不倫発覚と世間の衝撃
渡部さんが多目的トイレで複数の女性と不倫したことが判明し、活動を自粛したのは2020年のこと。佐々木さんとの結婚からわずか3年で、長男が誕生してから2年も経たない頃でした。当時、不倫の内容があまりにも女性をモノ扱いしているとして大きな批判を浴びたことは記憶に新しいでしょう。また、そもそもそのルックスで大人気だった佐々木さんと、渡部さんは「実力や知名度こそあれど、芸人」という評価、さらには15歳差という年齢差もあり、結婚当初から「格差婚」「佐々木希はなぜ渡部を選んだのか?」と言われていた経緯があります。そのため、佐々木さんに対して「離婚したほうがいい」という声が大きかったのも事実。
しかし佐々木さんは離婚を選択せず、自身のInstagramで渡部さんの不倫を謝罪。その後、2023年には第2子を出産したことも世間を驚かせました。
「許していない」けれど…佐々木希が語った母としての選択

この放送を視聴した人々からは「他人があれこれ言っても本人にしかわからない葛藤や苦労があるから佐々木さんの選択を尊重したい」「顔が可愛いだけじゃなくて芯もある。ますます応援したくなった」「子どもを一番に考えていて母親として素晴らしい」と称賛の声が寄せられました。
「サレ妻」から「芯ある女性」へ…イメージ転換の転機

また、これまではあまりにもかわいらしいルックスが先行していたため、演技が十分に評価されていなかった佐々木さんですが、2025年1月期放送の『地獄の果てまで連れていく』(TBS)では復讐の鬼と化したベビーシッター役を演じるなど、人生経験が演技の幅を広げているようにも感じられます。
これまで不倫について公の場で語らなかった佐々木さんが、このタイミングで語ったのは、上のお子さんが今年から小学生になったことが影響しているのかもしれません。幼稚園や保育園以上に小学校では親が関わる場面が増えます。
また、子ども自身も物事を理解し始め、親について詳しく意識するようになる時期です。子ども同士での対人関係トラブルも増えることから、佐々木さんはお子さんが「渡部の子ども」とからかわれたり、辛い目に遭うのを防ぐため、親として最善の選択として今回の番組出演を選んだのではないかと思われます。
もちろん未だに渡部さんへの嫌悪感を抱く人々、また佐々木さんに「なぜ離婚しないのか」と疑問を持つ層は少なくありません。しかし、その疑問が残るほど、離婚を選ばない佐々木さんの強い意思が際立ち、世間からの応援の声が絶えないのではないでしょうか。
また今回の放送で、渡部さんについて語る佐々木さんには悲壮感はなく、幸せな人生を歩む覚悟を持ちながら、笑顔で話している姿が印象的でした。今の佐々木さんが幸せそうであることが伺えます。
杏が選んだもう一つの道――シングルマザーとしての再出発

不倫発覚後すぐに離婚を決断したイメージが強い杏さん。その後、幼い3人の子どもを抱えるシングルマザーとして奮闘し、2022年にはフランスに移住。日本とフランスを行き来しながらドラマや映画に出演。さらに公式InstagramやYouTubeチャンネルを開設し、プライベートも公開しています。
また、2026年放送予定の日本とフィンランドの共同制作ドラマ『BLOOD & SWEAT』では、フィンランドの人気俳優とのダブル主演が決定。多忙ながらも私生活とキャリアを両立させています。
杏さんは不倫や離婚について積極的に語る姿勢を見せていません。しかし、離婚後の新たな人生への果断な行動力や、仕事への挑戦は多くの人々を感動させています。
対照的な選択、共通する「今を生きる強さ」

対照的な2人の選択ではありますが、世間からの応援やポジティブな視点が絶えないのは、2人とも「今現在の幸せ」を体現していること、そして子どもを何より大切にし、さらに女優として確固たる地位を維持しながらキャリアを順調に歩んでいる共通点があるのではないでしょうか。
2人の本心はわかりませんが、芸能人としては当然ともいえる振る舞いかもしれません。それでも佐々木さんも杏さんも不倫の復讐や悲壮感を出すことなく、自分と子どもの人生に誠実に向き合い、その姿が多くの視聴者を味方につけているのではないでしょうか。
さらには、配偶者に不倫されるという困難やアラフォーにさしかかる年代においても、女優としての強さと華やかさを保ち続ける2人。そのため「佐々木さんにも杏さんにももっと良いパートナーが現れるのではないか」という期待が視聴者の心にあるからこそ、2人の成功を祈る声が途切れないのでしょう。
サレた後に「離婚」や「再構築」を選ぶかはそれぞれですが、佐々木さんと杏さんが世間に応援され続ける背景には、そんな複雑な理由が絡み合っているのではないでしょうか。
<文/エタノール純子>
【エタノール純子】
編集プロダクション勤務を経てフリーライターに。エンタメ、女性にまつわる問題、育児などをテーマに、 各Webサイトで執筆中