男性アイドルグループ・timeleszの勢いがすさまじい。timeleszは、新メンバーオーディション「timelesz project」を通じて、寺西拓人、原嘉孝、橋本将生、猪俣周杜、篠塚大輝が新たに加入し、8人組グループとなった。


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「timelesz project」はNetflixで配信されるなどして大ブームとなり、新生timeleszはグループとしてだけでなく、各メンバーがさまざまなジャンルで活躍している。そんなtimeleszが、メンバー全員で出演する地上波初の冠番組「タイムレスマン」(フジテレビ系)に挑戦している。

異端のアイドル番組『タイムレスマン』

同番組は今年4月20日から放送がスタートし、原稿執筆時点では第5回がオンエアされたばかり。「とにかく何事にも全力で、汗をかく!」をテーマに、メンバーがさまざまなロケに挑戦する番組だ。この「タイムレスマン」は、アイドル番組でありながら独特な企画が多く、異質な演出や構成が特徴となっている。

新生timeleszがSnow ManやSixTONESになる日は来るのか?地上波初冠番組は元TVスタッフも“よくわからない”
画像:「タイムレスマン」HPより
初回放送では、「タイムレス」という名前の先輩として実在する「株式会社タイムレス」を訪問。また、第2回放送ではフィットネスジム「TIMELESS FITNESS」へ挨拶回りをするなど、正統派アイドル番組では見られない自由すぎる発想の企画で視聴者の度肝を抜いた。

第3回放送では、テーマ「汗をかく」に沿って、メンバー全員でサウナに入り、汗だくでトークに挑戦。メンバーは汗まみれになりながら、10分間の「ととのう話」を披露した。さらに、第4回放送では、佐藤勝利が持ち込んだ料理企画「穴埋めクッキングマン」を行い、メンバーが力を合わせてハンバーグ作りに挑戦した。

「よくわからない番組」だから面白い

正直、ここまで放送を見た感想としては「よくわからない番組」という印象だ。初回放送から流れや脈絡がなく、毎週さまざまな企画が進行し、なぜtimeleszがこの番組を担当しているのか明確ではない。普通、アイドル番組ではゲームやトークなど、大きな骨格があって制作される。

しかし、「タイムレスマン」はテーマが曖昧で、元テレビ局スタッフの筆者が見てもよくわからない番組だ。
ただ、これはけなしているわけではなく、「よくわからない企画が毎週行われる」という構成が、実はかなり秀逸なのではないかと考えている。

新生timeleszがSnow ManやSixTONESになる日は来るのか?地上波初冠番組は元TVスタッフも“よくわからない”
timeleszの新メンバー画像:「timelesz project」HPより
timeleszの各メンバーについては、橋本、猪俣、篠塚がロケやバラエティ番組に初挑戦であり、佐藤勝利、松島聡、寺西、原もまだバラエティに慣れていない。菊池風磨以外のメンバーはバラエティ番組でおなじみではないため、さまざまな企画に挑戦させることは、個々の強みを視聴者に見せる絶好の機会となる。

同番組では現時点で篠塚の一生懸命さや盛り上げようとする努力、猪俣のおバカ・天然ボケキャラ、原の何事にも全力投球する面白さが紹介されている。また、旧メンバーの佐藤も自身が持ち込んだ料理企画でプロ並みの料理スキルを披露し、サウナ企画ではトークスキルの高さも見せている。

「タイムレスマン」は、さまざまな企画を通じてメンバーの自己紹介をさりげなく行う番組で、それを熱心なファン以外が見ても面白く感じられるように構成されている。かなり特殊な作りではあるが、深夜帯の短い放送時間ながら挑戦的なバラエティ番組に仕上がっているといえるだろう。

新旧メンバーの融合が生み出す可能性

そんな「タイムレスマン」を通じて、出来上がったばかりの新生timeleszの絆が深まり、グループの名刺代わりの番組になるのではないかと考える。

そもそも新メンバーは「timelesz project」で旧メンバーに審査されていた立場だ。仲間になったとはいえ、ファンから見てもどのくらい打ち解けているのか分からない部分がある。そこで「タイムレスマン」が重要になる。

新旧メンバーが一緒に企画に挑戦し、時には旧メンバーがダメ出しされる場面も。こういった演出を盛り込んだ番組は、メンバー間の絆を深めるために適している。


さらに同番組では佐藤と松島が新メンバーにいじられることで新たな魅力を発揮している。佐藤は生真面目な性格の「王子様キャラ」として知られているが、番組内で意外に抜けている一面を披露。松島はかわいい性格で少し天然ボケなところがあり、愛されキャラとしての魅力を番組で見せている。

この2人が新メンバーと化学反応を起こし、これまでにない輝きを発揮している。「タイムレスマン」は、新メンバーをお披露目する番組として機能するだけでなく、佐藤と松島の面白さも引き立たせることに成功している。

また、企画を通じてメンバー8人の仲の良さが伝わり、放送を重ねるごとに番組としての役割がしっかりしてきている。熱心なファンでなくてもメンバーの関係性が分かりやすく、新たに誕生したグループには最適な番組と言える。

Snow ManやSixTONESになる日

新生timeleszがSnow ManやSixTONESになる日は来るのか?地上波初冠番組は元TVスタッフも“よくわからない”
画像:「それSnow Manにやらせて下さい」HPより
この「タイムレスマン」を通じてメンバーのバラエティスキルが向上すれば、Snow ManやSixTONESのようにゴールデン帯の番組を任される可能性もある。そのための修練の場として、同番組はしっかり機能しているように思える。

「timelesz project」によってグループとしてかつてない注目を浴び、ちょうどいいタイミングで冠番組が始まったtimelesz。8人のメンバーは個性豊かで幅広い世代からファンを獲得できそうだ。まずは「タイムレスマン」をしっかり人気番組に育て上げ、次なるステップアップへと進む姿を見せてほしい。


<文/ゆるま小林>

【ゆるま 小林】
某テレビ局でバラエティー番組、情報番組などを制作。退社後、フリーランスの編集・ライターに転身し、ネットニュースなどでテレビや芸能人に関するコラムを執筆
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