嵐・二宮の“スカシ演出”に物申す?
同番組には嵐の松本潤がゲスト出演し、収録日の前日が誕生日だった二宮と女優・波瑠を祝うという企画が放送されている。また、収録日が誕生日だったフットボールアワー・後藤輝基も出演。松本が、自ら街に繰り出して誕生日プレゼントやケーキを買うなど、豪華な内容で大きな話題を集めた。この放送に対し、粗品は「ジャニーズ芸人腐し問題第2弾」と題し、二宮と松本が後藤に対して行った「スカシ芸」を論評。粗品は以前配信した動画でtimelesz・菊池風磨のスカシ芸を批判しているが、その第2弾として今回は二宮と松本が槍玉に挙げられた。
問題となった『ニノなのに』だが、簡単に説明すると二宮と波瑠は誕生日を祝ってもらえたのに、後藤だけ除外される「スカシ演出」の企画を放送していた。「誕生日が昨日『なのに』祝う」という設定があり、後藤は誕生日当日にもかかわらず祝ってもらえない演出だ。
その結果、番組内ではプレゼントを買いに行く松本が、後藤からの要請を聞こえないふりをするリアクションを取るなど、最後まで“スカシ芸”が披露された。
粗品が語る「セーフ」と「アウト」の境界線
この2人の行動に対し、粗品は今回のスカシ芸を「セーフ」と判定。「後藤さんもスカされにいってた」と話し、二宮のスカシ芸で笑ってしまったことを明かした。また、番組の演出に沿ってスカシ芸が行われたのでセーフだと解説。菊池はリスペクトを欠いていたため批判したと判断基準を説明した。
さらに、お笑いコンビ・カベポスターの永見大吾が『大悟の芸人領収書』(日本テレビ系)にてKis-My-Ft2・千賀健永にスカシ芸をされたエピソードを紹介。こちらも「セーフ」だと発言したが、粗品は男性アイドルのスカシ芸がとにかく気になる様子だ。
スターアイドルが広めた“スカシ芸”の系譜
なぜ、そこまで粗品は男性アイドルのスカシ芸を目の敵にするのか?
男性アイドルがスカシ芸を行うようになったのは、粗品が指摘するように中居がそのきっかけだと考えられる。かつて、とんねるずの石橋貴明や坂上忍など名の知れた大物がスカシ芸を披露していた。その流れを受け、中居は自身がMCを務める番組で後輩のアイドルや芸人にスカシ芸を多用していた。
中居が行ったスカシ芸は、自分が国民的スターという立ち位置の上で芸人を下に見て行われたものがほとんどだ。年上や著名な芸人にスカシ芸をしていなかった記憶があるため、自分より格下のタレントに行った芸だったのだろう。
この悪しき前例があるからこそ、粗品は菊池や二宮がスカシ芸を行うことに警鐘を鳴らしていると考えられる。
スカシ芸には“技術”が必要だという主張
スカシ芸といえば、お笑いコンビ・とろサーモンの漫才が有名だ。
2人の漫才はスカシのタイミングが抜群だからこそ笑えるものであり、高等な技術を感じさせる。
だからこそ、テクニックがない男性アイドルが行うスカシ芸に対し、粗品は過剰反応しているのだろう。
実際、スカシ芸はどんなタレントが行ってもそれなりに笑いを生み出すことができる。だからこそ菊池や二宮も番組で披露していると思われる。ただ、アイドルが行うスカシ芸はスカされる側がツッコミを行い成立させるものがほとんどだ。そういった意味では、お笑いスキルが決して高いわけではない男性アイドルが多用するのは危険だと言えるだろう。
今回、粗品の提言によって注目されるようになったスカシ芸。特に男性アイドルは番組で使用する際には細心の注意を払ったほうが良さそうだ。
<文/ゆるま小林>
【ゆるま 小林】
某テレビ局でバラエティー番組、情報番組などを制作。退社後、フリーランスの編集・ライターに転身し、ネットニュースなどでテレビや芸能人に関するコラムを執筆