モデルやタレントとして活躍中の藤田ニコルさん(27歳)が、自身の美の秘密に迫る一冊『私が垢抜けた82の方法』を刊行。「垢抜けの方法」をテーマに、メイクテクニック、スキンケアやボディケアテクニックなど、「可愛くなるためのテクニック」をわかりやすく解説しています。


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 藤田さんは今年の3月まで専属モデルを務めた雑誌『ViVi』では歴代最多の表紙出演。アパレルやコスメのプロデュース業に挑戦するなか、2023年には結婚。ギャルから大人の女性に進化中の藤田さんが贈るメッセージとは。ご本人にお話を聞きました。

“肯定的な声”が目に見えて増えてきた

「どうせ消えると思ってた」藤田ニコルがテレビに10年出続けられたワケを自己分析
藤田ニコル
――今回の書籍のテーマである垢抜け法ですが、ご自身で実感されたのはいつ頃だったのでしょうか?

藤田ニコル(以下、藤田):4年前くらいです。私は常にエゴサーチをしているタイプなんですけど、その頃から昔は来なかったようなコメントが増え始めたんです。ファンの子たちはもちろん「可愛い」って言ってくれてたんですけど、それ以外の人たちからも「昔より良くなってる」など、そういう声が目に見えて増えたんですよ。人に会っても「本当に変わったね」って言われるようになって。それが4年前くらいですね。

――なるほど。変化を実感されたわけなんですね。今回の本に出てくる美容習慣の82の方法は、どのように選んだのでしょうか?

藤田:基準というより、絞り出したら82個だったという感じなんです。限界が82個でした(笑)。
ただ、今後は100個に向けて本当に頑張りたいです。

年代によっても美容法は変わってくると思うんですよね。30代になったら30代の、40代になったら40代の美容がある。歳を重ねるごとにいろいろ増えていくと思うので、すごく楽しみです。

手を抜く日があっていい

――発売会見イベントでは「垢抜け=自信を持つこと」とおっしゃっていましたが、見た目だけでなく気持ちの面も大事だそうですね。

藤田:そうですね。もちろんわたしにも自信が持てない日はあります。たとえば、お酒を飲んで次の日顔がパンパンだったりすると、「さすがに今日は盛れないな」って思う日も普通にあります。365日ずっと可愛くいたいとか、いなきゃいけないとか、そういうことでもないんですよね。

――ストイックに完璧を求めるわけではないんですね。

藤田:美容にストイックではあるけど、手を抜く日があっていいと思います。無理して続けると疲れちゃうので。たとえば、足マッサージする日もあれば、できない日もある。


だからこの本を読んだからといって、「全部真似して!」っていうわけじゃなくて、自分に合ったものをちょこちょこ試してほしいですね。感覚としては、「私の美容をのぞき見してほしい」という感じです。

大切なのは「いっぱい試すこと」

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藤田ニコル
――美容で一番大切なことは何でしょうか?

藤田:一番大切なことは「いっぱい試すこと」です。スキンケアにしても、合う合わないがありますし、長く使ってみないと効果が分からないものもあるので。とりあえず「いい」と言われているものは試してみる。その中で自分に合うものが見つかる気がします。わたしも、たくさん失敗してきました。だから、行動すること、そして失敗することが大事だと思っています。

――反対に「やっちゃいけない」ということはありますか?

藤田:基本的に「試す」という意味では、やっちゃいけないことはないと思います。ただ、あえて言うなら、SNSの美容情報を鵜呑みにしないこと。正しい情報もあるかもしれないけど、ちゃんと自分で調べて、いろんな方法で精査してほしい。SNSの情報だけに頼るのは危ないので、自分で試して、本物を見抜いていくことが大事です。

テレビに出続けて10年。
コツは「素」でいること」

――ニコルさんがテレビに出始めてから今年で10年だそうですが、ご自身としてはどう受け止めていますか?

藤田:10年続くとは思わなかったです。振り返ってみると、「10年続けられたんだ」っていうのが一番大きいですね。芸能界、特にテレビの世界は入れ替わりが激しいので。出始めた頃は自分でも「2、3年かな」って思ってたんですよ。どうせすぐ消えるんだろうなって(苦笑)。でも、こうして10年続けられたのは本当に嬉しいです。

――続けてこられたコツはありますか?

藤田:ずっと「素」でいることですかね。嘘をつかずに、ありのままで出てきた結果だと思っています。だから今、自分がどんな立ち位置にいるのか正直よく分からないんです。出始めた頃は「若さ」で呼ばれていた仕事もあったかもしれないけど、27歳になった今、私に何を求められているんだろうって最近よく考えますね。

――『ViVi』のモデル卒業も、その考えの延長線上にあるのでしょうか。

藤田:そうですね。
30代に向かって、次のフェーズに行かないと、という気持ちはあります。新しい自分をどう押し出していくか考える時間にしなきゃなって。

年齢に合った仕事をしたい

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藤田ニコル
――その新しい自分の具体的なイメージは見えてきましたか?

藤田:まだぼんやりですけど、年齢に合った仕事をしたいです。たとえば将来お母さんになったら、そのときにしかできない仕事がしたいし、もしそうじゃなかったら、自分の趣味を仕事に繋げていきたいなと。

――その一つがジムの運営などの事業もあるわけですね。

藤田:そうですね。ただ、正直すごく難しいです。儲かる仕事ではないので、勉強させてもらっている感覚です。でもすごく楽しいですよ。実業家って呼ばれるとちょっと照れますけど(笑)、いろんな現場に行けるので毎日楽しいです。

やっぱり3年くらい頑張らないと、事業の結果って見えてこないと思うので、今は2年目ですがまずは3年頑張って、その先を考えたいです。脳みそは疲れちゃうけど、すごく充実しています。

結婚してから「ちゃんとした生活」を意識するように

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藤田ニコル
――書籍を読まれる方の中には仕事で忙しい方も少なくないと思うのですが、美容に関して簡単にできるアドバイスはありますか?

藤田:簡単にできることで言えば、「耳ゴム」ですね。本当に秒でできるのでおすすめです。
あとは、スキンケアを季節ごとに見直すこと。私は季節によってスキンケアアイテムを変えています。マンネリしないことが大事だと思っていて、基本のアイテムはありつつも、たまに新しいものを取り入れると肌の調子が変わったりして楽しいです。肌がきれいになるとメイクも楽しくなるので、スキンケアの見直しはおすすめです。

――ほかに気をつけていることは?

藤田:食事です。外食は減って、家でご飯を作ることが多くなりました。昔は外食も多かったし、寝不足もあったし、いろいろ重なって肌の調子が悪い時期もありました。でも、ちゃんとした食事を心がけるだけで元気になるなと思います。

――生活習慣を整えることが、美容にもつながっているんですね。

藤田:そう思います。結婚してから、特にちゃんとした生活を意識するようになりました。一人暮らしのときは、全然できていなかったので。
今は少しずつ、自分に磨きがかかってきたかなと感じます。

SNSの世界で裏アカウントを持っていたことも

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藤田ニコル
――結婚してよかったなと思うことはありますか?

藤田:吐き出し口ができたことですね。10代、20代前半のころは真っ黒なアイコンの裏アカウントに「もう無理」って投稿したりしてたんです。でも、今はリアルに頼れる相手ができたので、それがすごく嬉しいです。聞いてもらうだけで全然違います。精神的な支えができたのは、本当に大きいです。

――先ほどこれまでの10年を振り返ってもらいましたが、これからの10年はどうなりたいですか?

藤田:37歳になった自分がどうなっているのか、すごく楽しみです。基本的には変わらないと思うけど、ずっと働いていたいですね。今みたいな頻度じゃなくてもいいけど、働き続けて、自分を高めていきたいです。

今も自立してるけど、まだ子どもっぽいところもあるので。親に甘えたりもするし。これからは親を支えられるような、みんなを引っ張っていけるような女性になりたいです。

世界をポジティブにしたい

「どうせ消えると思ってた」藤田ニコルがテレビに10年出続けられたワケを自己分析
藤田ニコル
――お母様もそんなタイプの方なんですか?

藤田:はい。母は「ついてこい!」って感じの人なので、私もそんなふうになりたいです。憧れの人は誰かと聞かれたら、お母さんといつも答えていますね。

――本を読んで、読者にも何か感じてほしいことはありますか?

藤田:ときめきを取り戻してほしいです。コスメを買ったときに「これかわいいな」とか「これ使ったらどんな感じかな」ってワクワクする気持ち、自分と向き合って「もっと可愛くなりたい、きれいになりたい」って気持ち。それを思い出してほしいですね。

――歳を重ねると、ときめく瞬間って減りますもんね。

藤田:そうなんです。だから、自分に対してもう一度ときめく気持ちを持ってもらえたらいいなと思っています。

――ちなみに今回の本を出すにあたり、ご自身の垢抜け法の紹介のほかに、「世界をポジティブにしたい」という思いがあったそうですね。

藤田:そうですね。ちょうどいいタイミングだったんです。「世界をポジティブにしたい」はずっと思っていたことでもあったので。周りを見ていても、みんな比べ合ったりしているのが目に見えてわかる時期でしたし、自分自身が「垢抜けたな」と思えるタイミングとも重なっていて。

今の時代って特にSNSなどでは、どうしても人と比べてしまったり、悪いところを見つけて落とし合ったりする空気があるじゃないですか。でも、そうじゃなくて、誰かのいいところや変化を見つけて「それいいじゃん」「可愛いね」って、みんなで褒め合って高め合っていけたら、もっとハッピーな社会になるとわたしは思うんです。

この本には、そういう想いを込めました。みんなで「かわいいね」って言い合って、励まし合って、楽しく過ごしていきましょう!

<取材・文/トキタタカシ 撮影/塚本桃>

【トキタタカシ】
映画とディズニーを主に追うライター。「映画生活(現ぴあ映画生活)」初代編集長を経てフリーに。故・水野晴郎氏の反戦娯楽作『シベリア超特急』シリーズに造詣が深い。主な出演作に『シベリア超特急5』(05)、『トランスフォーマー/リベンジ』(09)(特典映像「ベイさんとの1日」)などがある。現地取材の際、インスタグラムにて写真レポートを行うことも。
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