NHKは12月28日、大晦日に放送する『第76回NHK紅白歌合戦』に、松田聖子(63)が放送100周年を締めくくる特別企画に出場することを発表した。

聖子が紅白に出場するのは、’20年以来5年ぶり。

デビューを飾った’80年に、初出場となった紅白で歌唱した代表曲『青い珊瑚礁』を披露する。聖子は紅白出場に際したコメントのなかで、同曲について《私にとって初出場時の大切な原点と言える曲です》と思いを明かしていた。

いっぽう26日には曲順の発表があり、白組のMrs. GREEN APPLEがバンドとして初の大トリを務めるものと見られていた。だが、聖子が紅組と白組の対戦後にNHKホールで歌唱することも明らかになり、事実上の“大トリ”に。曲順発表後に“大トリ”が更新されることは極めて異例でもあり、大きな注目が集まっている。

昭和・平成・令和にかけて、紅白の“常連”だった聖子。しかし、’21年12月18日にたった一人の愛娘・神田沙也加さん(享年35)が急逝して以来、紅白からは遠ざかっていた。

「沙也加さんが亡くなった直後、聖子さんはディナーショーと紅白を相次いでキャンセル。聖子さんは当時、沙也加さんの葬儀が行われた札幌の斎場で、元夫・神田正輝さん(75)と一緒に囲み取材に応じていましたが、言葉を絞り出すのが精一杯といった様子でした。当時はとても人前で歌えるような精神状態ではなく、憔悴しきっていたといいます」(音楽関係者)

しばらく活動休止状態となっていたが、’22年に本格的に再始動。同年4月から5月にかけて開催されたディナーショーを皮切りに、ツアーで全国を回るなど精力的にアーティスト活動を行うように。

しかし時には、沙也加さんへの思いが溢れてしまう場面もあったという。

それは’22年11月に、都内で開催されたイベントでのことだった。

「聖子さんが初監督を務めた映画『あの風が吹いた日』の特別上映会とトークショーが行われ、チケット抽選で当選購入したファンクラブ会員のみ参加することができました。ただ、作品は主人公のヒロインが“死”というものに遭遇するストーリーだったことから、聖子さんも上映中に沙也加さんを思い出してしまったのかもしれません。

トークショーでは涙声で『天国はお花畑があって、とても良いところだと思うんです。だから、ヒロインも沙也加も幸せにしているんだ』と話していて、最後には『沙也加に会いたい!』と泣き崩れてしまったのです。ファンももらい泣きし、拍手を送っていましたね。平静を取り戻した聖子さんは、『ファンがいるから前を向いて頑張れます。また会おうね!』と笑顔で手を振りながら退場していきました」(聖子のファン)

ファンに勇気づけられた聖子は、その後も前を向いて歩みを進めていく。とりわけ、デビュー45周年を目前とした’24年は公私ともに勢いが増していた。

「同年2月にアルバム『SEIKO JAZZ3』をリリースし、3月には『MUSIC FAIR』(フジテレビ系)に約4年ぶりに出演。プライベートでも中央大学法学部通信教育課程を卒業し、かねてより抱いていた“還暦を迎えるまでに大学卒業資格を取得したい”という願いを実現させたのです。沙也加さんが亡くなった悲しみを忘れたいという思いもあったそうで、聖子さんは多忙な合間を縫って勉強に集中していたそうです」(芸能関係者)

その間には、婚姻関係を解消して30年近くになる神田とも、少しずつ交流が生まれていたようだ。

本誌は’24年6月4日号で、聖子が神田に差し入れをしていたことを報じている。

「互いに沙也加さんを亡くした悲しみに暮れるなか、再び親交が深まったそうです。当時、神田さんの食生活の乱れを心配した聖子さんは、スタッフを通じて食べ物を届けていたと聞きました。

いっぽう’23年春ごろからは、『朝だ!生です旅サラダ』(テレビ朝日系)に出演していた神田さんの“激痩せ”が不安視されるように。同年11月には“体のメンテナンス”を理由に、約2カ月間にわたって休養したことも大きく注目されました。

神田さんの“激痩せ”がメディアでも取り上げられると、聖子さんの差し入れ回数も増えたそう。体調を気遣う聖子さんがよく届けていたのは、手作りの煮物だったといいます。神田さんも同年4月放送の『旅サラダ』で『昔の奥さん、久留米……』と話題にしたこともあり、良好な関係性を築けていたのでしょう」(前出・芸能関係者)

沙也加さんが亡くなって今年で4年が経ち、時間をかけてゆっくりと輝きを取り戻していった聖子。アニバーサリーイヤーの締めくくりに、紅白はふさわしい舞台となりそうだ。

「聖子さんが’21年に辞退した後も、NHKは毎年のように粘り強く紅白出場を交渉し続けていました。ただ、聖子さんにとって紅白は、’11年に沙也加さんと共演した“思い出の場所”でもあります。やはり愛娘を失った喪失感は大きく、なかなか実現することはありませんでした。

ですが今年6月に特別番組『NHK MUSIC SPECIAL 松田聖子 マイ・ベスト・SEIKO』が放送され、流れが変わったようです。同番組では聖子さんがナビゲーターとなり、紅白のアーカイブ映像を紹介する場面も。大きな反響を受け、8月に再放送されたほどでした。

5年ぶりの紅白出場をめぐり、一部スポーツ紙では“聖子さんは一度断ったものの、最高のステージを用意することが決まった”と報じられています。関係者の間でも、12月中旬頃から聖子さんが紅白に出場するという噂が出回っていました。曲順発表後に“大トリ”が更新されるのはかなり珍しく、間違いなく今年一番の目玉企画となることでしょう」(前出・音楽関係者)

失意から立ち上がり、アニバーサリーイヤーに紅白復活する聖子。どんなパフォーマンスで、お茶の間を魅了させてくれるだろうか。

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