柏木さんは、1964年に映画デビュー。芸歴60年以上のキャリアを誇る一方で、2017年より始めたインスタグラムのフォロワー数は11万人を超えるなど、ファッション・食事・趣味などの日常が注目の的に。『YUKIKO STYLE』の刊行を受け、ご本人にお話を聞きました。
自分が好きになるものしか着ない

柏木由紀子(以下、柏木):ファッションがテーマの書籍は3冊目になるのですが、今までは比較的写真が多かったんです。今回の『YUKIKO STYLE』では詳細な説明を増やしています。みなさんから「内容が濃いですね」と言ってもらえることもあり、気に入ってくださっているような印象があります。
ただ、夏物のお洋服の情報があまりなくて。それが反省点だったかなと思っています(笑)。
――ファッションは、どういう点にこだわっていらっしゃいますか?
柏木:当たり前なのですが、自分が好きになるものしか着ないんです。色は2~3色までで、柄物もあまり着ません。あとお洋服を合わせることを、全然面倒だと思わないんです。鏡の前で何度も着て、自分で写真を撮ってみたり、自分が納得いくまで着替えて、人に感想を聞いたり、そういうことをいとわないんですね。
スタイル維持の秘訣は、普段から意識して歩くこと

柏木:デパートやお店にお買いものに行く際は、わりと意識して歩いているんです。
――食事は、どのようなことに気をつけていらっしゃいますか?
柏木:お野菜を中心にしています。でも、甘いものが大好きなんです。15時と夕飯の後の2回、甘いものをいただきます。あんこでもケーキでも(笑)。
インスタグラムのフォロワーは11万人を突破

柏木:最初はブログでした。当初は娘にスマホなども教えてもらいながら、毎日じゃないですがやっていて、そのうちお洋服についてコメントをいただくことが出てきました。それで仕事じゃない日もおしゃれして出かけたり、だんだんと習慣になりました。その流れでインスタグラムも始め、どんどんフォロワーさんが増えていきました。
――これだけのフォロワー数だと、反響を実感する瞬間も多いのではないでしょうか?
柏木:そうですね。
もともとそういうつもりではなく、行った場所で美味しそうなものの写真を撮ったり、自分で作ったものを撮ったり、たまに自撮りもするのですが、そういうものが見ていただけるのかという感じです。タンスにしまいっ放しだった古いお洋服が、一番喜んでいるんじゃないかと思います(笑)。
「安心する」「見本にしたい」という声が届く

柏木:昔のことを振り返ることはあまりないのですが、歳を取ると昔のことが懐かしく感じますよね。今回の書籍には後半にクロニクルを付けましたので、アルバムから古い写真を探したりしたのは懐かしかったですね。これだけ歳を重ねると、いろいろなことをやってきたなと思います。
――俳優、歌手、タレント、そして今はファッション系のインフルエンサーと言ってもいいかと思いますが、どのお仕事が一番楽しいですか?
柏木:やっぱりファッションですね。子どもの頃からそういう雑誌を見ることも好きでした。ドラマも楽しかったですが、舞台は向いてないなと思いました。やり直しがきかないから、怖くて、怖くて(笑)。
――そのお好きなファッションをテーマに今回のように書籍も出されたわけですが、ご自身の好きを通してみなさんに投げかけたいことはありますか?
柏木:SNSもそうなのですが、読んでくださる方々は、わたしよりも若い方たちなんですよ。50代、60代くらい。
そんなときに元気なわたしがわんちゃんを抱っこしてカフェに行ったり、77歳のわたしが流行のものを着ていると、「安心する」とか「見本にしたい」と言ってくださる方がいるんですね。みなさん70歳を過ぎても、元気ではつらつとしていたいと思っているんですね。お花も絶やさないのですが、そういうライフスタイルが受け入れられているのかもしれません。
ボーッとしないために、書き出していること

柏木:わたしのお洋服やわたしがカフェでよく食べているものなどを追いかけて、同じ場所に行って同じものを食べていらっしゃる方々が多いそうなんです。靴もコラボで作らせていただいたのですが、すぐ完売してしまって。なので、またコラボで新しいデザインのものを作ったりしたいです。
ちょうど今、ひとつ考えているバッグがありまして。アイデア商品で楽しいバッグなんです。そういうことをしていきたいですね。
――いろいろなことにチャレンジし続ける、その前向きで行動力のある姿勢の秘訣は何でしょうか?
柏木:何もせずにボーッとしている時間もあるのですが、本当はボーッとしたくないので、自分でやらなくちゃいけないことをメモに書き出しているんです。
<取材・文/トキタタカシ 撮影/塚本桃>







【トキタタカシ】
映画とディズニーを主に追うライター。「映画生活(現ぴあ映画生活)」初代編集長を経てフリーに。故・水野晴郎氏の反戦娯楽作『シベリア超特急』シリーズに造詣が深い。主な出演作に『シベリア超特急5』(05)、『トランスフォーマー/リベンジ』(09)(特典映像「ベイさんとの1日」)などがある。現地取材の際、インスタグラムにて写真レポートを行うことも。