人間が取った咄嗟の行動が、猫の一生を左右することは意外と多くあるものです。hon_mirin1012さんは4年ほど前、カラスに襲われていた子猫を救出。
「たいやき」と名付けられた子猫は、食欲旺盛な甘えん坊に成長しました。
畑でカラスに襲われていた子猫を保護
2021年5月5日、家で休日を楽しんでいた飼い主さんは突然聞こえたけたたましいカラスの声に驚き、外へ出ました。畑には、子猫を取り囲むカラスの姿が。命の危機を感じた飼い主さんは、鍋を振り回してカラスを撃退。子猫の命を守りました。

しかし、「お世話をするから、どうしても飼いたい」と母親に説得され、お迎え。突然のひらめきにより、子猫の名前は、「たいやき」に決定しました。

先住猫にも認められて甘えん坊な成猫に
よく鳴き、元気いっぱいなたいやきくん。もちろん食欲も旺盛でした。猫用ミルクをあげた時には、気持ちのいい飲みっぷりを見せてくれたそう。飼い主さんの心配をよそに、みりんちゃんには距離をグイグイと縮めに行き、毛づくろいをしてもらう仲になりました。
「かくれながら鬼ごっこをすると追いかけてきて、かわいい声を出します。普段からよくお喋りしてくれて、お返事も上手。『お尻』と言ったら、お尻をみせてくれます(笑)」

愛想がよく、知らない人が来ても少し経つと挨拶に来るみりんちゃんとは違い、たいやきくんは知らない人はもちろん、よく来る仲良しの来客も警戒。一瞬、隠れてしっぽを丸めた後、思い出したかのように挨拶をしに来ます。

先住猫にくっつきたくてたまらない“寂しがり屋”の日常
多頭飼いの醍醐味といえば、猫同士の交流に目を細められること。飼い主さんも、性格が異なる愛猫たちの姿に日々、癒しを貰ってきました。みりんちゃんは、どちらかといえばシャイガール。甘えたくても、少し離れた場所から飼い主さんを見つめ、か細い声で訴えます。

寂しがり屋のたいやきくんは寂しくなると、みりんちゃんにくっつきにいくことも。しかし、自身が思っている以上に体格が大きいため、寄り添うつもりが、みりんちゃんの体に乗ってしまい、逃げられてしまうことが多いのだとか。

「おいしそうにご飯を食べてグーグー眠る姿を見ていると、救えてよかったと思います。たいちゃんも、そう思ってくれていたらいいな」
なお、飼い主さんはたいやきくんの豊かな表情にも癒しを貰っているよう。過去には、フリーズドライの味噌汁の具を強奪しようとして家族に怒られ、何とも言えない表情を浮かべました。

<取材・文/愛玩動物飼養管理士・古川諭香>
【古川諭香】
愛玩動物飼養管理士・キャットケアスペシャリスト。