「野菜はすりおろすことで酵素が活性化します。野菜の細胞が壊れることで、栄養素の吸収率が上がりますし、食物繊維が細かくなることで、腸内環境も改善する。

しかも、シンプルに、食べやすく消化にもいいですよね。まさにいいことずくめです」

そう教えてくれたのは、東京・戸越銀座で秋津医院を営む医師の秋津壽男先生。インフルエンザや風邪にかかりやすいこの時期、年末年始の暴飲暴食で胃腸が疲れていたり、免疫力が下がっていたりするため、“すりおろし野菜”をうまく利用して体をいたわりたい。

「大根やれんこんなどの根菜はすりおろし野菜に向いています。特に大根はすりおろすと、細胞が壊れて、抗酸化作用のある辛味成分のイソチオシアネートが活性化します。イソチオシアネートは大根の下部に多く含まれていて、肝臓の解毒作用を活性化させ、発がん性物質の毒性を抑制します。がん予防の効果が期待されているほか、血栓予防、消化促進、殺菌作用にも効果があるんですよ」(秋津先生)

すりおろし野菜向きの野菜は“刻む”だけでは、細胞が壊れずに酵素が活性化しないため、“すりおろす”ことが重要。皮ごとすりおろすことで、野菜の栄養素を漏れなく取り入れられる。

「あと、野菜をすりおろすと水溶性ビタミンなどが水分となって流れ出ため、すりおろした野菜の水分はきらずに、一緒に食べましょう。すりおろした野菜を絞って、水分を捨てるのは×です」(秋津先生)

栄養素を取りこぼすことなく、“根菜おろし”をおいしく食べるためには「おろし道具」の選び方や保存法なども重要。料理家で管理栄養士の濱崎まゆこさんに、そのポイントを解説してもらった。

■調理から消費期限保存まで知っておきたい「野菜おろしQ&A」

【Q1】野菜おろしを調理する際の注意点は?
【A1】ビタミンや酵素は熱に弱いため、なるべく火を通しすぎないようにしましょう。

【Q2】野菜おろしを食べる際の注意点は?
【A2】水溶性の成分がおろした汁に流れ出てしまうため、汁ごとすべて食べることが大事です。

【Q3】野菜おろしをさけたほうがいい人はいる?
【A3】野菜おろしは食物繊維がたくさん取れてしまうため、腸が弱い人は下痢や腹痛が起きやすいので注意。

【Q4】根菜をおろすコツは?
【A4】大根は粗めのおろし金で優しくおろすと辛味も出ず、食感も◎。にんじんやれんこん、ごぼうは細かいステンレス製のおろし金だとラクにすりおろせる。仕上がりの口当たりもふんわり。

【Q5】野菜おろしの消費期限は?
【A5】酵素が分解されやすいため、すりおろした後、60分以内に食べるのがベター。

■味も食感も手間も変わる!「おろし道具の選び方」

おろし道具にはさまざまな素材でできた商品がある。それぞれどんな食材をすりおろすのに向いているのかおさえておこう!

【ステンレス製】汎用性が高く万能

野菜やチーズなどをすりおろすのに◎。ステンレス製のおろし金さえあれば間違いなし。

【プラスチック製】軽くて手軽に使える

傷つきやすく、においや色が移りやすいデメリットも。気になる場合は重曹を使ったお手入れを。

【セラミック製】食材の味や風味を損ねない

ふわふわとした食感の大根おろしが作れる。

香りや辛味成分を引き出したいわさびやしょうがなど薬味にも◎。

【鬼おろし】根菜を粗くすりおろすのに◎

辛味を抑えたい場合にもおススメ。ただし、お手入れが難儀。カビないようによく乾かすこと。

■水分は“軽く切る”のがコツ――「根菜おろしの冷凍保存法」

【1】すりおろした野菜の水分を軽くきっておく。※きりすぎない
【2】なるべく平らにしてラップなどで包み、小分けにする。
【3】ほかの食材のにおいが移らないよう、冷凍パックに入れ冷凍庫へ。
【4】キューブ形の製氷ケースを使うと便利。野菜おろしを製氷ケースに流し入れて冷凍する。傷みやすいため、解凍後、早めに食べるのがベター。

冷凍したすりおろし野菜を解凍して、そのまま食べるのは風味が損なわれて△。味噌汁やスープ、煮物などに入れるのがおススメ。

根菜の栄養素を、おいしく丸ごとチャージしよう!

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