「私は幼少のころより折にふれて、看護師の的確な判断や対象者の意をくんだ臨機応変な対応に接し、相手の心身に寄り添う誠実な姿勢に、看護師のすばらしさを感じてまいりました」
12月14日、千葉大学看護学部の創立50周年式典に出席された愛子さま。壇上から大学関係者や在学生たちに向かって、そう挨拶された。
「ご挨拶からも、愛子さまの看護師という職業に対する強いリスペクトが伝わってきました」
愛子さまにとって看護師は身近な存在でもあったという。前出の皇室担当記者が続ける。
「内廷皇族を担当する看護師は、宮内庁病院から派遣されるケースが多いです。ご幼少のころから、天皇皇后両陛下の体温や血圧を測る仕事ぶりなどもご覧になっていたでしょうし、雅子さまがご公務でご不在のときには、遊び相手にもなってくれていたそうです」
さらに愛子さまにとって忘れられない出来事が。
「愛子さまは9歳のとき、マイコプラズマ肺炎と思われる症状で入院されました。一時は39度前後の発熱もあり、雅子さまも泊まり込みで看病されるほど。ただ病院では手厚い看護を受けられ、愛子さまも非常に心強く思われたようです。
退院されるときには、医師や看護師たちに何度もお辞儀をされていました。さらに翌月にお誕生日を迎えられた際には、宮内庁から“治療にあたった医師や看護師に感謝されている”といった愛子さまのお気持ちも明らかにされています。
それ以来、看護師は愛子さまにとっての夢の職業であり続けたのです。学習院女子中等科1年生のときには『看護師の愛子』という“短編小説”を執筆されました。
ご就職先に日本赤十字社を選ばれたのは、看護師をはじめとした医療従事者たちの力になりたいというお気持ちもあったからだと思われます」(前出・皇室担当記者)
■新たな専従職員は宮内庁でも優秀な若手
’26年4月から社会人3年目となられる愛子さま。千葉大学ご訪問からの3日後には、埼玉鴨場で外交団を接遇するなど、お一人でのおつとめも増えているが、新年度からは、さらにご公務を増やされるという。現在、愛子さまの専従職員は1名だが、それが3名に増員される方針なのだ。
宮内庁関係者によれば、
「侍従職には、両陛下の行幸啓などを担当する内廷第一係と、愛子さまのお成りなどを担当する内廷第二係という部署があります。
社会人1年目のころは、愛子さまは両陛下とご一緒に公務に臨まれることも多く、第二係の業務も多くはなかったのです。
しかし11月にラオスを公式訪問されたように、今後は愛子さまの単独のご公務が増えていきます。それに伴い第二係の愛子さま専従の職員を増員することになったのです。宮内庁のなかから、若手の優秀な職員が選ばれると聞いています。愛子さまお一人のご公務も、倍増すると見込まれています」
愛子さまは今後、どのような分野の新しいご公務に取り組まれていくのだろうか。欧州の王室に詳しいジャーナリストの多賀幹子さんはこう話す。
「欧州の王室では赤十字やユニセフの活動を通して、救済が行き届いていない人たちや、恵まれない弱者に手を差し伸べることは王族としての務めと考えられています。
たとえば愛子さまと同い年のベルギーのエリザベート王女はユニセフの支援活動として、母・マティルド王妃とともにケニアの難民キャンプを訪問しています。近隣諸国の紛争や干ばつから逃れてきた人々が生活している場所です。この訪問は“困難な状況にある子供たちの教育”もテーマの一つでした。愛子さまもラオスでは小児病院や、ベトナム戦争時に投下されたクラスター爆弾の不発弾処理問題を啓発する施設を視察されていますが、今後はさらにそうした国際的な活動も広げていかれるのではないでしょうか」
愛子さまは現地で「将来、ラオスが不発弾のない国になりますように」と、語られていた。
前出の皇室担当記者は、
「世界のNGO連合体『クラスター兵器連合』の報告書によれば、世界に残存したクラスター爆弾による’21年の死傷者の3分の2が18歳未満の子供だったそうです。ラオスで爆発に巻き込まれ足を失った人などのために車いすを製造している日本のNPO法人もあるのです。愛子さまもそうした戦禍に苦しむ世界の子供たちのために何ができるか、お考えになっているでしょう」
また皇室番組を長年手がけている放送作家・つげのり子さんは次のように語る。
「日本赤十字社はウクライナのリハビリテーションセンターや巡回診療などへの支援を行っています。またガザでも国際赤十字らと連携して人道支援を行っています。愛子さまは現地の凄惨な状況を知っている人たちからもお話を聞いていらっしゃると思います。日本赤十字社は’27年5月に創立150周年を迎えますので、愛子さまも関連行事に携わられるのではないでしょうか」
短編小説「看護師の愛子」は、こんな一文で締めくくられている。
《今日も愛子はどんどんやって来る患者を精一杯看病し、沢山の勇気と希望を与えていることだろう》
“苦しむ人々に勇気と希望を与える看護師でありたい”という志をいまも胸に秘め、愛子さまは戦禍に苦しむ子供たちを救うための活動を模索されている――。
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