オンラインカジノ、芸能界で芸人ばかりが問題に
2月19日にお笑いコンビ・令和ロマンの髙比良くるまが、過去にオンラインカジノを利用していたとして芸能活動の自粛を発表した。吉本興業では、他にもダイタクの吉本大と9番街レトロのなかむら★しゅんが任意で警視庁の事情聴取を受けたと報じられるなど、大混乱を起こしている。また、爆笑問題の所属事務所であるタイタンは、4人がオンラインカジノを利用していたと発表。次々とオンラインカジノを利用している芸人が炙り出され、活動自粛へと追い込まれている。
なぜ、芸能界には俳優やタレント、ミュージシャンが多数いるのに、芸人ばかりがオンラインカジノ問題で取り上げられるのか? 実際、芸人たちがオンラインカジノをしているのを間近で見てきたという、現役の放送作家が匿名を条件に本当のところを明かしてくれた。
芸人がオンラインカジノをやる特殊な環境
芸能界には俳優やミュージシャンにもギャンブル好きは多そうだが、週刊誌で取り上げられるのは芸人ばかり。なぜ、オンラインカジノをプレイしてしまった芸人はこんなにも多いのか?他の職種にはない、特殊な環境に芸人がいるのが要因だろうと放送作家は話す。
「吉本芸人の場合は、各地にある劇場でオンラインカジノがひろがりやすい環境にあったようです。劇場には多くの芸人が集まり、楽屋でさまざまな会話が繰り広げられます。待ち時間が長い日もあり、ギャンブルや女の話で盛り上がることが多く、オンラインカジノの情報も出回ったんでしょう。
他の事務所の芸人も営業や合同ライブなどで地方へひんぱんに行く機会があるんですよ。移動や現地での待ち時間はかなり長くて、何で暇つぶしをするか皆が頭を悩ませています。
そんな事情もあり、ネットゲームをプレイしている人が多く、中には公営ギャンブルをスマホで行っている芸人もいる。スマホでギャンブルするのが数年前から当たり前になり、気軽にオンラインカジノをプレイしてしまった芸人もいたようです。
現在は事務所の枠を超えて仲の良い芸人が多く、いろいろな情報交換をしているので、オンラインカジノがおもしろいという話が一気に広まったんでしょうね」
オンラインカジノ無料版のCM放送や関係仕事で認知拡大

「酒、女、ギャンブル好きは、昭和イメージですが今でも芸人に多いですよ。
今回、話題にあがっているダイタクの吉本大さんも、芸人界では有名なギャンブラーですからね。基本的には公営ギャンブルやパチンコの情報がメインですが、中にはオンラインカジノについて話していた芸人もいます。
特に2022年ころからオンラインカジノの『無料版』CMが放送されるようになり、またネットで生配信など、オンラインカジノ関係仕事が芸人にも振られ、認知度が一気に高まった背景があります。その頃は、“本当に違法じゃないのか”という話も含め、楽屋では良くオンラインカジノの話で盛り上がっていました。
今回の騒動で名前があがっていないが、当時プレイしていた芸人はまだいると思います。また、先輩芸人からオンラインカジノを勧められ、話をあわせるためにプレイしてしまった若手芸人もいました」
事務所聞き取りに嘘をつく芸人も
情報が広まりやすい環境に合わせ、一部の大物芸人の影響も大きいのだとか。「韓国やラスベガスで、カジノをして豪遊するのがステイタスと考える芸人は多い。実際、楽屋でカジノにて遊んできた話をして、若手から尊敬を集めている中堅芸人もいますからね。そういった風潮の中でカジノが身近な存在となり、何気なくオンラインカジノをプレイしてしまった芸人は多いようです」

「自分も、2023年頃にとある芸人からオンラインカジノを誘われました。
今回、吉本やタイタンをはじめ、さまざまな事務所が聞き取り調査を行っていますが、バレないだろうと思い嘘をついている芸人は結構いるようです。警察がどこまで動くかはわかりませんが、まだ芸人のオンラインカジノ問題は収まる気配がなさそうです」
人気芸人たちも巻き込む形で、年明けから急速に騒動が広まったオンラインカジノ問題。数年後に、今回の騒動を当事者たちがネタにして笑える日は来るのだろうか?
<文/ゆるま小林>
【ゆるま 小林】
某テレビ局でバラエティー番組、情報番組などを制作。退社後、フリーランスの編集・ライターに転身し、ネットニュースなどでテレビや芸能人に関するコラムを執筆