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5月はGWなどの連休もあり、家族や恋人と旅行に出かけるには最高の季節ですよね。
ですが、楽しいはずの旅行で、ガッカリ事件が起こることも。
ロマンチックな夜を過ごしたい!
脇田えりさん(仮名・34歳)は、友人の紹介で付き合い始めた彼と旅行に行くことに。初めての2人きりの旅行なので、ロマンチックな夜を過ごしたいと思っていました。お互い年齢的にも結婚まで意識していたので、雰囲気的には婚前旅行気分。気持ちも盛り上がっていたそうです。「どこに行こうか悩みましたが、グルメも夜景も楽しめる九州に決定。昼間は街歩きをして、夜は彼と2人きりでロマンチックに過ごしたいと思っていたので、少し奮発して夜景が見えるホテルを予約しました」
飛行機での彼の行動にモヤモヤ
いよいよ旅行当日。彼は仕事が忙しく、連日の寝不足がたたったのか、飛行機で爆睡。初めての旅行、飛行機内でも楽しくおしゃべりしたかった脇田さんですが、仕事を頑張っている彼を休ませてあげようとそっとしておきました。二人はハウステンボスがある長崎へ。美しい町並みが立ち並ぶパークでロマンチックなデートを楽しみました。
すっかり気分が盛り上がっていた脇田さん。歩き疲れたので夜はホテルの部屋で夜景を楽しみながら、彼とゆっくりおしゃべりしたいと考えていました。
ですが、彼には別の目的があったよう……。
おもむろに着替え出した彼

お風呂に入ってゆっくりしようと思いきや、彼が何やらゴソゴソと服を着替えはじめ、何やら大きな懐中電灯を取り出しはじめました。
何をしているのか不思議に思った脇田さんが彼に聞いてみたところ、驚きの返答が。
「どうやら昆虫が好きらしく、ホテルの裏に九州にしかいないクワガタの固有種がいるらしいので探しに行くと言い出したんです!しかも、昼間デートしていたときよりも数倍ワクワクしている顔でした。せっかくこれからゆっくり彼とロマンチックな夜を過ごそうと思っていたのに、なんだか興ざめしてしまいました」
「一緒に行く?」と声がけされたそうですが、もちろん断った脇田さん。
すると彼は「じゃあ、先に寝てていいよ」とアッサリ。振り返りもせずにさっさと出て行ってしまったのだとか。
夜景の美しいホテルに、ひとり取り残されてしまった脇田さん。怒りを通り越して呆然として、しばらく動けなかったそうです。
ヤケ酒するも彼は…
「なんで自分はこんないいホテルで、1人の夜を過ごしているんだろう?と思ったら、なんだか虚しくなってきました。ウキウキしながら買ったお酒やおつまみが部屋に寂しく転がっているのを見て、涙がこみ上げてきました。こうなったらやけ酒だ!とひとり酒をしていましたが、彼は全然帰って来ません。結局酔っぱらって一人でフテ寝しました」彼との旅行なのに、思いがけず一人で夜を過ごすことになった脇田さん。
無神経すぎる発言も

「昨夜、夢中になって山を歩きすぎちゃったから、今日は観光しないでホテルで寝ていたいと言うんです。昼間は景色も楽しめないし、せっかく来たのだからいろんな場所を観光したいですよね。昨日はグッとこらえましたが、さすがに不機嫌な顔になったわたしに慌てて、彼は前言撤回。観光することになりましたが、なんだか楽しくなかったです」
あちこち歩き回ってホテルに戻った2人。昨晩のことがあるのであまり期待はしないようにと思いつつも、やっぱり二人で夜を楽しみたいと思っていた脇田さん。
ですが彼はその日もやらかしてしまいます。
「彼は昨晩の疲れと、気乗りしない観光で、お風呂から上がった瞬間に爆睡。大いびきをかいて寝ているので起こすわけにもいかず、またこの日もひとり酒ですよ。何しに来たのかなって思っちゃいました」
婚前旅行は意外と大事かも
こうして楽しみにしていた二泊三日の旅行は過ぎ去ってしまいました。期待しすぎたとは思いつつ、脇田さんの気持ちに気づけない彼とはもう続けられないと思い、その後お別れしてしまったそう。「悪い人ではないと思うんですが、さすがに空気が読めなさ過ぎて…。結婚しても苦労しそうだと思ったので、また別の人を探します」
婚前旅行は、相手との相性をはかる試金石になるのかもしれませんね。
<文/塩辛いか乃 イラスト/魚田コットン>
【塩辛いか乃】
世の中の当たり前を疑うアラフィフ主婦ライター。同志社大学文学部英文学科卒。中3繊細マイペース息子と20歳年上の旦那と3人暮らし。乳がんサバイバー(乳房全摘手術・抗がん剤)。趣味はフラメンコ。ラクするための情熱は誰にも負けない効率モンスター。晩酌のお供はイオンのバーリアル。不眠症。note/Twitter:@yukaikayukako
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