今日は、16時間断食のデメリットと腸への悪影響について、研究結果に基づいて解説していきます。16時間断食をしない人にも参考になる内容なので、ぜひ最後までご覧くださいね!
そもそも16時間断食とは?
まずは「16時間断食」の内容を簡単に見てみましょう。名前の通りですが、「24時間のうち16時間は何も食べず、残り8時間で食事をする」食事法のことです。例えば午後7時に最後の食事をした場合、翌日の午前11時まで断食を行い、午前11時から午後7時までの間に食事をする、というスケジュール。断食中は基本的に水分摂取のみOKとされています。
「胃腸を休められる」「オートファジー(細胞の修復)を促す」と言われて広がった16時間断食ですが、人によってはメリットよりデメリットの方が大きくなる可能性があります。
理由1:体内時計が乱れて腸内細菌に悪影響
理由の1つ目は、「体内時計が乱れる可能性があるから」です。
・親時計:主に光によってコントロールされる時計
・子時計:主に栄養素(食事)やホルモンによってコントロールされる時計
大切なのは「両方ともリズムを揃える」こと。そのため、もし16時間断食で朝食を抜いてしまうと、体内時計のリズムが狂ってしまうのです(朝日を浴びる時に食事をした方がリズムが揃うため)。
そして厄介なことに、体内時計の乱れが、腸内細菌にも悪影響を与えることが分かっています。
理由2:血糖値が乱れ、腸のバリア機能が弱くなる
続いての理由は、「血糖値が乱れる可能性があるから」です。
そして、ワイツマン科学研究所で行われた研究を参考にすると、血糖値が急激に高くなることで、腸のバリア機能が弱くなる可能性があるのです(※2)。
とはいえ、16時間断食をすることで血糖値のコントロールが良くなる場合もあるので、個人差が大きいのかなと思います。日常的に糖質を摂りすぎている場合は、代謝を改善する目的で、16時間断食を試してみると良いかもしれません!
理由3:朝食を抜くことで、便通に悪影響
最後の理由は、「便秘がちになる可能性があるから」です。体は、朝食を摂ることで、胃腸を目覚めさせるメカニズムを持っています。ここで重要な役割を果たすのが「胃・結腸反射」と「胃・回腸反射」という2つの生理現象。

① 朝食で食べ物が胃に入る。
② その刺激が腸に伝わる。
③ 大腸のぜん動運動が活発になり、便意が起こりやすくなる。
<胃・回腸反射とは?>
① 朝食で食べ物が胃に入る。
② 小腸の末端にある回腸から大腸への入り口(回盲弁)が開く。
③ 小腸の内容物が大腸へスムーズに送り出され、排便を促す。
どちらも朝食をとることで起こる反応なので、16時間断食で朝食を抜いてしまうと、便通に悪影響となる可能性があるのです。
もし実践するなら、夕食を早めに済ませる方が良い
今回は「なぜ16時間断食をすると腸内環境が悪くなるのか?」というテーマでした。記事でお伝えした通り、朝食を抜くと、デメリットが大きくなると考えています。
出典(※1)Hiroyuki Sasaki, Shigenobu Shibata 「時間栄養学的視点で健康な食生活リズム」(2021)
(※2)Christoph A. Thaiss 「Hyperglycemia drives intestinal barrier dysfunction and risk for enteric infection」(2018)
<文/腸活の研究家ざっきー>
【腸活の研究家ざっきー】
腸活の研究家。「健康と体作りを後回しにしない」をモットーに、フォロワー11万人のInstagramでは、論文を元にした腸活情報や腸が整うレシピを発信中。Instagram:@zakii312、Twitter:@chokatu_zakii