この春クールも全ドラマをチェックした筆者が、特に役柄と俳優本人がハマっていたと感じた俳優3人をご紹介します。

松田元太『人事の人見』

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まず、地上波ドラマ単独初主演となった『人事の人見』(フジテレビ系)の松田元太さん(Travis Japan)です。本作の舞台は古い熱血体質が残る大企業の“人事部”。
松田さんは小日向文世さん演じる人事担当役員に抜擢される、おバカで型破りな主人公・人見廉を熱演しました。

個性豊かな人事部の面々には、前田敦子さん、桜井日奈子さん、新納慎也さん、ヘイテツさん、松本まりかさん、そして鈴木保奈美さんらが名を連ね、一癖も二癖もある人事部員たちが多数登場した本作。

キャラが持つ天真爛漫さを天性の明るさで表現

こんな個性派揃いの群像劇のなかで、俳優としてはまだキャリアの浅い松田さんに主演が務まるのか放送前は正直不安もありました。しかし、予想以上のハマり役!脚本が彼にアテ書きされていたこともありますが、主張するだけでなく相手を受ける芝居が秀逸だと感じました。

破天荒なだけでなく「周りを巻き込んで動かしていく」人物として描かれた人見だったからこそ、周囲との調和が求められました。自分が全面に出るのではなく、周りを惹き立てる力を感じました。

そこに松田さん本人が持つ天性のポジティブパワーが炸裂。圧倒的な“陽”のオーラで、役者としてもお茶の間に元気を届けてくれました。

橋本環奈『天久鷹央の推理カルテ』

春ドラマ役柄にハマっていた俳優ベスト3!「朝ドラ」最低視聴率で不評の26歳も良かったけど、最もハマったのは“スーパースター”を演じた…
画像:『天久鷹央の推理カルテ』公式HPより
ヒロイン役が好評とは言い難かった朝ドラ『おむすび』ですが、その放送終了後すぐに始まった『天久鷹央の推理カルテ』(テレビ朝日系)の主人公・天久鷹央役は、橋本環奈さんに見事にハマっていました。

今回彼女が演じたのは、“驚異の知能を誇る診断医”。超越した頭脳と豊富な知識、鋭い洞察力を駆使する一方で、自閉スペクトラム症があり、人の気持ちを読み取りきれず、歯に衣着せぬ物言いで、誰に対しても高慢な発言を繰り返す、まさに変人という役柄でした。

シリーズ化も期待?!代表作と言えるハマりっぷり

橋本さん得意のコミカルな演技が光った本作。変顔や特徴的な動き、周囲を圧倒する台詞回し、そして物語をぐんぐん前に進め、事件解決へと導いていく主人公としての存在感はさすがでした。

“役の変人っぷり”と“本人の愛らしさ”が見事に掛け合わさっていて、彼女にしか生み出せない魅力的なキャラクターになっていたと思います。もともと漫画作品の実写化には定評のある橋本さん。
本作は“ちょっと変”な役柄を得意とする彼女の新たな代表作になったのではないでしょうか。続編を期待したいです。

山田涼介『ダメマネ!-ダメなタレント、マネジメントします-』

春ドラマ役柄にハマっていた俳優ベスト3!「朝ドラ」最低視聴率で不評の26歳も良かったけど、最もハマったのは“スーパースター”を演じた…
画像:『ダメマネ! -ダメなタレント、マネジメントします-』公式HPより
そして、この春最もハマり役だと感じたのは『ダメマネ!-ダメなタレント、マネジメントします-』(日本テレビ系)に出演した山田涼介さん(Hey! Say! JUMP)です。

本作では、かつて天才子役だった主人公・美和(川栄李奈さん)が芸能マネージャーとして奮闘するストーリーが描かれています。山田さんは、美和が働く芸能事務所に所属する国民的スーパースター・真田祐士を熱演しました。

圧巻のアイドルオーラの説得力がすごい!

初回放送まで出演が発表されておらず、登場した際のインパクトは凄まじかったです。何よりHey! Say! JUMPの絶対的センターである山田涼介さんが持つスター性は、本ドラマに大きな説得力をもたせていました。

王子様キャラでナルシストな真田が“歯の浮くようなセリフ”を言うたびに、美和がツッコむシーンが度々ありました。しかし、真田にスターオーラがなければこのシーンは成立しません。真正のアイドルであり、シリアスからコミカルまで幅広い演技力を持つ山田さんだからこそ担えた役であることは間違いありません。

本作はもちろん、これまでにも映画『グラスホッパー』や『BAD LANDS バッド・ランズ』など、サブ的な役回りであっても作品の世界観を引き上げる演技をしてきた山田さん。今後も主演にこだわらず、縦横無尽に活躍してほしいと思います。

どんな役柄も演じ分けられる俳優さんはもちろん素晴らしいですが、一方で役柄を自分に引き寄せられるほどの力を持つ俳優さんにも魅力を感じずにはいられません。
これからも彼らの出演作が楽しみです。

<文/鈴木まこと>

【鈴木まこと】
日本のドラマ・映画をこよなく愛し、年間でドラマ・映画を各100本以上鑑賞するアラフォーエンタメライター。雑誌・広告制作会社を経て、編集者/ライター/広告ディレクターとしても活動。X:@makoto12130201
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