過去の記事では、私たちが今直面している厳しい現実と、だからこそ「資産運用が必要不可欠な時代」に突入していることをお伝えしました。
いざインデックス投資を始めようと思った時、必ずといっていいほど直面する大きな疑問。それが、「全世界株式とS&P500、どっちに投資すべき!?」ではないでしょうか?
「最強インデックス対決」とも呼ばれるこの2つ、どちらを選べばいいのか悩んでしまいますよね。今回は、この究極の選択について、あなたの胃袋に合うのはどちらか、じっくり解説していきます!
「ラーメンとカレー」どっちが好き? それが「全世界株式」と「S&P500」!

世の中には詐欺まがいの投資商品も多い中で、この2つで悩んでいる時点で、あなたの投資リテラシーはかなり高いと言えるでしょう。
ただし、どちらを選ぶにしても「長期投資をする」ということが非常に重要です。なんとなく選んでしまうと、途中で暴落が来たときに売却してしまうリスクが高まるので、それぞれの特徴をしっかり理解しておきましょう。
S&P500とは? アメリカの“選抜最強企業”にまとめて投資!

S&P500の主な強みは以下の通りです。
強み① 時価総額加重平均で、人気の企業に自動的に多く投資!
S&P500は「時価総額加重平均」という仕組みを採用しており、これは大きく儲かっている会社に、自然とお金が多く回る仕組みです。アップル、マイクロソフト、エヌビディアといった、時代の波に乗った企業が自然と上位に来るため、 “時代の主役に、自動的に乗れる”構造になっています。
強み② 銘柄の入れ替えで“傷んだミカン”は排除!
S&P500は年に4回、組み入れ銘柄の見直しが行われます。
強み③ アメリカ企業は世界を制している!
「アメリカの企業だけに集中するのは怖い」と思うかもしれませんが、S&P500企業の売上の約4割はアメリカ以外の国や地域から来ています。つまり、アメリカに投資しているようでいて、実は間接的に世界に投資している構造でもあるんです。例えば、あなたが日本でiPhoneを買えば、それはS&P500企業であるアップルの売上になる、というわけです。日常生活とつながっている企業に投資できるため、精神的に投資しやすいという大きなメリットもあります。
強み④ リターンは文句なしの優等生!
1988年から2023年まで、S&P500の年平均リターンはおよそ10%前後を記録しています。複利で運用していれば、資産は7年ちょっとで2倍になるペースです。これは、「過去の歴史で見れば放っておいても長期で伸びてきた」ことが、データで裏付けられていることを意味します。
全世界株式とは? 世界丸ごとパック投資で安心感◎

全世界株式の主な強みは以下の通りです。
強み①“世界の覇権がどこに移ってもOK”な安心感!
今はアメリカが経済の覇権国家ですが、ずっとそうとは限りません。中国、インド、あるいはAIで新興国が伸びるかもしれません。未来は正直分かりませんが、全世界株式なら、どの国が伸びても自然とその恩恵を受けられるんです。「覇権の行方がわからないから、全部買っとけ!」という戦略は、ある意味最強の保険と言えるでしょう。
強み② 国別の比率も“勝手に”変わる!
全世界株式もS&P500と同様に時価総額に応じて自動で調整されます。例えばインドの株価が上がれば、全世界株式内のインド比率も上がるため、伸びている国を勝手に重視してくれるという、超賢い仕様になっています。
強み③ リターンはS&P500より低めだが“寝かしやすい”!
全世界株式の年平均リターンは、過去30年でおよそ7~8%程度と、S&P500にはやや劣ります。しかし、「万が一アメリカが……」と心配しなくていいのが最大のメリットです。もしアメリカが大きく下落しても「他の国が支えてくれる」と思える安心感が、暴落時のメンタルケアにとても効果があるのです。
絶対に来る「暴落」を前提に考えることが大切!
ここでひとつ、絶対に覚えておいてほしいことがあります。それは、「どっちに投資しても、いつか必ず暴落はやって来る」という現実です。S&P500も全世界株式も、基本は株式100%のリスク資産であるため、評価額が半分以下になることだって普通に起こり得ます。
このような大きな下落が10年に1度くらいの頻度で“必ず”来る、という前提で投資をすることが重要です。「年率10%!」「20年で資産が3倍!」のような数字だけを見て舞い上がってしまうと、暴落時に狼狽売りしてしまい、結局リターンどころか損失だけを残すことになります。
だからこそ、投資は必ず「余剰資金」で行いましょう。生活費、教育費、住宅ローン返済などの資金に手をつけてはいけません。そしてもうひとつ、資産評価額が一時的に50%以下になっても、売らない覚悟を持てるか、これがインデックス投資最大の試練になります。暴落は前提、乗り越えるのがデフォルト。この心構えを忘れないでください。
どっちを選ぶべきか? 重要なのは「続けられるかどうか」!

だから一番大事なのは、「どっちのファンドなら自分が20年持ち続けられるか?」という基準で選ぶことなんです。
両方に投資するのはダメ? いや、むしろアリ!
「S&P500と全世界株式、両方持つのって意味ある?」という疑問を持つ方もいるでしょう。理屈の上では、「分散効果が弱まる」とか「管理が複雑になる」と言われがちですが、個人的には「心の安定を買えるなら、それは“戦略”である」と言いたいです。両方を保有するメリットは下記の3つです。
メリット①“中間のリターン”を狙える
S&P500ほどの爆発力はないけれど、全世界株式の安定感も持っておくことで、ミックス型のリターンが実現できます。
メリット② 精神的に安定する場合がある
「あ~、S&P500が落ちているけど、全世界株式はそんなに下がってない」「あ~、全世界株式は伸びないけど、S&P500は爆上がり」。これがセットで見られると、「自分の選択は間違ってない」と思え、それが継続へのモチベーション維持に超重要になります。
メリット③ 長期で続けられる確率が上がる
投資で最も大切なのは「続けること」です。だから、自分が続けやすいように環境を整えることは、めちゃくちゃ合理的な戦略と言えるでしょう。
あなたに合ったインデックスを選び、未来を信じて淡々と続けよう!
S&P500も全世界株式も、どちらも長期投資に適した素晴らしいインデックスです。どちらか片方を選ぶも良し、両方に投資して心の安定を得るも良し。重要なのは、あなたが信じて、焦らず、ブレず、淡々と持ち続けられる方を選ぶことです。だからこそ、迷うこと自体がすでに“正しい場所”に立っている証拠です。大事なのは一歩を踏み出すこと。そして歩き出したら、淡々と積み上げていきましょう。

資産運用や投資、お金関連の情報を発信する、マネー系インフルエンサー。
マーケティング、経営企画、新規事業開発などを担当する会社員として働きつつ、夜間大学院に通い、経営学修士号(MBA)取得。ファイナンシャル・プランニング技能士資格保有。ITストラテジスト、プロジェクトマネージャなど複数の国家資格を保有。自ら「プロフェッショナル窓際族」を実践し、社内で一定の評価を獲得しつつも、ほぼ毎日定時帰りを実現。会社員のかたわら、YouTubeなどのSNSを通じ、副業を始める。副業開始後、約3年でSNSの総フォロワー数は40万人超える(2025年6月現在)。
<文/女子SPA!編集部>
【女子SPA!編集部】
大人女性のホンネに向き合う!をモットーに日々奮闘しています。メンバーはコチラ。X:@joshispa、Instagram:@joshispa