右手を垂直に立て、左手に白い糸を巻かれている愛子さま。昨年ラオスを公式訪問された際と同じ「シン」(巻きスカート)、「スア」(ブラウス)という同国の伝統衣装をお召しになり、1月28日、駐日ラオス大使館で、大使夫妻が主催する夕食会に臨まれていた。

皇室担当記者はこう振り返る。

「今回は大使夫妻が公式訪問のお礼として、愛子さまを招かれたと伺っています。愛子さまがラオスでも召し上がったもち米、川海苔の揚げ物などが食卓に上り、ご訪問時の思い出、日本で同国への関心が高まったことについて、和やかにお話しになっていたそうです。また食事の前には、同国の伝統儀式『バーシー・スークワン』に臨まれています」

この儀式は、愛子さまが訪問されていた際にも行われたものだ。

「ラオスでは、健康や幸せを祈るため、古くから人々の日常生活に根差した儀式として行われています。公式訪問時と同じく、祈祷師が祈りを捧げるなか、愛子さまは祭壇から延びる白い糸を持って合掌し、その後左手首に巻いて結ばれていました。昨年はご帰国後、1カ月ほど手首に結ばれたままでしたが、今回も1月いっぱいは糸をお付けになっていたそうです。

愛子さまにとって、ラオスは初めての公式訪問国。大使夫妻をはじめ、出会った人々への感謝を夕食会で伝えられていました。ご訪問後も、親善を大切にし、さらに交流の輪を広げる……皇室の国際親善が大切にしている形ですが、今後も愛子さまはそのご姿勢を続けていくのでしょう」(前出・皇室担当記者)

皇族としてのお務めを着実に果たされている愛子さま。また2月に入り厳しい寒さが続く中でも、毎朝変わらずに、勤務先の日本赤十字社本社に出勤されている。

そしてまもなく、2月14日のバレンタインデーがやってくる。

昨今は“脱チョコ”としてギフトの形も多様になっているというが、愛子さまは周囲にどのような“贈り物”をなさっているのか――。

「実は昨年、身の回りのお世話を担当する女官や内舎人(うどねり)といった職員に、即席のお味噌汁を配られていたそうです。実用的であるばかりでなく、ちゃめっ気にもあふれた愛子さまらしい贈り物でしょう。

振る舞われたのは、天皇ご一家のプライベートスペースで働く職員だったのですが、聞きつけた職員や側衛官たちには『ぜひいただきたかった……』とうらやましがる者もいたと聞いています」(宮内庁関係者)

寒空の下でも皇室の方々を支える職務に励む宮内庁の職員、皇宮警察本部の護衛官たち。彼らを労いたいお気持ちを、愛子さまは強くお持ちだという。前出の宮内庁関係者はこう続ける。

「今年のバレンタインは、手作りのお味噌汁を、昨年はお配りになれなかった側衛官などにも差し入れたいとお考えのようです。国際親善の場をはじめ、さまざまな場面で日常的に関わられるすべての人々に、感謝のお気持ちを示される。じつに愛子さまらしいお気遣いだと思います」

■支える人々へ対するこまやかなお気遣い

そうしたご姿勢は、まさに天皇陛下から学ばれたものなのだろう。皇室解説者の山下晋司さんには宮内庁職員時代に、陛下のお気遣いを感じた場面があった。

「1991年、天皇陛下のモロッコ・英国ご訪問に報道担当として随行しました。陛下は赤坂御用地の東宮仮御所にお住まいで、ご結婚前です。

夜遅く帰国し東宮仮御所で解散した後、東宮職職員に挨拶して帰ろうと事務室に伺いました。

そこにたまたま陛下がおいでになり、『山下さん、お疲れさまでした。ちょっと飲みますか』とお声がけいただき、二人でお酒を飲みながらお話ししたのです。

このご訪問に随行した職員のうち、本庁勤務は私だけでした。次にいつお会いする機会があるかわからないわけです。陛下もお疲れだったのに、そんな私を労うためのお気遣いだったのでしょう」

陛下のお気遣いは、天皇として大切ななさりようだという。静岡福祉大学名誉教授で、歴史学者の小田部雄次さんはこう話す。

「天皇ご一家は1月に、皇宮警察の年頭視閲式にそろって出席されました。これは、命がけで支えてくれる人々に対する大いなる感謝と敬意の表れといえます。

周囲で支える臣下に対し、身分の高低にかかわらず、円滑な人間関係を保つことを、古来の天皇は心がけるべきとされてきました。帝王教育においても、下位の立場にある人々へ示す態度や礼儀、感謝の意の示し方といった部分が重視された側面もあったほどです。

現代社会には身分制度はなく、天皇家はじめ皇室の方々を支える宮内庁職員は国家公務員です。

とはいえ“支えられる”“支える”という関係は変わりません。その意味で、両陛下や愛子さまのお気遣いは、『上に立つものの資格』として、もっとも重要な態度の表れだといえるのです」

周囲で支えてくれる人々に「私たちは家族」というように気遣われるご姿勢。それこそが愛子さまに、“天皇の心得”が息づいている証しといえるのだろう。そして、差し入れられた味噌汁の温かさは、寒空の下で働く人々の体と心を温めるはずだ。

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