「Have a nice day」
外国大使と握手を交わしながら、そう声をかけられた愛子さま。12月17日、宮内庁の「埼玉鴨場」で外国大使たちをもてなされた。
「この白い糸は、ラオス公式訪問中の11月18日、『バーシー・スークワン』という伝統儀式で、愛子さまの健康や幸せ、公的なご活動の成功を祈って結びつけられたものです。愛子さまはこの糸をつけられたまま帰国されていたようです。
その後、25日のデフリンピックご観戦、27日のチャリティ上映会、12月14日の千葉大学看護学部の創立50周年記念式典などでも、愛子さまの左手首に糸が結ばれているのを拝見しました。今回の鴨場でのご接遇の時とも合わせると、ほぼ丸1ヵ月間お出ましになる際にお付けになっているのです」(皇室担当記者)
日々のご公務では、腕周りのアクセサリーはめったに身につけられない愛子さまが、およそ1カ月にわたってお召しになっていることはめずらしいケースと言える。しかも鴨場で各国大使を接遇されていた際には、おもてなしの途中に落としてしまわないよう、わざわざテープで固定されていたほどだったのだ。
愛子さまはなぜ、そこまでして“白い糸”を大切にされているのだろうか――。11月にラオスを公式訪問される前に、愛子さまへの進講も行ったラオス近現代史を専門とする東京外国語大学副学長・菊池陽子教授に話を聞いた。
「この『バーシー・スークワン』は、魂(クワン)を繋げる(スー)という、ラオス独自の儀式です。ラオスでは、人間の体内に32の魂が宿っていて、その魂がフワフワと不安定になったり体内から出てしまうと、身体や精神が弱くなってしまうと考えられています。魂を身体のなかにしっかり繋ぎとめて強くするために、手首に糸を結びます。ラオスの人々の間では、古くから日常生活に根ざして行われている儀式です。
祈祷師が気持ちを込めて祈りを唱えながら糸を結ぶのですが、結ばれた糸を残しておく期間にルールはとくにありません。しかし儀式が終わったからとすぐに切るのではなく、だいたい3日間ほどはそのままにしておくことが多いようです。3日間で切る人もいれば、心を込めて結んでもらったものを切ることがしのびなく、自然に切れるまで残す人や1本だけ残す人など、人によってさまざまです。
愛子さまが糸を大事になさっていらっしゃるのであれば、初めて外国でのご公務先となったラオスで、祈りを込めて結んでもらったことを大切になさっているのかもしれません。愛子さまが糸をむすんだままにされていることで、皆さんがラオスへの関心を持ち続けていただけるのであればありがたいですね」
「バーシー・スークワン」に臨まれた日の晩さん会で、愛子さまは次のようなお言葉を述べられている。
「今、私の手首に巻かれている白い糸には、変わらぬ友情や助け合いの心、旅の安全など様々な祈りがこめられているとうかがいます。人生の節目などにお互いの幸せを祈念するために行われ、大切に受け継がれてきているこのようなラオスの伝統的な儀式に触れる特別な機会を頂いたことにも深く感謝申し上げます」
愛子さまがラオスで築いた親善の輪、そして人々の真心への感謝は、糸のように長く紡がれていくことだろう。
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