ナッツといえば、美容や健康のためのおやつとして定番ですよね! 食物繊維やビタミン類が豊富で、自分も小腹が空くとついつい手が伸びちゃいます……。

でも実は、お得な「大容量ミックスナッツ」を買うのは、あまりオススメできないのです!

今回は、特に大容量ナッツに潜むリスクと、それが腸内細菌に与える影響について、科学的な根拠を基に詳しく解説していきます。
ぜひ最後まで読んでみてくださいね!

ヘルシーなナッツが腸を乱す? 大容量パックのリスク

じつは腸に良くない「大容量ミックスナッツ」の注意点。ヘルシー...の画像はこちら >>
結論から言うと、市販の大容量パックのナッツに潜む一番のリスクは、「目に見えないカビ」と、そのカビが作り出す「カビ毒」です!

ナッツ類は、その成分の特性と、保存や流通の環境上、カビ毒(マイコトキシン)が発生しやすい食品の一つ。

ナイジェリアのバブコック大学で行われた研究では、このカビ毒が腸内環境にどのような影響を与えるかが調査されました。

その結果、特に乳幼児において、以下の影響があることが分かったのです(※1)。

・腸のバリア機能を脆くする
・腸内細菌バランスを乱す


もちろん、これは乳幼児を対象としているため、大人にも全く同じことが当てはまるとは限りません。ですが、腸がカビ毒によってダメージを受ける可能性があるという事実は、決して無視できないですよね。

見えない敵「アフラトキシン」腸内環境を乱す原因とは

ナッツで特に問題視されるカビ毒は、「アフラトキシン」と呼ばれる非常に強力な種類です。

ちなみに、日本の国菌であり、お味噌や醤油を作る時に欠かせない「麹菌」も、カビ菌の仲間ですよ!(麹菌はアフラトキシンのような強力な毒素は作らない、とても優秀で安全なカビなので安心してくださいね。)

では、なぜカビ毒は大容量ナッツで増えやすいのか? 理由は主に2つあります。

① 保存期間が長くなり、開封と密閉を繰り返すから
② 日本の「高温多湿」な環境がカビの楽園だから


高温多湿はカビの天国! ナッツの注意点と科学的根拠

大容量だと、通常パックより食べ切るまでに時間がかかりますよね。特に日本の夏は、カビにとって最高の環境です。

ある研究では、様々な種類のナッツを異なる温度で保存し、アフラトキシン(カビ毒)の量を測定しました。

その結果、室温(25℃)で3ヶ月間保存したナッツは、用いたすべての種類でアフラトキシンが安全基準値を超えてしまったのです……! ピーナッツに至っては、わずか1ヶ月で基準値を超えるケースも確認されています。(※2、※3)

とりわけ「温度」と「湿度」がカビの増殖とアフラトキシンの生成に致命的な影響を与えます。

じつは腸に良くない「大容量ミックスナッツ」の注意点。ヘルシーおやつだと思っていたのに
ガラス瓶で保存されているミックスナッツ
何より厄介なのは、見た目では分かりにくいこと。だからこそ、特に夏場はナッツの管理方法を徹底することが、自分や家族の腸を守る上で非常に重要になってくるのです。


腸を守る「腸活ナッツ習慣」3つの鉄則

ここまで色々とお話ししましたが、少しの工夫で、カビ毒のリスクはぐっと減らすことができます。
「3つの鉄則」を覚えておきましょう!

1. 選び方の鉄則:「小分けパック」か「新鮮なもの」を選ぶ
やはり一番安全なのは、1~2週間程度で食べきれる小分けパックを選ぶことです!

2. 保存の鉄則:開封後は「密閉して冷蔵庫」が基本!
これが最も重要です! 密閉できる容器に移し替え、必ず冷蔵庫で保存しましょう。ジップロックなどの袋でも良いですが、酸素や湿気を通しにくいガラス製の密閉瓶や厚手の密閉容器が一番おすすめですよ!

3. 食べ方の鉄則:「素焼き・無塩」を選び、食べる分だけ取り出す
よく聞くかもしれませんが、ナッツを選ぶ際は、油で揚げたものではなく「素焼き(ロースト)」で「食塩不使用」のものがベターです。

ナッツと上手に付き合って、美味しく腸活を続けよう!

今回は、まだまだ暑い今の時期に気をつけたい大容量ナッツに潜むリスクと、腸内環境に与える影響についてのお話でした。

とはいえ、対策をすれば大丈夫です。安全に、そして美味しくナッツを頂きましょう!

(※1) Ayeni, K. I., et al. (2024). Biomonitoring of Dietary Mycotoxin Exposure and Associated Impact on the Gut Microbiome in Nigerian Infants. Toxics, 12(1), 40.
(※2) Alsuhaibani, A. M. A. (2018). Effects of Storage Periods and Temperature on Mold Prevalence and Aflatoxin Contamination in Nuts. Journal of Food Protection, 81(7), 1145-1150.
(※3) Macri, A. M., et al. (2021). The Occurrence of Aflatoxins in Nuts and Dry Nuts Packed in Four Different Plastic Packaging from the Romanian Market. Foods, 10(11), 2849.

<文/腸活の研究家ざっきー>

【腸活の研究家ざっきー】
腸活の研究家。「健康と体作りを後回しにしない」をモットーに、フォロワー11万人のInstagramでは、論文を元にした腸活情報や腸が整うレシピを発信中。Instagram:@zakii312、Twitter:@chokatu_zakii
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