「愛子さまはとにかく常にしっかりとご公務のご準備に臨まれていますが、今回のラオス公式訪問でも、昼夜を徹してリサーチを行われていました。ご日程もまもなく折り返し地点ですが、ご立派なお姿にあらためて感服しております」
こう話すのは宮内庁関係者だ。
「今回のご訪問は、日本とラオスの外交関係樹立70周年の節目に招かれており、愛子さまは華やかな晩餐会など“国家元首級の接遇”を受けられています。
ただこうしたきらびやかな国際親善の場に臨まれる一方で、愛子さまは戦争の記録や記憶を受け継ぐ場所にも足を運ばれます。その一つに、不発弾の被害を伝える『コープ・ビジターセンター』があります。ご訪問前にも、日本の地雷処理を支援する団体とも交流し、知見を蓄えていらっしゃいました」(皇室担当記者)
ラオスは“世界で最も爆撃を受けた国”といわれている。1960年代から1970年代にかけてアメリカが軍事介入したベトナム戦争で、北ベトナムと協調関係にあったラオスは、米軍の大規模な爆撃を受けた。爆撃機が投下した爆弾の量は2億6千万発。1973年に米軍が撤退するまでの9年間で、平均して1分に8発の爆弾が投下された。
戦争が終わったラオスの大地に残されたのは、膨大な数の不発弾だった。皇室担当記者は続ける。
「先の大戦後に、フランスの植民地だったラオスは独立しますが、20年以上に及ぶ内戦、そしてベトナム戦争にも巻き込まれます。
クラスター爆弾は、1発の大きな爆弾が空中で爆発すると、数百から数千個にも及ぶ小さな爆弾が地上に広がって炸裂する兵器だ。その小さな爆弾の多くは爆発しないまま地上に残されるために「第二の地雷」と呼ばれ、地雷と同様に国際条約で規制されている。
今年9月にコープ・ビジターセンターを取材した、放送作家のつげのり子さんはこう話す。
「コープ・ビジターセンターに入ると、空中で炸裂するクラスター爆弾の破片を再現したように、天井からつるされた無数の不発弾が目に入ります。そして爆発で足を失った人々が使った、おびただしい数の義足もつり下がっています。目をそむけたくなる展示ですが、現実を見つめなおすことの大切さをあらためて感じました。
不発弾の問題は、戦争自体が終わっても、犠牲となる人々がいるということなのです。ラオスでのその犠牲者の40パーセントは子供だとされています。天皇皇后両陛下と愛子さまには、こうした問題に多くの人々が目を向けてほしいというお気持ちがあるのだと思います」
■不発弾の悲惨さをより知らしめるため
愛子さまはかつて学習院女子中等科の卒業文集に寄せた「世界の平和を願って」という作文で、
《「平和」は、人任せにするのではなく、一人ひとりの思いや責任ある行動で築きあげていくもの》
とつづられている。戦争によるあらゆる犠牲をなくすため、具体的に行動されることの大切さを、愛子さまはあらためてラオスご訪問前に決断されていたのだ。
「愛子さまは地雷処理の団体との交流や事前のリサーチから、不発弾被害の悲惨さを“もっと世の中に伝えたい”とお考えになったのでしょう。コープ・ビジターセンターのご視察は、愛子さまにとっても強く願われたことだったとお見受けしています。
クラスター爆弾はウクライナやガザ地区での戦闘でも使用されているともいわれています。過去の出来事を振り返るだけの場所ではなく、現在進行形で犠牲者を生み続ける問題を想起させる場所に皇室の方々が足を運ばれるのは、極めて異例なこと。愛子さまのご意志の強さが窺えます。
さらに最近では、地雷廃絶に向けて行動し、世界から称賛されたダイアナ妃の足跡も参考にされているとも聞きました」(前出・宮内庁関係者)
チャールズ国王との離婚後、1997年8月にパリで事故死したダイアナ妃。亡くなる直前に、アフリカのアンゴラの地雷原を訪問し、簡素な防護服だけで処理活動に参加した姿は、世界中に衝撃を広げた。英国王室に詳しいジャーナリストの多賀幹子さんはこう話す。
「ダイアナ妃が、地雷で足を失った女の子と並んで座る姿が報じられたことも印象に残っていますが、その行動で世界に対人地雷の問題を知らしめたのです。事故死から約4カ月後の1997年12月、対人地雷を規制するオタワ条約の調印が実現していますが、ダイアナ妃の貢献も大きいでしょう。
愛子さまが戦争という理不尽に翻弄される人々に寄り添い、地雷をはじめとする不発弾処理という世界的な問題に視野を広げられるのは、とても素晴らしいことです。両陛下もグローバルな視野をお持ちですから、愛子さまも“自分は何ができるのか”と常に考えていらっしゃるのでしょう」
地雷、クラスター爆弾から子供たちを救うため――。愛子さまはラオスご訪問で、さらなる進化を遂げられている。
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