バナナは、手軽に食べられるかつ栄養満点な素晴らしいフルーツの1つです。朝食やおやつにぴったりですよね! でも実は、ある“定番の組み合わせ”で食べると、かえって腸や体に良くない影響を及ぼす可能性があるんです。


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今回は、意外と知られていないバナナと相性があまり良くない食材について、科学的な根拠を交えながら詳しく解説します。正直、食材の相性については、そこまで神経質になる必要はないと思っているのですが……。その上で、ぜひ一度チェックしてみてくださいね!

バナナは腸活の優等生! その栄養価とは?

まずは、バナナがどれだけ素晴らしい食材か、改めておさらいしておきましょう! バナナには、腸内環境や毎日の健康維持に欠かせない栄養素がぎっしり詰まっています。

特に注目したいのが、以下の3つの栄養素です!

① カリウム:体内の余分な塩分を排出してくれる働きがあり、むくみ対策にはもってこいのミネラルです。

② マグネシウム:多くの日本人が不足しがちなミネラルの一種。体の様々な酵素の働きを助ける重要な役割を担っています。

③ 食物繊維:腸内環境を整える上で欠かせない成分! 特にバナナには「レジスタントスターチ」という特別な食物繊維も豊富です。

この「レジスタントスターチ」は、消化されにくいデンプンのことで、良い働きをする細菌のエサになってくれます。その結果、腸内環境を整える「短鎖脂肪酸」という成分を生み出してくれる、まさに腸の救世主です!(※1)

バナナは消化が早いので、朝のエネルギーチャージにも最適。でも、そんな万能なバナナにも、組み合わせによっては注意が必要な場合があるんです。

定番の組み合わせ「バナナと牛乳」に潜む落とし穴

では、バナナと相性がいまいちな食材とは何なのか……?

結論から言うと、それは牛乳です!

「バナナと一緒に飲まないで!」実は腸を荒らす“やってはいけない食べ合わせ”。黄金コンビだと思っていたのに
バナナと牛乳
「バナナと牛乳って黄金コンビでしょ!」と思った方もいるかもしれません(私も最初はそう思いました……泣)。たしかによくありがちで、とっても美味しい組み合わせですよね。

しかし、約5000年の歴史を持つインドの伝統医学「アーユルヴェーダ」の考え方では、この2つの組み合わせは「ヴィルッダ・アハーラ(食べ合わせの悪い食事)」とされ、古くから避けられてきたんです。

アーユルヴェーダでは、個々の食材が持つ性質(重い・軽い、冷たい・温かいなど)のバランスを重視します。
バナナと牛乳は、どちらも「重い」性質を持つため、一緒に摂ると消化を弱らせ、不調の原因になると考えられているのです。

昔から受け継がれている知識なので、先人たちが何かを体で感じ取っていたのかもしれません。

科学的に見る「バナナ+牛乳」が体に与える影響

「アーユルヴェーダの考えは分かったけど、科学的にはどうなの?」と思いますよね。

そこで、インドのバナーラス・ヒンドゥー大学などの研究チームが、このアーユルヴェーダの考えを科学的に検証しようと試みたのです(※2)。

ラットを対象にしたものですが、バナナと牛乳の組み合わせを毎日摂取させたところ、以下のような変化が見られたと報告されています。

① 茶色の宝石(便)の量や水分量が減る傾向
これは消化機能に何らかの影響が出ている可能性を示しており、便秘など腸内環境の悪化につながることも考えられます。

② 肝臓や腎臓への負担が増している可能性
研究では、肝臓や腎臓の機能を示す血液中の数値に悪化が見られました。これは、消化しきれなかった物質を解毒・排泄するために、内臓が普段より頑張って働いているサインかもしれません。

もちろん、これは動物実験の結果であり、量や頻度にもよるので、すべての人に当てはまるわけではありません!「たまにバナナミルクスムージーを飲むのが楽しみ!」という方は、過度に心配しなくても大丈夫ですよ

ただ、もし毎日この組み合わせを続けていて、なんとなくだるさや胃腸の不快感を感じる……という場合は、少し見直してみる価値はあるかもしれません。

バナナの腸活効果を最大化する食べ方3選

ここからは、バナナの効果をさらに高める、おすすめの腸活パートナーをご紹介しますね!

1. 牛乳の代わりに「豆乳」や「オーツミルク」を選ぶ

「バナナと一緒に飲まないで!」実は腸を荒らす“やってはいけない食べ合わせ”。黄金コンビだと思っていたのに
バナナとオーツミルク
もしスムージーにするなら、牛乳の代わりに植物性のミルクを使ってみましょう。豆乳なら、女性に嬉しいイソフラボンや植物性タンパク質も一緒に摂れますよ!

2. 発酵食品「ヨーグルト」と組み合わせる

「バナナと一緒に飲まないで!」実は腸を荒らす“やってはいけない食べ合わせ”。黄金コンビだと思っていたのに
バナナとヨーグルト
「どうしても乳製品がいい!」という場合は、ヨーグルトがおすすめです。乳酸菌の働きである程度タンパク質が分解されているため、牛乳よりも消化しやすい特徴があります。

3.「きな粉」や「シナモン」をちょい足しする

「バナナと一緒に飲まないで!」実は腸を荒らす“やってはいけない食べ合わせ”。黄金コンビだと思っていたのに
バナナとシナモンスティック
バナナにきな粉をかければ、タンパク質と食物繊維をさらにプラスできます。
個人的には、シナモンを振りかけるのもおすすめです!

毎日でなければ、そこまで神経質になる必要なし

今回は、バナナと牛乳の相性が良くないかもしれない! という話でした。そこまで神経質になる必要はないかなと思いつつ、約5000年の歴史で受け継がれているのは、ちょっと気になるところです。

筆者は、たまにしかバナナと牛乳を組み合わせないので、ほとんど意識していません(笑)! ほどほどに腸活を意識していきましょう。

(※1)H N Englyst 「Classification and measurement of nutritionally important starch fractions」(1992)
(※2)Shweta K, Sudhakar, Shobha Bhat K「Toxicological evaluation of banana and milk combination as incompatible diet – An experimental exploration of Samyoga viruddha concept」(2021)

<文/腸活の研究家ざっきー>

【腸活の研究家ざっきー】
腸活の研究家。「健康と体作りを後回しにしない」をモットーに、フォロワー11万人のInstagramでは、論文を元にした腸活情報や腸が整うレシピを発信中。Instagram:@zakii312、Twitter:@chokatu_zakii
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