なかでも『DOPE 麻薬取締部特捜課』(TBS系、金曜よる10時~/原作・原案:木崎ちあき氏による同名小説)に出演中の中村倫也に、“改めて”ハートを射抜かれている方も多いのではないでしょうか?
※最新話までのネタバレを含みます。
近年“癒し系・優男”のイメージが強め
中村といえば、朝ドラ『半分、青い。』でヒロイン(永野芽郁)が恋に落ちる、ゆるふわな癒し系大学生・マア君役で大ブレイクしました。その後も、優しい役どころが多い印象です。
また、彼の誠実で実直な役どころも印象的。昨年注目された『Shrink-精神科医ヨワイ-』で演じた精神科医の役は、中村の柔らかさが全面に出ており作品に惹き込まれました。続編を望む声も多く聞かれました。
作品によっては三枚目的なキャラクターを演じることもありますが、男らしい二枚目のイメージは薄いように思います。
まさかの超二枚目!『DOPE』での衝撃
しかし!現在放送中の『DOPE 麻薬取締部特捜課』では、久しぶりに二枚目っぷりを堪能できる役どころを演じています。本作は、近未来の日本における麻薬取締部特殊捜査課・通称“特捜課”が舞台。中村演じる陣内鉄平は、常識外れで型破りな言動が目立つ、もう一人の主人公の新人麻薬取締官・才木優人(髙橋海人/King & Prince)の教育係です。
初めてこの設定を読んだときは、三枚目系かなと勝手に予想していましたが、まさかの超二枚目!ちょっとダルそうに煙草をふかしたかと思えば、才木に向かって「バカかお前」と流し目で放ちます。
えっ?なになに!平成ドラマにおける木村拓哉や福山雅治を彷彿とさせる二枚目ではないですか!時代錯誤な咥え煙草がこんなに画になるなんて……アラフォー筆者にはたまりません。
しかもただの二枚目ではないこともポイント。妻・香織(入山法子)のことを愛しており、優しくて彼女を大切にしている描写もありました。第2話では7年前に香織を刺殺された過去の回想が流れ、亡くなった香織の名前を何度も呼び、絶望の涙を流しながら彼女を抱きしめたシーンは圧巻。
あんな風に強く愛されたいと思ったのは、筆者だけではないはずです。もう毎話射抜かれっぱなし!
優男だけじゃない!“狂気の中村”も必見
ちなみに優男イメージが強くとも、過去の出演作を振り返ると、中村が実に多彩な役柄を演じてきたことが分かります。優男のイメージとはちょっと違う出演作のなかから、筆者のお気に入りをいくつかご紹介。まず、狂気系中村はぜひ観ていただきたい。山田孝之主演の『闇金ウシジマくん Season3』で演じた、最恐の“洗脳くん”神堂大道役。偶然を装って上原まゆみ(光宗薫)と出会い、暴力と甘い言葉で洗脳し家族もろとも地獄に落としていくという役どころです。初めてこの作品を観たときは、背筋が凍り、中村を心底恐い俳優だと思いました。
映画『孤狼の血』で演じた狂犬・永川恭二役も完全アウトローで、彼が演じてきたなかで最もイカれた役ではないでしょうか。それでも目が離せないほどの魅力を放つのが中村の凄さ。プライドの高いモラハラ夫を演じた『ホリデイラブ』も、暴力的なシーンの合間にふと人間的な弱さを見せるなど中村の高い演技力が光っています。
ギャップにハマる!この夏は“中村倫也”沼へ

皆さんご存じの通り、高い演技力をもつ中村。この夏は、『DOPE 麻薬取締部特捜課』で二枚目全開の中村倫也の沼にどっぷりハマりたいと思います。
<文/鈴木まこと>
【鈴木まこと】
日本のドラマ・映画をこよなく愛し、年間でドラマ・映画を各100本以上鑑賞するアラフォーエンタメライター。雑誌・広告制作会社を経て、編集者/ライター/広告ディレクターとしても活動。X:@makoto12130201