「熟年離婚した女性が、新しいパートナーを見つけて20年ぶりにセックスしようとしたところ、痛くてまったく入らない−−。最近、そんなお悩みが増えているんです」
そう話すのは、美容婦人科治療が専門の喜田直江先生。
■膣が干からびる“膣萎縮”
最近目立つ悩みは、先述のような性交痛だ。
「原因は閉経による女性ホルモン、エストロゲンの激減。閉経後は膣の壁が薄くなり、膣内のコラーゲンも減少します。そのため、おりものなどの分泌物が減り、膣が干からびたように硬くなります。すると乾燥して雑菌が増え、かゆみやにおいが出たり、性交痛などの症状につながります。これを『膣萎縮』と呼びます。が、閉経後には遅かれ早かれ、誰にでも起こる症状。膣にかゆみがあったり、膣に指を入れたときに痛みがあれば、症状が進んでいます」
少しでも軽くするには、閉経前から日常的にセックスをすること。膣内の血行がよくなり、女性ホルモンのバランスも整って、潤いが保たれるからだ。
「ただ、精神的な満足度が高いほうがホルモンバランスが整いやすいので、やはりセックスがベストです」
■デリケートゾーンのにおい、かゆみ
「においに関する悩みもあります。膣内は雑菌を排除するため自浄効果がありますが、閉経後はそれが弱まります。そのため雑菌が繁殖しやすくなり、においがきつくなってしまうのです。実は、排せつ物が付着することもあるアンダーヘアは雑菌の温床です。大陰唇回りのOラインの毛をそるか、抵抗のある方は短めにカットするだけでも、においはかなり軽減されます。『アンダーヘアは女性器を守るためにあるからそってはいけない』と言う人もいますが、それは現在のような下着がなかった時代の話です。今は下着が守ってくれるので、なくても問題ないんです。カミソリでそり続けると肌に負担がかかり、黒ずみの原因にもなるので、医療レーザー脱毛がベターです」
さらに喜田先生は、入浴時に丁寧に女性器のヒダを洗うように勧める。
「閉経後はとくに、できればデリケートゾーン専用の酸性せっけんを使いましょう。膣の中は酸性なので、中性のせっけんで洗うと酸性が保たれなくなり、雑菌が増える原因に。敏感な粘膜に触れるので、天然成分のみが使われた安全なものを選びましょう」
アンダーヘアを処理すれば、ヒダの中も丁寧に洗えるうえ、女性器のたるみなどの変化もチェックしやすい。
「顔を毎日鏡で見るのと同じように、女性器をもう1つの顔と思い、日ごろからチェックしましょう」
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