「天皇皇后両陛下と愛子さまは、3月25日・26日に岩手県と宮城県を訪問されます。東日本大震災による被災地の復興状況などを視察するためですが、直前まで入念なご準備を続けられています」

そう語るのは皇室担当記者。

天皇ご一家は岩手県では大槌町と大船渡市、宮城県では南三陸町や石巻市を訪れられる。 皇室担当記者が続ける。

「ご家族そろって被災地を訪問されるのは、皇室では初めての試みです。愛子さまのご同伴を通じて、震災の記憶を若い世代に継承したいという両陛下のお考えがあるのでしょう。愛子さまも、両陛下のお考えを真摯に受け止められていると思います」

今回の東北ご訪問の意義について、名古屋大学大学院准教授の河西秀哉さんはこう語る。

「ご訪問を通じて“国民と苦楽を共にする”という皇室の姿勢を実践されることになると思います。この15年の復興の成果について喜びつつ、被災者の努力を労われるいっぽうで、いまだ苦しんでいる地域では、直接お話に耳を傾けながら、その苦悩を分かち合われることでしょう。

また“記憶の喚起”という意義もあります。当事者ではない人々は、被災地や被災者の存在を少しずつ忘却してしまいますが、ご訪問をメディアが報じることで、被災地や被災者の現状を知る機会となります。被災地のことを忘れないでほしい、そういったご一家のお気持ちが込められていると思います」

節目の被災地ご訪問のご準備の一環として、3月12日に天皇ご一家は、山野謙・復興庁事務次官からご進講を受けられている。

■キャッチコピーに“愛子さまらしさ”が

宮内庁関係者によれば、

「ご進講のテーマは大きく分けて2つ。1つは東日本大震災以来どのように復興への取り組みが続けられてきたのか。

もう1つは、震災の記憶や教訓をどう継承していくのか、でした。両陛下も愛子さまも、山野事務次官の説明を、メモをとりながら聞かれていたそうです」

お三方は熱心に質問もされたという。

「皆さまが気にかけていらしたのは、現在の被災者の気持ちや被災地の将来に関してでした。“災害自体や被災者の存在が忘れられることを被災地の人々が心配していると聞いているが、実態はどうか?”“被災地で急速に高齢化が進むなか、ほかの地域から若い世代が移住してくる例はあるのか?”といった、かなり具体的なご質問だったと伺っています。

さらに“被災者たちの生きがい”についても話題に上りました。被災者たちがボランティアなどで、地域で何らかの役割を担うことが心のケアにもつながるといった内容で、ご一家が強いご関心を示されていたそうです」(前出・宮内庁関係者)

愛子さまも積極的にお話に加わられたこともあり、この日のご進講は、かなり熱を帯びたものになったようだ。

この4月から社会人3年目となられる愛子さま。3月17日には勤務されている日本赤十字社(以下、日赤)の青少年・ボランティア課が発行している情報誌『赤十字ボランティアのための情報誌 RCV(Red Cross Volunteer)』が1年ぶりに公表された。

「全国の赤十字ボランティアたちの活動を報告するための情報誌で、日赤のホームぺージで閲覧したり、ダウンロードもできます」(前出・皇室担当記者)

この83号のテーマは《赤十字ボランティアの活動の更なる推進を目指して》となっており、活動の活性化や参加へのハードルを下げる方策についての活動事例を紹介するといった内容だった。

「岩手県支部、滋賀県支部など各地での取り組みについて、関係者の声を掲載しています。 昨年5月に愛子さまは石川県を訪問し、被災者の悩みを聞く『傾聴ボランティア』などを続けている金沢大学の学生たちとも交流されました。その際、彼らに若者がボランティア活動に参加しやすくするための方法などもお尋ねになったそうですが、制作中の『RCV』のテーマも念頭にあったのではないでしょうか。

愛子さまが『RCV』の、どの記事を担当されたのかといった詳細は明らかにされていません。しかし誌面のところどころに、愛子さまのお人柄を彷彿とさせる箇所があると感じました」(前出・皇室担当記者)

表紙はハート形に写真がコラージュされており、中心には《受け継ぐ想い・ひらく未来!》というキャッチコピーが。

「’22年のご成年会見では『天皇陛下にも受け継がれている、皇室は、国民の幸福を常に願い、国民と苦楽を共にしながら務めを果たす、ということが基本であり……』とお話しになっています。

また昨年のラオスご訪問後のご感想では、『皇室の方々の歩みを受け継いでいく思いを新たにするとともに……』とつづられています。“受け継ぐ”ということは愛子さまが常に大切にされているご姿勢であり、愛子さまがこの《受け継ぐ想い・ひらく未来!》というキャッチコピーに携わられている可能性は高いと思います。

さらに言えばハートマークは愛子さまのお気に入りの意匠です。ハート形のアクセサリーも愛用されており、学習院大学の卒業アルバムには、ご友人と二人でハートマークを作っている写真が掲載されています」(前出・皇室担当記者)

『RCV』の最新号が公表される前日の3月16日には愛子さまのご将来に関わる、高市早苗首相による発言が大きな波紋を呼んでいた。

「参院予算委員会で立憲民主党の蓮舫議員が『現行法規で愛子さま、女性天皇は誕生できません。では、維新と自民党の連立政権合意と総選挙の公約に掲げた皇室典範改正では、女性天皇は認められますか』と質問したのです。それに対し高市首相は『皇室典範は、皇位は皇統に属する男系男子がこれを継承すると定めており、認められません』と述べました」(前出・皇室担当記者)

さらに蓮舫氏は、

「世論は6割、7割、8割、『愛子天皇』を認めるという声があります。女性天皇容認とも。総理は女性天皇(を認めること)への法改正に歩みを進めることはありますか」

と質問を重ねたが、高市首相の答弁は、

「政府の有識者会議の報告も、今上陛下、秋篠宮皇嗣殿下、次世代の皇位継承資格者として悠仁親王殿下がいらっしゃることを前提に、“この継承の流れをゆるがせにしてはならない”となっている」

というものだった。

■《女性天皇に反対しているわけではありません》

「高市首相は政界きっての強硬な保守派として知られていますが、『文藝春秋』’22年1月号では《私は女性天皇に反対しているわけではありません。女系天皇に反対しています》と発言しており、初の女性首相として、女性天皇への道をひらいてくれるのではないかと期待していた国民も多かったのです。

それだけに参院予算委員会での発言は《首相、女性天皇に否定的見解》などと報じられ、批判の声も上がっています」(前出・皇室担当記者)

これらの発言について、静岡福祉大学名誉教授の小田部雄次さんはこう話す。

「女性・女系天皇の容認や“愛子天皇”を望む多くの声があるにもかかわらず、それを避けて議論を進めようとすることは、象徴天皇のあり方が国民から受け入れられなくなる危険性をはらんでいます。

また愛子さまは日赤情報誌でボランティア活動をしている人々に光を当てられています。そういった多くの人の目には届きにくい地道な活動を紹介することは大きな意義があると思います。

愛子さまご自身は、将来どのようなお立場になろうとも決してブレることなく、苦しんでいる人たちの力になるためのご活動を続けていかれるでしょう」

いままさに国会で愛子さまの将来に大きな影響を及ぼす議論が始まっている。だが愛子さまは泰然として「未来は私自身がひらく」というお覚悟を固められているのだ。

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