2月8日投開票の衆議院選挙で、3分の2を超える316議席を単独で獲得した自民党。ひとつの政党が単独で3分の2以上の議席を獲得するのは戦後初めてで、公示前の約3割にあたる49議席しか確保できなかった中道改革連合を大きく引き離した。

同日午後8時からはNHKや民放各局で選挙特番が組まれ、TBSでは『選挙の日2026 太田光がトップに問う!結果でどう変わる?わたしたちの暮らし』が生放送された。

各党の党首や政治家と中継をつないでインタビューが行われるなか、午後10時20分ごろに高市早苗首相(64)が登場。だが、スペシャルキャスターの爆笑問題・太田光(60)に苦言を呈する一幕があり、賛否を呼んでいる。

中継冒頭で井上貴博アナ(41)が自民党が公約に掲げる「食料品の消費税2年間ゼロ」について、「どのように(超党派の)国民会議でまとめていかれるのか?」と質問すると、高市氏はこう回答していた。

「自民党は公約で2年間、消費税食料品減税。そして新規の国債を発行しないという前提で訴えをしてまいりました。これをご信任いただけたという前提で、お話をしていきたいと思います。ただ、消費税、これ非常に大きな課題でございますので、柔軟に各党のご意見を伺いながら、でも、できるだけ早く結論を出したいと思っております」

すると太田が、「高市総理、太田です」「今度、『サンジャポ』でお待ちしています」と声をかけた。

高市氏が笑顔で「ありがとうございます!」と返すと、太田は「本当ですね、ぜひ出ていただきたいと思います」と自身がMCを務める情報・ワイドショー番組『サンデー・ジャポン』(TBS系)への出演を改めてオファー。高市氏は「え、だって、『サンジャポ』大好き」と好意的に述べ、太田も「私もサナエちゃん大好きなんですよ」と返答していた。

そんな太田は「国民会議」について、「まとめるのが目的なのか、それとも議論にいくらでも時間をかけるのか。どちらですか?」と質問。

高市氏は「スピードが必要」とし、「自民党は公約で打ち出していますので、もう一生懸命お話しをして、議論をして、何もできないよりはやった方がいいと、わたくしは確信をしております」とコメントしていた。

■太田の質問に高市氏は「決めつけんといてください」と関西弁でピシャリ

限られた時間内でコンスタントに質疑応答が続けられていたが、終了まで2分を切ったところで和やかな雰囲気が一変する出来事が。それは、太田が次のように質問したことがきっかけだった。

「大変失礼なことを言いますが、日本の政治家っていうのは、責任の所在があやふやになることが、今までの歴史のなかで、僕は多いなと思うんですよね。やっぱり、もしできなかった場合、高市総理はどういう風に責任をとるんでしょうか?」

すると高市氏は「できなかった場合?」と声を上げ、「いや、だって公約に掲げたんだから、一生懸命いまからやるんですよ」と猛反論。太田が「やりますよね、もし実現しなかった場合……」と質問を続けようとするも、被せるように「できなかった場合とか、暗い話しないでください」と憤りを見せていた。

それでも太田は「いや、暗いというか、責任の取り方です」と説明し、再び「政治家としての責任の取り方をどうするかという覚悟がおありなのかということを、大変失礼ながら質問させていただいています」とへりくだって質問。

だが、高市氏は「なんか、意地悪やなぁ」と関西弁で不満を漏らし、「最初からできへんと決めつけんといてください」とピシャリ。「これは一生懸命、公約で訴えて、沢山の方々にお認めいただいたことやと思うとるんです」と述べ、こう訴えた。

「だから他党にも呼びかけていって、『財源はこうだから、一緒にやろうよ』と。で、給付付き税額控除に少しでも早く移行したいわけですよ。低所得者の方に大変なメリットがあるわけですから。

だからこれは真摯に議論すると。だって、みんな思いは一緒なんですから」

太田はタジタジになりながらも、欧米と日本の違いを事例に挙げて「責任の所在をどうするのかというのをお聞きしているんですけど、意地悪ですかね、この質問?」と遠慮がちに再び質問。だが高市氏は「うん。だって、これから必死でやろうとしているわたくしに対して凄い意地悪」と返すのみで、責任の取り方については明言を避けたのだった。

一連のやり取りはXでも話題になり、太田が高市氏に投げかけた直球質問に支持者から批判する声が続々。

《太田、ほんとに酷いな。意見の違いがあるにしても、一国の総理大臣に対してあまりにも無礼極まりない》
《できなかったら責任云々って質問してたけど流石に唖然としたわ。 高市さん怒ってくれはってよかったわ》
《不快でたまらない。多くの国民が支持しているリーダーに対してまことに無礼千万》

だがそのいっぽうで、太田に理解を示す声も上がっている。

《太田光さんの高市さんへの質問。当たり前の質問だと思う。意地悪な質問ではまったくないと思うんだけど…マジで意味不明》
《決めつけるなっていうか約束や公約を反故にしてきた自民党が問題だろ》
《高市氏と太田氏の責任どうとるかの話、あの意地悪発言は高市氏が逃げたなーと感じざるをえなかった。

その質問は失礼かもしれないけど、覚悟と誠意の話をしてる訳だからその質問をはぐらかすのはね…》

今回の衆院選で落選した中道改革連合の岡田悟前衆院議員(42)も、高市氏と太田のやり取りを収めた動画を取り上げたユーザーの投稿を引用し、《意地悪な質問では全くありませんね。動画で見て改めて、高市総理の反応に驚きました。これから国会でもこれが始まるのか》と反応していた。

太田にとっても高市氏との会話は、「一番印象に残った」という。エンディングでは「できなかったことを想定しなくて混乱したことが……。例えば、東日本大震災の原発事故もそうだし、日銀と政府の独立性もそうだし。安全神話みたいなことがあったわけですよね」と指摘し、「それをあえて言葉にしていないことが、日本の政治の一番不安定なところ」と持論を述べていた。

過去にも選挙特番での発言が炎上したことがある太田だが、今回は一味違ったという。

「太田さんは’21年10月の衆院選でも、選挙特番中に甘利明氏(76)に『ご愁傷様』と言い放ち、二階俊博氏(86)に『いつまで政治家を続けるつもりですか?』と皮肉ったことが批判を集めました。ですが今回はそうした態度とは違って、高市氏の話を真剣な表情で聞き、謙虚な姿勢で質問していた姿が印象的でした。また発言のなかで、“できるはずがない”と決めつけるようなこともなかったですね。

いっぽう、自民党では昨夏の参院選で公約に掲げていた現金給付の実施が見送られるなど、公約が実現されなかったことは過去にもあります。

高市氏が掲げた“食料品の消費税2年間ゼロ”の公約は『検討を加速する』にとどまり、財源や実施期間など具体的なことも明示されていません。高市氏も全国遊説でほぼ言及していなかったことから、公約実現に向けてどれくらいの覚悟を持っているかは気になるところではないでしょうか」(政治ジャーナリスト)

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