12月中旬、都内の高級ホテルの祝賀会場に多くの人たちが集まりだしたのは、夕方の16時半ごろ。人数は続々と増えていき、17時には300人近くが集まったという。

「日本一に乾杯!」という音頭のなか、そこには俳優の吉沢亮(31)の姿もあった――。

この日、ここで開かれていたのは、11月下旬に実写日本映画の歴代興行収入記録を22年ぶりに更新する快挙を成し遂げた映画『国宝』の祝賀会だった。

17時に開始されたこの打ち上げには、同作で吉沢演じる立花喜久雄の“ライバル役”を演じた横浜流星(29)も出席していた。

「同日の昼間は、都内映画館で吉沢さん、横浜さん、李相日監督(51)が舞台挨拶を行っていました。

横浜さんは主演したNHK大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』が最終話を迎えたばかり。吉沢さんが、先輩らしく『大河、お疲れ』と労う場面もありました。

『青天を衝け』(’21年)で同じく大河主演を務めていたこともあり、吉沢さんと横浜さんは、映画内だけではなくキャリアにおいても“無二のライバル”となっているようです」(芸能関係者)

ここ一年の吉沢の芸能活動はまさに“ジェットコースター”のような波瀾万丈ぶりだった。

「’24年12月に、吉沢さんはお酒に酔って自宅マンションの隣室に無断で侵入。住居侵入容疑で警視庁に書類送検されるも、’25年2月に不起訴となりました。

しかし、この飲酒トラブルで、主演映画の公開が延期になったほか、複数のCM契約が解除されるなどの事態に。

この騒動前の’24年6月に『国宝』はすでにクランクアップを迎えていました。歌舞伎の稽古に1年半を費やすという過酷な現場を終えたこともあり、その反動として気が緩んでしまったという側面もあったのでしょうか……」(前出・芸能関係者)

しかし事務所の迅速な対応や謝罪もあって、5月にはNHK連続テレビ小説『ばけばけ』への出演も決定。

そして6月には満を持して『国宝』が公開され、空前の大ヒットを記録した。

「公開初週こそ興行収入約3億円というスロースタートでしたが、SNSをはじめとした口コミで評判が拡散。11月には『踊る大捜査線 THE MOVIE2 レインボーブリッジを封鎖せよ!』(’03年)の記録を塗り替え、実写邦画の興行収入歴代1位に躍り出ました」(映画関係者)

12月には「国宝(観た)」が流行語大賞のトップテン入りを果たすなど、’25年の日本を代表する社会現象に。現在『国宝』は海外でも高い評価を得ており、多数の国際映画祭で上映されたほか、米アカデミー賞の国際長編映画賞など2部門に選出されている。

また’26年2月の全米公開に先立ち、12月にアメリカの俳優トム・クルーズ(63)がロサンゼルスで『国宝』の上映会を主催。「これは素晴らしい映画で、大きなスクリーンで見るべき」と絶賛していたとも報じられた。

■マネージャーに毎日“禁酒報告”

飲酒トラブルで一度は“地獄”を味わったが、そこから不死鳥のごとくよみがえった吉沢。その背景には、騒動以後に彼が心に決めた“決意”があった。芸能プロダクション関係者が明かす。

「お酒好きだった吉沢さんは、トラブル以前はふだんから深酒することが度々あり、時にはインスタライブ中に泥酔する姿を見せることもありました。私生活ではもっぱらゲームに没頭しており、掃除も苦手なことから、“ダメ人間”を自認しているとか。

しかし、事件後はこうした飲み方を反省したようで、現在でも“禁酒”を固く守っているそうです。

マネージャーに毎日“禁酒報告”をすることを自ら提案し、これを貫徹しているようです。

また“行くとお酒を飲んじゃう”という恐れから、飲食店での外食もできるだけ控え、デリバリーサービス中心の食生活にしているといいます」

この日に開かれた日本一達成の祝賀会だったが、吉沢は開始30分前の16時30分ごろに会場入り。しかし関係各所に挨拶を済ませた吉沢が会場を後にしたのは、なんと17時20分ごろ。祝賀会が始まって“約20分”で退席したのだ。

マスク姿でうつむき加減で歩く吉沢は、大勢の来客に見送られるでもなく事務所の送迎車に乗り込んだ。“爆速帰宅”を見せた彼には、お酒を飲んでいる様子は見られなかった。

打ち上げは21時まで開かれていたようで、一緒に出席した横浜は最後までおり、笑顔で会場を後にした。

吉沢の事務所に取材すると以下のような回答があった。

「当日は、お酒は飲んでいなかったようです。祝賀会は、出資者・スポンサーさま中心の打ち上げだったようで、少しご挨拶をして失礼させていただきました」

前出の芸能プロダクション関係者が続ける。

「12月3日放送の情報番組『ノンストップ!』(フジテレビ系)に出演した際、吉沢さんは《“国宝の吉沢亮”というイメージを超えていくために何が必要なのか考えていかなければいけない》と語っています。

たとえば『ばけばけ』で披露している英語のセリフも、苦手ながらも英会話のレッスンに4カ月必死に通って習得したようです。

“禁酒の誓い”を順守しているのも、『国宝』ブームに甘んじることなく、役者としてのさらなる高みを目指しているからなのでしょう」

波乱の一年を送った吉沢はさらなる限界突破を目指す――。

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