【今日のにゃんこタイム~○○さん家の猫がかわいすぎる Vol.185】

 様々な事情で片目になった猫には、「可哀想」という言葉が向けられることもあります。しかし、その一言はありのままの姿で生きる猫や、愛猫の寄り添う飼い主の心を抉ることも多いものです。


 ゆこくまさん(@nyannyanyuko)の愛猫・銀ちゃんは先天的に右目が失明していました。

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 飼い主さんはありのままの銀ちゃんを受け入れ、愛しており、右目を大切なチャームポイントと捉えています。

コンビニへ行く途中に出会った「野良猫」を家族にして

 2017年、飼い主さんはコンビニに行く途中、野良猫だった銀ちゃんに出会いました。初対面にもかかわらず、銀ちゃんはお腹を見せて、ゴロン。飼い主さんがご飯をあげると、綺麗に平らげてくれました。

野良猫と仲良くなったら家まで着いてきた!→家族に迎えるとすぐ“甘えん坊”に。目の手術を乗り越えて
お迎え当初
 そうした交流を3回ほど繰り返した頃、銀ちゃんが自宅まで着いてきたそう。飼い主さんが「入る?」と尋ねて玄関のドアを開けると、すんなり室内へ。

「生い立ちは全く分かりませんが、最初から人懐っこく、トイレもできたので、捨て猫だったのではないかと思っています」

 動物病院を受診すると、銀ちゃんは先天的に右目が失明していることが分かったそう。獣医師から、失明している右目は膨らんでいき、いずれしぼむと告げられました。

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獣医師の見解通り、膨らんでいった右目
 右目が鈍色だったことから、飼い主さんは「銀」という名前をプレゼント。銀ちゃんはお迎え当日からご飯をたくさん食べ、膝の上で眠るなどのかわいい行動を見せてくれました。

失明した右目の眼球摘出手術を決断して…

 失明した右目が膨らんできたのは、2022年の夏頃。目やにや血が出てきたため、眼球の摘出手術に踏み切りました。

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手術前
 手術は無事成功し、飼い主さんは一安心。
術後は安静に過ごしてもらい、化膿防止のために2週間、抗生剤を服用することになりました。

「抗生剤が入ったご飯は、私の指であげないと食べませんでした。毎朝毎晩、指から与えていた日々も、今となってはいい思い出です」

 術後は遠近感覚が鈍くなったと感じたことから、銀ちゃんが通るところに物を置かないようにするなど、飼い主さんは生活環境を見直しました。

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銀ちゃん
「あと、『ちゅ~る』のようにパッケージが尖っているおやつは慎重にあげるようにしています」

「ウインクしてるみたいでかわいい」の褒め言葉が嬉しい

 銀ちゃんは今の状態が、自然体。全てがかわいく、愛おしいからこそ、飼い主さんはSNSなどで他の人から「かわいい」と思ってもらえると嬉しくなります。

野良猫と仲良くなったら家まで着いてきた!→家族に迎えるとすぐ“甘えん坊”に。目の手術を乗り越えて
銀ちゃん
「ウインクしてるみたいと言ってくださる方が多くて、そういう言葉も嬉しいです」

 飼い主さんいわく、銀ちゃんは目力強めなため、男の子に間違われやすいそう。しかし、家族の前では迫力ある見た目からは想像できない“かわいい行動”も、たくさん見せてくれます。

 例えば、うんちをした時には大声で鳴き、元気に報告。また、嫉妬深く、飼い主さんがスマホやテレビに夢中な時には、段ボールに入りながら圧をかけてくるのだとか。

野良猫と仲良くなったら家まで着いてきた!→家族に迎えるとすぐ“甘えん坊”に。目の手術を乗り越えて
歌番組を見ていた時の「私、捨てられましたごっこ」
 その静かな主張を飼い主さんは「私、捨てられましたごっこ」と、表現。慌ててご機嫌を取る日々を送っています。

「私は精神的に弱いほうだったのですが、銀ちゃんと出会ってからは明るく、強くなりました。
母は強し、ということですかね」

 うちに来てくれて、本当にありがとう。そう語りかけつつ、飼い主さんはこれからも、ありのままの銀ちゃんを愛し続けていきます。

野良猫と仲良くなったら家まで着いてきた!→家族に迎えるとすぐ“甘えん坊”に。目の手術を乗り越えて
銀ちゃん
 なにげなく口にした感想や言葉は、画面越しの相手にどう響くだろうか。そう考え、誰かにとっての“かけがえのない愛猫”にかける言葉を紡いでいく……。SNSが盛んな今だからこそ、そんな愛し方を意識していきたいものです。

<取材・文/愛玩動物飼養管理士・古川諭香>

【古川諭香】
愛玩動物飼養管理士・キャットケアスペシャリスト。3匹の愛猫と生活中の猫バカライター。共著『バズにゃん』、Twitter:@yunc24291
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