鈴木亮平(43)主演のTBSの日曜劇場『リブート』が3月29日に最終回を迎え、その衝撃的な結末がネット上で大きな波紋を広げている。

同作は、妻殺しの濡れ衣を着せられた松山ケンイチ(41)演じるパティシエの早瀬陸が、鈴木演じる悪徳刑事・儀堂歩の顔に整形して「リブート(再起動)」し、真犯人を追い詰めていく“エクストリームファミリーサスペンス”。

先の読めない怒涛の展開で注目を集めた同作は、民放の今期ドラマでは唯一平均世帯視聴率が10%を超えるなど、大きな反響を巻き起こした。

ただ、最終回の“ある展開”を巡って大きな賛否がわかれている。

※以下、最終回の内容について触れています

最終話では、裏組織の汚れ仕事を引き受けてきたKing & Prince永瀬廉(27)演じる冬橋が自首して罪を償おうとするが、Mrs.GREEN APPLEの 藤澤涼架(32)演じる相棒の霧矢の提案により、霧矢が身代わりとして逮捕される道を選ぶ。冬橋自身は「マチムラ」と名乗る北村匠海(28)演じる別人に“リブート”し、保護した子どもたちをNPO「しぇるたー」で救う道を進むという結末を迎えた。

最終回放送後の公式HPの相関図では、霧矢のステータスは「逮捕」となり、詳細には「『しぇるたー』を守るため、出頭し逮捕された」と書き足された。

そのため、2人の強い絆に涙する人が続出した一方で、「家族」である子どもたちを守るためとはいえ、劇中で大勢を殺したにも関わらず、冬橋だけ法の裁きを逃れて生き続けるという衝撃の結末に、Xでは疑問の声も散見された。

《冬橋は罪償えよ》
《合六さんの命令は絶対だと 殺して  穴掘って  埋めて 冬橋を逃して全部を背負って逮捕されたよね 結局、霧矢は報われたのか?! 冬橋がいなかったらもう死◯でたって、それで良かったの?》
《冬橋、リブートしてないで罪を償って家族経営してください》
《リブート最終回見終わったママが 冬橋罪償えっていってる》

賛否両論が巻き起こったこの結末をプロはどう見たかーー。TVコラムニストの桧山珠美さんに話を聞いた。

「そもそも、パティシエの松山ケンイチさんが、顔も声も変えて別人の刑事になるという設定自体が、相当に荒唐無稽です。でも、視聴者がその設定を横に置いて楽しめたのは、鈴木亮平さんの圧倒的な演技力があったからでしょう。鈴木さんの中にちゃんと松山さんが見えたことで、設定を受け入れて物語に引き込まれていったのだと思います。

そして、殺された妻が戸田恵梨香さん演じる一香に『リブートしてるんじゃない?』などとSNSでみんな盛り上がって、実際にそうだったのですが、荒唐無稽な設定が故に、何でもアリの面白い展開。

視聴者が勝手に想像を膨らませる題材を次々と与えてくれるようなドラマでした」

現実離れした設定の物語の中で、永瀬廉演じる冬橋は主役に並ぶキーパーソンだった。

「この永瀬廉さん演じる冬橋ってのが、すごく悪い役で、親のいない子どもたち、“家族”を幸せにするためのシェルターを運営するためと言って、平気で人をバンバン殺すような一面がありました。殺した人数でいえば日本の法律では死刑だと思うのですが、最後は自首して逮捕された霧矢役のミセスの藤澤さんにすべての罪を被せて自分だけ逃げたようにも見えました。

だから、この結末に怒っている人がいるとすれば、それは霧矢ファン、ミセスファンの怒りだと思います。本来なら下っ端のはずの霧矢が死刑級の罪を負わされたことへの、ミセスファンの怒りや悲しみです。

ただ、別の解釈では、霧矢は冬橋の罪を被ったわけではなく、実際にやったことや下っ端の立場でいえば逮捕されても大した罪にはならないので、何年かしたら出所できるとの見方もあります。これは霧矢にも幸せになってほしいというファンの願望でもあるのでしょうが、こうした心理が結末への批判の根底にあるのだと思います」

一方で、永瀬から北村への「リブート」というサプライズ演出はSNSでも高く評価されていると指摘する。

「北村さんが永瀬さんの表情やスタイルにしっかり合わせていて、演技のうまさが際立っていましたよね。数分、数秒かもしれないけど、笑い方とかセリフの言い回しとかも、ちゃんと永瀬さんを“リブート”してたなっていうのは見どころでしたし、好評でした。

このドラマは、100億円とか裏組織とかアジアのマフィアとか壮大なテーマかと思いきや、結局は“家族愛”に着地するんですよね。北村有起哉さん(51)演じる合六は最後に家族を守るために迷わず死刑を選び、冬橋は死刑を逃れることで家族を守ったわけです。ツッコミどころはあるでしょうが、ドラマとしては盛り上がりを見せたと思います」

今期のドラマの中で間違いなく1番の話題作となった『リブート』を、桧山さんは「TBSの功績」だという。

「そもそも、本気で結末に怒っている人は多くないと思います。韓流ドラマみたいに登場人物がバンバン死んだり、現実ではあり得ない設定とか、笑っちゃうようなバカバカしい“ごっこ遊び”みたいなことを、役者たちの技術で大真面目にやった作品ですよ。出演者たちも演じていて楽しかったんじゃないでしょうか。

これを見て“悪いことしたら顔変えて生き延びよう”とか思わないですし、見終わっても1ミリも人生観は変わらないですけど、これだけSNSでも騒がれて、TVでも配信でも見られて、終わってもなお解釈の余地でまた盛り上がって。TBSの狙い通りでしょうし、娯楽作品としては大成功ですよね。

韓流でもアニメでもなく、日本のドラマもまだまだこんなに面白いものができるんだっていう成功例になったのでは。Netflixとかに圧倒的に予算で敵わない中で、日本のテレビができることは何かを見せてくれたと思います」

ツッコミどころ満載の設定を逆手に取り、最後まで視聴者を翻弄し続けた『リブート』。放送が終わってもなお、視聴者を楽しませているようだ。

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