昨今は長らく続いたノームコア(普通を極めたファッション)やミニマルファッションが終焉を迎え、ロマンティックなデザインやデコラティブ(装飾的な)アイテムへの支持が高まっています。
そんな中で多く登場しているのが、個性的すぎて取り入れ方がよくわからないアイテムたち。今回は、スタイリストの筆者の目線から見ても「なにこれ?」な謎アイテムをご紹介いたします。
なにを留めるの?「ガータートップス」
トップスの裾にガーターベルトのような装飾が施された「ガータートップス」も、ここ1~2年で現れた謎アイテム。
ひと癖あるデザインとランジェリーっぽさ
これの何がいいかというと、裾にひと癖あるデザインがあることでシンプルなコーデも一気におしゃれでモードな印象を与えられるからだそう。また、裾にベルト状の紐があると歩いた時にヒラヒラと揺れるので、そのデザイン性がコーデにほどよい個性を生み出しているのでしょう。また、ガータートップスはその形からどことなくランジェリーを彷彿とさせます。昨今はランジェリー要素の高いデザインがトレンドなので、その影響もあり人気が高まっているようです。
突如現れた「“チュールフリル”のたすきがけ」
数シーズン前から人気であるバレエコアブームにあやかって、バレリーナのようなチュールレースアイテムが多く登場しています。そのうちのひとつとして突如現れたのが、たすきがけで着用するチュールフリルのつけ襟アイテム。
カジュアルさと可愛らしさがケンカしている人も
おしゃれに意味を問いただしては元も子もありませんが、かなり視線を集中させる上に、チュールフリルだけが浮いて見える着こなしをしている方もとにかく多いです。よく見かけるのはオーバーサイズのTシャツの上から、チュールフリルを斜めがけするコーデ。しかし、カジュアルさとチュールレースの可愛らしさがケンカしあっているような着こなしに見えます。もし取り入れる場合は、ピッタリと身体にフィットした薄手ニットと合わせるほうがバランスが整いやすいです。
意味はないけど、ヒラヒラやフリフリがあれば可愛いらしい
最近のファッショントレンドは、素材やディティールに癖のあるデザインが効いたアイテムが増えています。なかでも、ふわふわ、フリフリ、ヒラヒラを表現できるモチーフの服ないし小物はとくに支持されやすいです。しかし一方で、個性が強いからこそ着こなしのセンスが問われるものでもありますね。これらのアイテムは「ただ取り入れれば今っぽいファッションが楽しめる」というわけではなく、むしろ「え……そのコーデ、アリなの?」と見る人に違和感を与えやすい、かなり難易度の高いアイテム。
大人世代で果敢に挑戦しよう! という方は多くないかもしれませんが、もし今回ご紹介したアイテムを取り入れる場合は、コーデ全体のバランスが整っているかを意識してスタイリングしてみてくださいね。
<文&イラスト/角佑宇子>
【角 佑宇子】
(すみゆうこ)ファッションライター・スタイリスト。スタイリストアシスタントを経て2012年に独立。過去のオシャレ失敗経験を活かし、日常で使える、ちょっとタメになる情報を配信中。2023年9月、NHK『あさイチ』に出演。