《今回の件の再発防止を協議したなか、平和を脅かしたり、戦争、軍国主義を肯定するような企画は一切お受けできません。ライブの演出、イベントタイトル、フライヤーデザイン、SNSの投稿などにはご配慮ください》

4人組ビジュアル系バンド・グランギニョルがひめゆり学徒隊を冒涜したと批判され活動休止を発表。

12月10日~12日にライブを開催していた那覇市内の老舗ライブハウス『Output』は16日に改めて公式Xで冒頭のメッセージを投稿した。スポーツ紙記者は言う。

「グランギニョルは今年10月からSNSを始め、11月よりライブ活動を開始しました。しかし《ひめゆり学徒隊》のタイトルでライブを告知する際、学徒の写真に目隠し加工を施して宣伝に使っていたほか、メンバーが三つ編みにモンペ姿で傷のようなメークをしたコスプレ姿の写真を自らのXに投稿したことで物議を醸したのです。非難の声が相次いだため、12日のライブは直前で中止になりました」

グランギニョル側は13日に公式Xで《私どもの配慮および説明不足により、多数の方々にご迷惑ならびにご不快な思いをおかけしましたこと、心よりおわび申し上げます》と謝罪。《グランギニョルなりに沖縄の歴史について学ばせていただいた上で、ライブコンセプトの一部として表現に取り入れさせていただきました。しかしながら、その表現が結果として不快感や誤解を招いてしまったことを、重く受け止めております。決して沖縄の歴史を侮辱する意図はございませんでしたが、その点について十分な配慮が欠けていたことを深く反省しております》と綴っていた。さらに17日には、今回の騒動を受け、バンドの活動を終了することも発表した。

ひめゆり学徒隊は、沖縄戦で沖縄師範学校女子部と県立第一高等女学校の生徒、教師たちが看護要員として動員され、240人中136人が犠牲となった。沖縄でライブを行った同バンドの“釈明”は理解しがたいところだが、『Output』も公式Xで、こう謝罪していた。

《10日・11日の昼の部に行われたライブに関しまして、会場レンタルという形で場所を提供していた為、ライブが始まるまでは内容などは全くわかってなかったとはいえ、フライヤーなどの背景加工などにも気づかずに、たくさんの人を深く傷つけてしまったことに、場所を提供してしまった会場にも非があり、本当に申し訳なく思っています。

平和を発信するイベントをたくさん行ってきただけに、今回の事を悔やんでも悔やみきれません。ライブハウスのライブを見て元気になってもらいたくてライブハウスを続けています。ですが沢山の人を不快に深く傷つけてしまったこと、場所を提供した立場として本当に申し訳ありませんでした》と謝罪をつづった。

本誌はそのライブハウスに直接、話を聞いた。

「正直にお話ししますと、こんなことになってしまって悔やんでも悔やみきれないです。事前の確認が疎かになっていたのは事実でして、このバンドがどういう意図のコンセプトなのか当日も2日目も何をやっているのかよくわからない状態でした。

というのもこのバンドのライブ開催の3日間は昼の部でのライブでして、夜の部は別のアーティストのライブもあったことから会場はバタバタだったんです。もちろんリハーサルはありました。リハーサルなのでサウンドチェックと曲を少しやるくらいですし、リハなので私服ですから衣装も着ていませんでした。

2日目が終わったころには抗議のお電話を色々といただいて、バンドのことを調べて、やっと状況が理解できたんです。事の大きさに愕然として、それで3日目の朝にこちらからバンド側にお話ししました。メンバーではなくマネージャーの方ですけど、抗議が入っていることと、会場としても利用を続けることは容認できないことをお話しさせてもらいました。

メンバーから直接には特に謝罪とかはありませんでしたね。マネージャーさんからはご迷惑をおかけしましたと何度か連絡はありました。1日目も2日目もお客さんの数としてはそれぞれ10人程度でした。

SNSでは大勢のファンがライブ会場で旗を振っている曲の動画があるんです。うちの会場と勘違いしている方もいるようですけど、うちではなく別の会場のものです。そういう動画を見て抗議のお電話もたくさんいただいたりしています。今後出演の依頼があってもお断りすることになると思います。会場としても事前の確認など、今後は徹底していこうと思っています」

沖縄民謡や地元アイドル、ロックバンドなど垣根なく場所を提供して来た老舗ライブ会場も前代未聞の出来事に終始、困惑していた。解散したメンバーたちは今後、どのような活動をおこなうのだろうか。

編集部おすすめ