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結婚相手を探すうえで、どんなに理想的な相手でも家族との価値観が合わない場合は、つらいものです。
別れのきっかけになるケースも少なくありません。
今回お話を聞いた裕子さん(仮名・33歳)は、彼の実家との付き合い方に悩み、別れを決意した経験があるのだそうですが、いったい何が合わなかったのでしょうか。
婚活パーティーで出会ったハイスペ男子
地方銀行の受付事務として勤務している裕子さん。彼女は31歳のころ、3歳年下の大手車メーカーの営業マン・修二さん(仮名)と交際していました。「彼と出会ったのは、とある婚活パーティでした。ルックスも申し分なく、優しくて、将来有望。おまけに一緒にいて楽しかったので、お付き合いしてほしいと言われたときは本当にうれしかったのを覚えています」
結婚に向けて一歩を踏み出した裕子さんは浮かれ気分。彼との明るい未来を想像しては、既婚者の友人と話して浮かれていたと言います。彼の実家に行くまでは……。
理想の彼との初めての大型連休、儚くも散った華やかなデート

「彼と過ごす初めての大型連休、デートできたらいいなと思っていました。周りの友人が温泉旅行やテーマパークに行くと話しているのを聞いて、憧れていたんですよ。
でも、全然ゴールデンウィークの話題にならないので、私から聞いてみたんです。
しかし、修二さんは「大型連休は地元に帰省し、実家の魚屋の手伝いをしているんだよね」と返答。
このときのことを裕子さんは、次のように振り返ります。
「旅行に行けないのは残念でしたけど、“家族思いでステキだな”と感心しました。
でも“一緒に手伝いにきてもらってもいい?”とお願いされたときは、正直“なんで?”と思いましたよね。せっかくの連休なのに、遊べない、休めないどころか、初めて行くお家の手伝いをするなんて、と。
ただ、当時の私は彼と結婚したいと考えていたので、気は進みませんが引き受けることにしました。家族になるかもしれないですから、最初の印象って大事だろうなと思ったので」
優しい彼の家族、それでも憂うつだったワケ

ただ、当然なんですけど、ボランティアですから、給料を支払われることはありません。周りの友だちが華やかなデートを楽しんでいる中で“なにをしているんだろう”と悲しくなったのも本音です。
もしも彼と結婚したら、大型連休のたびに無賃で仕事を手伝わされるのかな…って」
彼の態度にゲンナリ
さらに裕子さんが悲しくなった理由はもう1つありました。
それどころか、父母に“裕子、仕事遅いところあるけど大丈夫?”だとか、“足出まといになっていない?”とボソッと確認しているのが時折聞こえてくるんですよね。
善意で手伝っているはずなのに、なんでそんなことを言われなきゃいけないんだろうと、惨めな気持ちになりました。彼にとっては、手伝って当然、仕事ができて当然なんでしょうね。家族の前ではいい顔を見せようとして、私を蔑ろにする姿に幻滅しました」
身に覚えのないクール便に困惑
この件以来「このまま彼と付き合い続けてもいいのだろうか」と迷いを感じるようになった裕子さん。そんな中、修二さんから「贈り物があるから、住所と電話番号を教えて」と言われたそうです。
「正直、彼への気持ちが冷めつつあったのですが、突然贈り物を送ると言われたら嬉しいですよね。タイミング的に誕生日も近かったので、花束でも送られてくるのかなとウキウキしました」と裕子さん。
しかし、そんな浮かれた気分は荷物の到着とともに打ち砕かれました。
「誕生日の1週間前に、彼のお母さんの名前でクール宅急便が2箱届いたんですよ」

中身を開けてみると、1箱にはアジ、マグロなどの海鮮物が、もう1箱にはわかめが5~6袋、ちりめんが3袋ほど入っていたそうです。
「正直ストックするのにも場所を取るので、困りましたね。私の母も“こんなにいっぱいもらっても…何をお返しすればいいかもわからないし”と困惑していました」
予想外すぎる彼の態度に別れを決意
「正直、どうすればいいかは困ったのですが、一応送ってもらいましたから、彼に連絡することにしました。お礼を伝えたうえで、こんなに食べられないから困ると正直に話すことにしたんです。彼なら、きっとわかってくれるだろうなとも思いましたし…」
そんな裕子さんの気持ちとは裏腹に、電話口の彼は「荷物届いた?」と嬉しそうな様子。

このときの修二さんの態度に「なにか贈り物をすれば、実家の手伝いをさせてもいいだろうと考えているんだなって感じちゃったんですよね」と裕子さん。
「その態度に腹が立って“もうやっていけない!”と別れを切り出してしまいました。すると彼もちょっとムッとした感じで“わかった”と一言。
信じられないかも知れませんが、彼とはそれ以来会ってもないし、連絡もとっていません。引き止められることもなく、あっけなく終わりました」
この経験から、付き合う上で相手の家庭環境を重視するようになった裕子さん。
修二さんと別れてから2年、現在は結婚相談所に登録し、家族構成や家柄をチェックしてから相手と会うようにしているそうです。
<文/みくまゆたん>
【みくまゆたん】
フリーライター兼占い師。
Twitter:@mikumayutan