コンビニで盛り上がりを見せている食べ物があります。
これは2009年頃からはじまった第2次唐揚げブームの流れの延長として、中食やインバウンドの需要が後押しする形で、身近なごちそうである唐揚げにひときわ人気が集まっていると考えることができます。
でも純粋に、どこのコンビニの唐揚げがおいしいのでしょうか? 実は比較して食べてみると、三者三様。同じ唐揚げでも個性が大きく異なることに気がついたのです。

見た目が大きく違う! おいしそうなのはどれ?

この“小単位で購入できるスタイル”は、お弁当にちょっと追加したい、カップ麺や菓子パンのお供にしたいというニーズに応えたもの。1個から買えるとなると、唐揚げがますます身近に感じられますよね。
さっそく3社の唐揚げを購入して並べることに。ファミマではしょうゆ味と塩味の2種があり、両方食べつつも、比べるのはローソンのLからと同じ「しょうゆ味」にそろえることにしました。
そして今回比較のために東京都心のコンビニを回ってみたところ、東京都心のセブンイレブン5店では単品唐揚げ「ななから」(81円)の取り扱いがありませんでした。
鶏の揚げ物としてのレベルを冷静に判断するためにも、すべて実食した上で、比較対象はからあげ棒にしました。
ファミマのビッグな存在感にそそられる

おいしそうに見えるのはどれでしょうか? 見た目のおいしさは個人の好みによるものが大きいため一概には断定できませんが、がっつり食べたいときにはファミマのビッグな存在感にそそられる人は少なくないでしょう。
【比較対象にした唐揚げ】
セブンイレブン:からあげ棒 180円
ファミリーマート:ファミから(醤油) 1個108円
ローソン:Lから 4個298円
いちばん重かったのはどれ?

計ったところ、ファミマ→54g、ローソン→29g、セブン→23gという結果に。ファミマが圧勝です。
セブンは同条件として比べることはできませんが、1個を口に入れたときの幸福感は重量感が大きく左右するということに、改めて気がつきました。
ジューシーな肉質、衣がおいしいのは

一方ローソンは上品でまろやかな味付けで、ファミマの逆を行く世界観。
衣の厚みは、ローソン→セブン→ファミマの順。ローソンのサクサク衣が絶妙においしく、複数個を味わうなら間違いなくコレ。唐揚げ弁当にゴロゴロ入っていたらうれしいのはローソンです。
ファミマは1個食べた時の満足感という点ではインパクトがあり優秀。にんにく感で好みが分かれる可能性もあります。
また、肉のやわらかさやジューシーさを比べると、ローソンが秀逸。しっとりジューシーな肉質は冷めてもおいしく、断面を見てもパサパサ感はゼロでした。
ファミマはブリッとした肉感があり、セブンは衣を目立たせる控えめながらもやわらかさが印象的です。
3社に共通していたのは、脂っこくないこと

同じ人であっても、一緒に合わせる食べ物やおなかのすき具合、気分によって違う選択肢になる可能性は大いにあるなと感じました。
そして3社に共通して感じたのは、脂っこさがなく、食べた後のもたれるような重さがないこと! これはコンビニ唐揚げのレベルが確実に上がっている証であり、今後各社がますますしのぎを削って、おいしい改良が重ねられることを期待してしまった体験にもなりました。
さあ、みなさんはどのコンビニが気になりますか?
<文・撮影/食文化研究家 スギアカツキ>
【スギアカツキ】
食文化研究家、長寿美容食研究家。東京大学農学部卒業後、同大学院医学系研究科に進学。基礎医学、栄養学、発酵学、微生物学などを学ぶ。現在、世界中の食文化を研究しながら、各メディアで活躍している。女子SPA!連載から生まれた海外向け電子書籍『Healthy Japanese Home Cooking』(英語版)好評発売中。著書『やせるパスタ31皿』(日本実業出版社)が発売中。Instagram:@sugiakatsuki/Twitter:@sugiakatsuki12