「庄田多吉のおサワ(円井わん)さんへの結婚の申込み。僕的には、『早すぎるだろう!』とも思いましたが、そのとき、おサワさんがすごく照れたのを覚えています」

NHK連続テレビ小説『ばけばけ』で、錦織友一(吉沢亮)の友人の英語教師の庄田多吉を演じているのが、濱正悟(31)だ。

主人公のトキ(髙石あかり)の幼なじみで、自分の力で教師になり長屋から出ることを目指すおサワに、柔らかな物腰で勉強を教える庄田が初の洋装のスーツ姿で登場すると、SNSでは《スーツ萌~》《王子様みたい》と盛り上がったが、その場面のプロポーズは、撃沈。

「皆さんの反響の大きさにキャパオーバーしています(笑)。庄田は松江中学で、ヘブンさん(トミー・バストウ)、錦織(吉沢亮)さんと共に教師として働いているので、応援してください」

濱は『舞いあがれ!』(22年)に続いての3年ぶり二度目の大阪NHK制作の朝ドラ出演。当時のスタッフとの再会もあり、リラックスできたと話す。また、髙石とは、同じ事務所の先輩後輩にあたる。

「おトキさんとヘブンさんと庄田の3人が揃う庭のシーンでは、2人が『(庄田は)おサワ、すいっちょん~』というセリフの後半部分は、髙石さんとバストウさんのアドリブです。庄田って純粋でまっすぐすぎるゆえに天然なので、その場で感じたことを大切にして、お二人にいろいろ引き出してもらうのがおもしろいなと思っていて。だから、本当にどうしていいかわからない僕の顔が、そのまま長く使われていました」

高石とバストウとは、撮影の合間に食事の話で盛り上がったという。

「髙石さんも僕も食べるのが好きで、髙石さんからご飯屋さんを教えてもらいましたが、時間がなくて行けませんでした。トミーさんからは、英語の表現の仕方やリズムなどを教えてもらいましたし、『ゆず鍋が美味しかった』と、やはり大阪グルメの話をしていました」

大阪で食事に行く時間がなかったこともあってか、濱のために、現場の昼食は、濱が「大好き」だというカレーのデリバリーを馴染みのスタッフさんが手配をしてくれたそうだ。

「皆さんの愛情をすごく感じて嬉しくて、大阪のスタジオに行くのが楽しみでした。82回(1月27日放送)で、おサワさんたちとミートパイを食べるシーンがありましたよね。

あのミートパイもめちゃくちゃ美味しくて、カットがかかっても食べ続けていました。あまりにも食べていたら、撮影終わりで、スタッフさんが、ミートパイをラップに包んで『よかったら』ってお土産にもくださって。本当に美味しかったです」

山橋薬舗店主の山橋(柄本時生)が、同店内にある白鳥倶楽部で勉強するメンバーに、差し入れしたミートパイ。「息抜きも大事だよ」と、庄田が声をかけて、おサワの心がほぐれていく様子が描かれていた。

「おサワさんの心を開かせようと思ってやっているわけではないんですが、僕自身、大学時代に塾の先生のアルバイトをしていまして。『休憩時間は本当に大事』だという実体験もあったんです」

“美味しい食事”があふれる撮影現場だが、彼が「唯一、味がわからなかった」というのが、おサワとの初のデートシーンのお蕎麦だそう。

「庄田が、初めて女性と食事をする設定の場面です。僕自身、朝いちばんの撮影で台詞も多く、お蕎麦に汁をかけるなどの動作も多くて緊張していて、その雰囲気をそのまま役柄にも持っていきました。この場面があって、おサワさんのことを決定的に好きになったと思いますよ(笑)」

おサワ役の円井は、「濱さんはときおり奇声を発していた」と、インタビューで話していたが……。

「まったく記憶にありません(笑)。白鳥倶楽部のみんなが、自由で楽しそうで、僕があまり演じてこなかった真面目で純粋なキャラゆえに、自分の自由な役柄への渇望が、声になって出ていたのかもしれません(笑)。

これまで僕は、クセの強い役を演じることが多くて、庄田のようにいい人で純粋な役柄を長尺で演じてこなかったこともあり、役によってはあまり現場で、人と話をする方ではなかったんです。

でも『ばけばけ』は、いままで僕が映像作品に90本ほど出演してきたなかで、緊張感はありますが、おトキさん、ヘブンさんはじめ、皆さんに仲間に入れていただいて、いちばんリラックスして話をできたと思います」

第18週(2月2日~)では、ついに庄田は松江中学の教師として登場した。

「錦織との友情と、教育者としての庄田も描かれます。そこに天然で抜けている“半分弱“(庄田のあだ名)の要素も出てきます。庄田としては胃が痛くなるような、すごい展開も起きてしまいますが、先入観なく、どうか応援して頂けると嬉しいです」

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