脳科学者の黒川伊保子さんは、「男性の脳は『定番』を作りたがる傾向があります。だから、その特性を利用すれば、男女間の関係はうまくいくもの」と指摘します。
そこで、脳の使い方を変えて運を引き寄せる方法を紹介した新刊『運のトリセツ』を上梓した黒川さんに、脳科学的に分析した「なぜか男性を惹きつけてしまう女性の行動」を教えてもらいました。

好きな男を手に入れたいなら、相手の「帰る場所」になれ

その大きなものの一つに、男性は「座標原点」をつくりたがる、ということがあります。簡単に言うと、これは、男性にとっての「帰る場所」。これがあるから、安心して仕事もできるし、日々を過ごすことができる。
そして、女性は、彼の「原点」になってしまえばいい。
それだけで、右に出るものはいないほど、相手にとって大事な存在になります。
脳の空間認知の領域を優先している男性脳にとって、原点を定めるのは、とても重要なことです。たとえば、バイク乗りの我が家の息子は、家の方向と、家からの距離を常に脳裏に置いているそうです。
概念空間で言えば、母とか妻とか故郷とか、なんとなく、そこからの距離を思いながら生きていく、そんな原点があります。
男性脳は「定点」をつくりたがる

それは、その場所を「定点」にしているから。
思念空間に「原点」といくつかの「定点」を置いて、それらを使って距離感を探りながら世界を広げていくのが男性脳なのです。
最強なのは、定点で定番をすること。危険が最も少ないからです。危険から即座に身を守ることを使命にしている男性脳は、変化のある、見慣れない場所では、女性の想像をはるかに超えて緊張しています。「金曜はカレー」「日曜日は釣り」、そんな定番を踏襲していくことも、ぜんぜん退屈じゃないんです。それどころか、心のよりどころ。
妻のいる場所は人生で一番強力な定点

普段は無口でそっけない夫でも、「妻がいるところ」にどこからでも戻ってきたがるのは、そこが原点だから。入院していても、ムリを言って家に帰って来てしまう男性もいます。
いったん「座標原点」になってしまったら、その女性は勝ったも同然です。
そこにいれば、常に居心地のいい女性でいる必要もありません。多少、キツい女でいても大丈夫。始終うるさく当たっていたとしても、それが「定番」なら八割くらいは脳がフィルターとしてとりこぼしていくので、自然体でOKなのです(微笑)。
彼の「定番」になるための秘訣とは?

そして、それを守れないときは、事前に報告したり、謝ったりすること。
彼の原点を目指す上で一番やってはいけないのが、「ブレる」こと。できるときにする、でいいんだけど、できないときも「この日は、いるものだ」ということを、脳に刷り込んでおかなきゃね。そのための報告や謝罪です。
「定番」を作ることで、男性は惹きつけられる

女性は気にかかることがあると、会った瞬間に、不平不満をぶつけることもよくあることですが、あるときは機嫌がよくて、あるときは機嫌が悪いなど、気分が一定でないのは男性にはストレスです。
だから、どんなときも「いらっしゃい」と笑顔で出迎えてくれる小料理屋のおかみやクラブのママが「定番」になるのです。
結婚していなくても、仕事や出張から彼が帰ってきたら「お帰りなさい」と言うのもいいですね。「毎日、君の“お帰り”が聞きたいから一緒に暮らそう」なんて展開になるかも……。
定番に安心しながら“ギャップで発情”するのが男性脳

なぜなら、常に問題解決を旨とする脳神経回路を優先しているので、自分が解決できないことを延々と言われると、女性の想像をはるかに超えたストレスになるからです。熟年の夫婦で「膝が痛い」と奥さんが言い続けていると、ご主人がうつ病になるというデータもあります。
具体的な要求が多いのはOKですが、解決できないもやもやを延々と吐き出すことは、男性脳を痛めつけます。
もしグチを言いたいなら、友達に聞いてもらいましょうね。
ちなみに、女性は排卵日になると、ホルモンの影響でイライラすることがあると思います。女性ホルモンのエストロゲンの分泌が高まっているこの時期は、とくに自分が発情している相手に絡まずにはいられなくなるのです。
ただ、このときは、どうぞ思いっきり絡んでください。男性脳は、定番に安心しながら、ギャップで発情するというクセがありますから。
いつも安定した情緒の彼女が、たま~にキレるのも、いい刺激。ですから、この辺りは自然体で大丈夫です。ステキな愛情ライフを手にしてくださいね。
<文/黒川伊保子>
【黒川伊保子】
(株)感性リサーチ代表取締役社長。1959年生まれ、奈良女子大学理学部物理学科卒業。