新年1月1日午後。宮中での行事を終え、上皇ご夫妻のお住まいでも開かれた祝賀行事に臨むため、赤坂御用地に向かわれる愛子さま。

お車の窓を開け、手を振る愛子さまがお召しになっているティアラは、車中にあってもまばゆく煌めいていた。皇室担当記者は語る。

「女性皇族が成年すると、ティアラなどの宝飾品を新調される習わしがあります。ただ愛子さまのティアラの制作費は、いまだに予算に計上されておりません。コロナ禍や物価高に苦しむ国民生活に配慮し、天皇皇后両陛下と愛子さまは制作を控えられてきましたが、これで6度目となる“辞退”となります。

叔母の黒田清子さんから借り受けていますが、愛子さまご自身もこのティアラをお気に召しているようで、今後しばらく新調されるお考えはないと聞いています」

経済的に苦しい状況にある国民に寄り添おうと、両陛下と愛子さまの質素倹約を貫かれる生活は、新しい年を迎えても変わらない。

じつは宮内庁は、1月下旬から審議が始まる、令和8年度予算からの内廷費や皇族費の増額を検討していた。内廷費は天皇家と上皇ご夫妻、皇族費は皇族方、それぞれの実質的な生活費のこと。だが最終的に、天皇陛下は増額をお認めにならなかったのだ。宮内庁関係者は背景を明かす。

「昨年9月ごろから増額が検討されていましたが、物価高に苦しむ国民生活があるなかで、陛下は一貫して慎重なご姿勢を示されてきたのです。年末になってもお考えは変わらず、来年度予算での増額は見送られることになりました」

皇室経済法で内廷費は年間約3億2400万円と定められており、この額は1996年以降、30年間変わっていない。

前出の宮内庁関係者はこう続ける。

「生活費、私費という性質から詳細な使途については公表されませんが、宮中祭祀を担う職員の給与や、天皇ご一家や上皇ご夫妻が私的に雇うスタッフの人件費が含まれています。こうした職員・スタッフの給与は年々増えているようですから、皆さまがその分お使いになるお金を節約されているそうです」

30年にわたって、実質的な生活費を据え置かれてきた陰で、細かな部分に至るまで節約を実践されてきたという。

「たとえば上皇ご夫妻も新聞の折り込みチラシを小さく切ってその裏面を使われているなど、生活のあらゆる場面での倹約を心がけていらっしゃいました。

それは天皇ご一家も同様です。陛下が水を出しっぱなしにされた際に、当時幼稚園に通われていた愛子さまが“お水は大切だから”と、水道を止められたエピソードが示すように、国民が想像する以上に、身の回りのあらゆるものを大切にするという精神が天皇家に受け継がれているのです」(前出・宮内庁関係者)

■節電や仕立て直し…継承される倹約精神

元宮内庁職員で皇室解説者の山下晋司さんによれば、その精神は公私にわたっていると指摘する。

「天皇陛下が学習院初等科に入学された際にお召しになった制服は、上皇陛下のおさがりでした。また、昭和天皇の初等科の制服にはつぎはぎがされていました。皇室では、服は仕立て直したり、ボタンを替えたりして長くお使いになることが基本といえます。

東日本大震災後、国民と苦楽を共にしたいという上皇陛下のお気持ちから節電が行われました。たとえば、冷暖房に燃料を多く使う皇居・宮殿での行事のうち、表御座所で行われていたご執務や、食事を伴わない外国賓客とのご懇談などはお住まいの御所で行われるようになりました。

令和になっても、ご執務や外国賓客とのご懇談などは御所で行われていますので、平成からの節電は踏襲されているようです」

国民と心を一つに……天皇家の精神は、両陛下から愛子さまに脈々と受け継がれている。

皇室番組を手がける放送作家・つげのり子さんはこう話す。

「昨年の歌会始の儀で、愛子さまがお召しになっていたローブ・モンタントは雅子さまがお召しになってきたものです。また9月に新潟県を訪問した際には、2002年に雅子さまがお持ちになっていたオフホワイトのバッグを使われていました。

雅子さまが愛用したお品を、愛子さまがお使いになっていることは、“質のよいものを長く大切にお使いになる”という皇室のなさりようが、しっかりと継承されている証しのように感じています」

日ごろから、ご一家で倹約について語り合われているようだ。

「雅子さまと愛子さまのお召し物の着回しも、どの品をどう現代風にアレンジして仕立て直すのか、母娘で楽しまれているご様子も見受けられると伺っています。

今年の新年一般参賀での雅子さまのドレスは新調されたものでした。しかし過去には、雅子さまが同じドレスをお召しになったことも少なからずありました。ドレス一着においても、新調するのか着回すのか、“家族会議”をなさっているのでしょう」(前出・皇室担当記者)

新年も変わらない“着回し会議”で受け継がれる“清貧の誓い”。愛子さまが叔母から借り受けたティアラは、清いお心が表れるように、さらに美しい光を放っていくことだろう。

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