みなさんこんにちは! ファッションスタイリスト&ライターの角佑宇子(すみゆうこ)です。

 夏になると着たくなる浴衣。
10~20代の頃ならまだしも、40代ともなると浴衣を着るイベントも減っていきますが、ウン十年ぶりに浴衣を着る機会があるとついテンションも上がりますよね。ですが、だからといってタンスの奥に眠っていた浴衣を安易に掘り出すのはキケンかも……!?

 今回は、40代が知らず知らずに着ているとイタ見えしちゃう浴衣コーデの特徴をご紹介いたします。

若い頃に買った浴衣を、なかなか手放せない

せっかくの浴衣が“残念に見えてる女性”と“素敵に着こなしてる...の画像はこちら >>
 浴衣って、そう何着も家にあるものではありません。20代の時に友達や恋人と花火大会に行くためにせいぜい1~2着買ったくらいではないでしょうか。しかも、ふだん着と違って何回も着るわけではないので、なかなか捨てられない。結果、10数年もクローゼットを占拠している、というケースはみなさんも経験があるのでは?

 さて、ライフスタイルも変わって40代になると、今度は家族イベントでまた浴衣を着ることも。

40代が避けたい、浴衣の柄と色は

 ここぞとばかりに引っ張り出した浴衣を見るも、なんだか違和感……。それは、浴衣の柄や色合いが若い女性向けで、40代が着るには相応しくないからかもしれません。

 浴衣のデザインが年齢に見合っていないものの大きな特徴としては、大きな花柄・蝶々やレース、リボンなどの可愛いモチーフのもの、多色づかいのデザイン。これらは基本的に、若い子向けとなっています。

 また、浴衣の地の色にも注目を。ピンク系は、発色によっては安っぽさの出るものもあります。また、帯は兵児帯(へこおび)が扱いやすくて一般的に親しまれていますが、素材や色づかいに注意を払わないと子どもっぽく見えるので気をつけましょう。

40代の浴衣は、侘び寂びを意識

 40代の浴衣コーデで重要なのは、格式の高さ。となると、当然ですが素材と配色、柄のバランスが大切となってきます。
基本的に柄の主張が強すぎないものが望ましいですね。花柄のものを選ぶ際は、切り絵のような単色もしくは2色づかいのシンプルなデザインで控えめかつ可愛くコーディネートをするのがおすすめ。

せっかくの浴衣が“残念に見えてる女性”と“素敵に着こなしてる人”の大きな違い。定番の柄こそ要注意
40代が着てはいけない浴衣デザイン
 配色は、アイボリー・ベージュ・グレー・ネイビーなど、清涼感と落ち着きを兼ね備えた色味が大人の女性に似合います。その代わり、帯は冴えるような色合いで華やかさをプラス。帯締めを加えてもほどよいバランスに。浴衣の地色を落ち着かせることで、帯まわりのメリハリが際立ち、若々しさと品格の両立が叶います。

 ヘアアレンジは基本的にミニマルにまとめるのが吉。あまり後れ毛などは出さずにきっちりと下めにお団子を結ぶ、前髪は切り揃えるもしくはセンター分けでモード感をプラスするのも良いですね。

年齢を重ねるほどに浴衣は似合う

 洋服においては年齢を重ねるほどに似合わなくなるものも多い一方で、浴衣をはじめたとした和服は、年齢を重ねるほどに馴染むしよく似合うようになります。大人になって着物が趣味になる方が多いのも頷けますよね。

 着物を趣味にするとコストもかなりかかってしまいますが、浴衣ならひと夏の嗜(たしな)みとして楽しめそう。夏はとにかく暑いし、わざわざ浴衣を楽しむほどの年齢ではないと思っていた方も多いかと思いますが、ぜひ改めて、大人だから似合う浴衣文化を楽しんでみてはいかがでしょうか。


<文&イラスト/角佑宇子>

【角 佑宇子】
(すみゆうこ)ファッションライター・スタイリスト。スタイリストアシスタントを経て2012年に独立。過去のオシャレ失敗経験を活かし、日常で使える、ちょっとタメになる情報を配信中。2023年9月、NHK『あさイチ』に出演。インスタグラムは@sumi.1105
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