もし夫の不倫に気がついてしまったら、あなたは許すことができますか?

今回は、そんな夫に「ラストチャンスを与えた」という女性のエピソードをご紹介しましょう。

妻に“不倫デートの現場”を押さえられ絶体絶命の夫。それでも離...の画像はこちら >>

スマホ依存な夫の“変化”と、生々しいやり取り

西田志帆さん(仮名・35歳/主婦)は、結婚して4年目の夫・隆也さん(仮名・34歳/会社員)の不倫の証拠を掴んでしまいました。

「最初に違和感を覚えたのが、私の前ではスマホをほとんど見なくなったことでした。
以前はスマホ依存症かというほど、ずっといじっていたのに」

そしてたまにスマホを見たとしても、不自然に下向きに置くようになったそう。

「それで、最近妙に残業や会社の飲み会や出張が多いし、家を空けることも増えてない? とだんだん不安になってきてしまい、良くないことだとは思いましたがついこっそり隆也のスマホを見てしまったんです」

するとLINEに取引先の女性とのやり取りを発見し、そこには明らかに不貞行為があったと思われるメッセージがありました。

「それが『もっとずっとひとつになったままでいたかった』や『今度は絶対お泊まりしようね』など生々しいやり取りで、見ていられなくなり思わず目をそらしてしまいましたね」

自分は夫と夫婦でい続けたいのか、別れたいのか

そして「そういえば隆也は私と付き合っていた時にも、こういうことを恥ずかしげもなく言ってくる人だったな」と思い出した志帆さんは、彼がかなりその女性にのぼせ上がっているのを感じました。

「あと最近、隆也がホワイトニングに特化した歯磨き粉を急に買ってきたのも……おかしいなと思っていたんですよ。歯磨き粉なんていつも私任せで何のこだわりもなかったくせに。きっと彼女に好かれたい気持ちからエチケットに気を遣いだしたってことなんでしょうね」

妻に“不倫デートの現場”を押さえられ絶体絶命の夫。それでも離婚されなかった“意外な理由”とは
歯磨き粉
志帆さんの中に様々な想いが溢れて、証拠を突きつけて隆也さんと不倫相手を別れさせた上で、今後も結婚生活を続けていきたいのか、それとも離婚したいのか、自分の気持ちが分からなくなってしまったそう。

「もちろん裏切られたショックは大きいですし、隆也とは当然添い遂げるものだと信じていたので、まさかこんなことになるなんてという動揺はありましたが……。正直、もう私に興味が持てないのなら無理に一緒にいる必要もないというか、そんな我慢をしてまでそばにいられても、私もしんどいなという思いもありました」

デート現場で待ち伏せると、浮かれた夫が現れた

今まで通りしれっと暮らしている隆也さんを見てイラつきながら「このままじゃいけない、きちんと決着はつけなくては」と思った志帆さんは、再び隆也さんのスマホを見てみることにしました。

「すると彼女とデートの約束をしていて、そのやり取りを見ながら『そういえば隆也はいつもデートの時に30分前に待ち合わせ場所に着いて、私のことを待っている時間が好きって言っていたな』と思いだして……。つい切ない気持ちになってしまいました。そしてこの女性との待ち合わせにも30分前に行っているのかな? と考えてしまって」

そして隆也さんの不倫デートの当日。その待ち合わせ場所に志帆さんも行ってみることにしたそう。

妻に“不倫デートの現場”を押さえられ絶体絶命の夫。それでも離婚されなかった“意外な理由”とは
カフェのテラス席
「30分前には到着するよう現場へ向かいました。そして、その場所が見下ろせるカフェのテラス席から見張ることにしたんです

すると15分ほど経った頃に、いつもより少しおしゃれをした隆也さんが現れたそう。


「そして隆也に気が付かれないように、そっと後ろに回り込んで、肩を叩いたんですよ

崩れ落ちた夫へ、ラストチャンスを与えることに

隆也さんは彼女だと思い込んでいたようで満面の笑みで振り返りましたが、それが妻の志帆さんだと分かると、悲鳴を上げながら膝から崩れ落ちてしまいました

「私が『全部知ってるよ。今でもデートの待ち合わせの時、早めに来るんだね』と言うと『ごめんなさい』とひざまずいた状態で平謝りしてきたんですよ。

その姿がとても情けなく、だったら不倫なんてすんなよと思いましたが、なんだかんだ隆也には情があるのでラストチャンスを与えてみることにしたんです」

妻に“不倫デートの現場”を押さえられ絶体絶命の夫。それでも離婚されなかった“意外な理由”とは
ラストチャンス
志帆さんは、隆也さんの肩を掴むと「私とやり直したいなら一緒に帰ろう。それともこのまま待ってその女とデートする? どっち?」と聞いてみたそう。

「そしたら間髪入れず『帰る! 帰るに決まってるよ』と私の手を引っ張ってくれたので、今回だけは大目に見てあげることにしました」

不倫夫にチャンスをあげた“意外な理由”

そして不倫相手の女性に隆也さんが電話をし、途中で志帆さんにも代わり「もう金輪際(こんりんざい)、うちの夫と関わらないと約束してください」と釘を刺しました。

その女性には『ウザッ……』と電話を切られてしまいました。その態度から隆也に対する気持ちはさほどなかったのが伝わってきて、私はホッとしましたが、隆也は苦い顔をしていましたね」

そして隆也さんに「もう次やったら即離婚だから、これからは首の皮一枚でつながっているだけだと思って、信頼を取り戻すべく毎日誠実に生きてください。私ももう勝手にスマホを見るような卑怯なマネはしないので」と言い放つと、志帆さんはもうそのことには触れずにいつも通り笑顔で接するよう心がけたそう。

「それがかえって心に染みたのか、隆也はすごく反省したようで毎日早く帰ってくるようになったし、連絡もまめになり、家事もよくやってくれるようになったんですよ」

なぜあの時、夫にラストチャンスをあげようと思ったのかを聞くと、「隆也が彼女との待ち合わせの“15分前”に現れたからなんです。もし私と同じ30分前だったら、もう別れていたかもしれませんね」と微笑む志帆さんなのでした。

<文・イラスト/鈴木詩子>

【鈴木詩子】
漫画家。『アックス』や奥様向け実話漫画誌を中心に活動中。
好きなプロレスラーは棚橋弘至。著書『女ヒエラルキー底辺少女』(青林工藝舎)が映画化。Twitter:@skippop
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