納豆といえば、言わずと知れた健康食品ですよね。発酵食品の代表としても知られる納豆ですが、「本当に健康に良いの?」「毎日食べても良いの?」など、疑問に思っている方も多いのではないでしょうか。


実は納豆、ただの発酵食品なだけではなく、他にはない特殊な効果があるんです! ただし、食べる時の注意点もあり。今回は、納豆の効果について研究結果を基に解説します。後半では、意外と知られていないデメリットや、効果的な食べ方もお伝えするので、ぜひ最後まで読んでみてくださいね!

納豆の驚くべき3つの効果

「納豆」は本当に腸活に良い? 意外な“2つの注意点”も。メリ...の画像はこちら >>
納豆の素晴らしい特徴の1つは、「納豆菌」が含まれていることです! まずは、「納豆菌」の効果について見ていきましょう。

日本で行われた研究を参考にすると、納豆を食べることで以下3つの効果が期待できます。(※1)

・腸内の良い細菌を増やす効果
・便通の回数や質を良くする効果
・体重や体脂肪の減少を促進する効果


特に注目したいのは、整腸作用による便通の促進! 研究参加者の方が「2週間」「1日1パック」の納豆を摂取しただけで便通が改善しました(便の形状や回数など)。

納豆菌には、腸内に元から住んでいる良い細菌を増やす作用があります。そのおかげで腸が活性化され、便通にも繋がるんですね!

納豆菌は腸まで届きやすいのが良い所

納豆菌の1番の特徴は「強さ」にあります。他の細菌に比べて「酸素」「熱」「酸」によって死滅しにくいのです。たとえば、ヨーグルトに多く入っている乳酸菌は、酸に弱いため胃酸によって死滅してしまうことが多いです。

しかし、納豆菌は胞子と呼ばれる「自分を守るためのガード」を持っているので、胃酸から身を守ることが可能! そのおかげで腸まで生きたまま到達できるのです。

そして、腸に届いた納豆菌は、糖(多糖類)を分解する力を持っています。糖が分解されると、オリゴ糖と呼ばれる物質が作られ、それらがビフィズス菌などの良い細菌を増やしてくれるのです。

納豆の意外な「2つのデメリット」

ここまでお伝えした通り、納豆には素晴らしい効果がたくさんあります。ただし、気をつけたい点もいくつかあるので、確認していきましょう。

① 高FODMAPであることに注意

納豆は「高FODMAP食品」の1つです。
高FODMAPとは、腸内で発酵されやすく、過敏性腸症候群(IBS)の症状を引き起こす可能性がある特定の食品の総称。大豆製品である納豆も、この高FODMAP食品に分類されます。

ですので通常は問題ないのですが、特にIBSの方やお腹が敏感な方は、食べる量を調整する必要があるかもしれません。具体的な症状として「お腹の張り」「ガスが異常に増える」「腹痛」などが懸念されています。

「納豆」は本当に腸活に良い? 意外な“2つの注意点”も。メリット・デメリットを科学的に解説
お腹にてをあてる女性
② 毎日食べすぎるのはオススメできない

上記でもお伝えした通り、納豆菌は他の細菌と比べて非常に強い特徴があります。そのおかげで、整腸作用が期待できるのですが……別の言い方をすると、腸内の細菌バランスを崩す可能性もあるのです。

たとえるなら、納豆菌はジャイアンです。強いからこそ、味方になると心強いですが、もし過剰に増えすぎたら厄介なことに。。1日1パックとかであればよっぽど大丈夫ですが、毎日のように2~3パックを食べるのは控えた方が良いかもしれません。

納豆の効果を最大限に引き出す食べ方

せっかく納豆を食べるなら、効果を最大限に引き出したいですよね。実は、食べ方や食べるタイミングによって、効果に差が出ることも分かっています。2つのポイントを意識してみましょう。


① できるなら朝食がベストタイミング

1つ目のポイントは、できるだけ「朝」に食べること。1つの研究によると、納豆に豊富な大豆タンパク質を朝に摂取することで、腸内環境を良くする効果が高くなったのです。(※2)

「納豆」は本当に腸活に良い? 意外な“2つの注意点”も。メリット・デメリットを科学的に解説
納豆をかき混ぜる女性
② キムチや味噌汁との相性も◎

発酵食品同士の組み合わせは、腸内環境により良い影響を与える可能性があります。なぜなら、腸内環境を良くする上で1番大切なのは「細菌の多様性」を増やすことだから。1つの発酵食品に偏らず、いろいろなものを食べることが腸内環境を整えることに繋がります。

納豆を賢く取り入れて楽しく腸活しよう!

今回は、納豆の効果やデメリット、効果的な食べ方についてお伝えしました。最後に、ポイントをまとめておきますね。

「納豆」は本当に腸活に良い? 意外な“2つの注意点”も。メリット・デメリットを科学的に解説
お皿に盛られた納豆とキムチ
・納豆菌は胃酸に強く、腸まで届いてビフィズス菌などを増やす
・朝食に食べるのがベストタイミング
・食べても1日1パックを目安に、食べすぎ注意
・キムチや味噌との相性も良い


このように意識して食べることで、納豆の効果を最大限に引き出すことができます。苦手な方は無理する必要はありませんが、好きな方はぜひこれからも食べ続けましょう。レッツ納豆腸活ライフ!

出典:
(※1)竹村浩「納豆菌 Bacillus subtilis MC1 芽胞を含む納豆の摂取が 健常成人女性の排便および糞便内菌叢に及ぼす影響」(2009)
Kanako Kono「Fluctuations in Intestinal Microbiota Following Ingestion of Natto Powder Containing Bacillus subtilis var. natto SONOMONO Spores: Considerations Using a Large-Scale Intestinal Microflora Database」(2022)
(※2)佐々木 裕之「腸内細菌叢の改善を目指した大豆たん白質摂取の時間栄養学的研究」(2020)

<文/腸活の研究家ざっきー>

【腸活の研究家ざっきー】
腸活の研究家。「健康と体作りを後回しにしない」をモットーに、フォロワー11万人のInstagramでは、論文を元にした腸活情報や腸が整うレシピを発信中。Instagram:@zakii312、Twitter:@chokatu_zakii
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