
「いまどき回覧板とか、面倒なだけ!」という声も多い町内会。東京都内では、町内会(自治会)の数は増えているものの、逆に加入率は激減しているという。つまりマンションが増え、自治会が細分化しているが、若い世代を中心に加入者が減っているのだ。「町内会不要論」も唱えられているいま、町内会にまつわるトラブル事例を紹介!
【ケース1】役割分担トラブル
「3年ほど前に賃貸マンションに引っ越し、何も考えずにマンション自治会費を払ってしまいました。翌年、班長の当番が回ってきたのですが……」
そう大阪府在住の派遣社員、桧山和子さん(55・仮名以下同)はため息をつく。彼女は知らなかったのだが、平日にゴミ置き場の掃除をするのも班長の仕事。だが彼女はシングルマザーでもあり、時間的にも難しい。そのことを自治会の役員に告げたところ−−。
「すぐに年配の役員たちが数名で押しかけてきて、『みんながやっているのだから、あなたもやってくれないと困る!』と、口々に言うのです。私は『自分は派遣の仕事で子供たちを育てているのに、清掃のために会社を休んで派遣切りにあったら、誰が責任をとってくれるんですか!』と言いました」
2時間くらい玄関先で論争になったが、怒った桧山さんは脱会を表明。しかし翌年も、役員たちがさらに大人数で押しかけてきたという。
「今度は『防犯灯の維持費などは自治会が負担しているのだから、このマンションに住むのなら、自治会に入ってもらわないと困ると……。結局、自治会名簿に私の名前を掲載しない、班長などはやらないといったことを条件にして、自治会費を払い続けることにしました』