう一度、モデルとしてショーに挑戦したいですね。一瞬のステージに全力を注ぐ経験が面白かったので、また味わいたいです」

【INFORMATION】

『庄司浩平写真集 だから、ぼくは』

KADOKAWA 3,300円(発売中)。本人が書き下ろした14の文章をもとに撮影テーマを設定した物語形式の写真集。

スタイリング:平松正啓
ヘアメーク:清末めぐみ

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