女子SPA!で大きな反響を呼んだ記事を、ジャンルごとに紹介します。こちらは、「結婚」ジャンルの人気記事です。
(初公開日は2022年5月17日 記事は取材時の状況)

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 人には、他人から言われたくないコンプレックスがあるもの。しかし近しい間柄となると、ついデリカシーのない発言をして、相手の心を傷つけてしまうこともあります。

小さな胸を「まな板」とイジってくる夫にイラッ。キレた妻の反撃...の画像はこちら >>
 今年結婚5年目を迎える斎藤あゆさん(仮名・32歳)は、コンプレックスをいじってくる夫に激怒。我慢することに疲れ、反撃を決意しました。

学生時代のあだ名は「まな板」

「世間ではAカップの女性が貧乳っていうイメージですが、胸が絶壁な私からしてみればAカップは巨乳。女性らしくて羨ましいです」

 そう語るあゆさんは、学生時代から小さな胸をコンプレックスに思ってきました。

「学生の頃って、体育でマラソンがあると男子の視線が巨乳の女の子に集まったりするじゃないですか。私の場合は、まったく胸が揺れないという理由で逆に注目が集まってしまって」

 あゆさんは男子グループが自分のことを「まな板」と呼び、笑っている場面に遭遇した苦い経験の持ち主。そうした過去から、胸の大きさにずっとコンプレックスを感じてきました。

「だから、セックスが嫌いです。20代の頃に付き合った彼氏には『揉むところがない』と笑われたり、『こんなに胸ない人、初めて見た』と言われたりして余計に自分の体に対して自信が持てなくなりました」

テレビに映ったグラビアアイドルと胸を比較されて

 そんな中で唯一、あゆさんの胸をからかってこなかったのが今の夫・優斗さん(仮名)。優斗さんはセックスの時も一切、あゆさんの体を馬鹿にしてきませんでした。

「他の人からしたら、胸をからかわれないことは普通かもしれませんが、私にとっては貴重なことだったので、すごく嬉しかったです」

 2人は、交際開始から3年で結婚。あゆさんは自分のすべてを受け入れてくれた優斗さんを心の底から愛しく思っていました。


 しかし、結婚して3年目の秋。いつものように2人でバラエティー番組を見ていると、優斗さんが画面に映ったグラビアアイドルを見て、「こういうスタイル、男ならそそられるよな」とポツリ。

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寝転んでテレビを見る男性
 その言葉を耳にし、あまりいい気持ちがしなかったあゆさんは優斗さんの発言を流そうとしました。すると優斗さんが突然、あゆさんの胸を凝視して「あーちゃんってまな板だよね」と笑ってきたといいます。

「その瞬間、学生時代のツラい記憶がよみがえってきました。夫も、まな板だと思っていたんだと知り、とてもショックでした」

夫の“まな板いじり”はエスカレート

 その日以来、優斗さんはあゆさんが料理をしていると、わざわざキッチンにやってきては「まな板どこにあったっけ……あ、こんなところにあった」と言い、あゆさんの胸を触るという訳の分からないジョークを飛ばすように。

 あゆさんが笑って流していると、優斗さんのからかいはエスカレート。料理番組やYouTubeなどを見ている時にまな板が出てくると「あーちゃんがテレビに映ってるよ!」と言い、ひとりで爆笑するようになりました。

 そんな夫に耐えかねたあゆさんは、からかうことをやめてほしいとお願いします。しかし、「まな板なところも好きだよ」と謎のフォローを入れられ、濁されてしまいました。

反撃のためにポークビッツを大量購入

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ポークビッツ
 一番大好きな人にコンプレックスをからかわれ続ける……。そんな日々に苦痛を感じたあゆさんは、ついに我慢の限界。反撃を決行して、自分と同じ思いを夫にさせてやろうと決意しました。

 反撃のために購入したのは、ポークビッツ。
あゆさんはそれを食卓に並べ、「優斗のって、このくらいの大きさだよね」と笑った後、フォークで何度も刺して口の中へ。

「もちろん、自分から下ネタを口にする恥ずかしさはありました。でも、夫のポカンとした顔を見た時に少し心がすっきりしたんです」

反撃に激怒も、ついに謝罪の言葉が

 その後もあゆさんは、このポークビッツ作戦を継続。すると、2週間ほどした頃、優斗さんから「なんか怖いし、その言葉、傷つくからやめて」と激怒されました。

 そこで、あゆさんは「私もまな板ってからかわれて、そんな気持ちだったんだよ」と吐露。優斗さんから「ごめんなさい」と「もう言いません」の言葉をもらい、ポークビッツ生活から離れることとなりました。

「コンプレックスをからかわれると自分を責めちゃうけど、悪いのは人の悩みを笑いのネタにしてくる人のほう。もし、同じように悩んでいる人がいるなら、コンプレックスがあってもあなたは素敵だよって声をかけてあげたいし、くだらないからかいには耐えなくてもいいんだよって伝えたいです」

 自分がコンプレックスを持っているように、大切な人も何かしら悩みを持っている。どれだけ相手との距離感が近くなっても、そんな気遣いは持っておきたいものです。

<取材・文/古川諭香>

【古川諭香】
愛玩動物飼養管理士・キャットケアスペシャリスト。3匹の愛猫と生活中の猫バカライター。共著『バズにゃん』、Twitter:@yunc24291
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