様々な事情で片目になった猫には、「可哀想」という言葉が向けられることもあります。しかし、その一言はありのままの姿で生きる猫や、愛猫の寄り添う飼い主の心を抉ることも多いものです。
ゆこくまさん(@nyannyanyuko)の愛猫・銀ちゃんは先天的に右目が失明していました。
飼い主さんはありのままの銀ちゃんを受け入れ、愛しており、右目を大切なチャームポイントと捉えています。
コンビニへ行く途中に出会った「野良猫」を家族にして
2017年、飼い主さんはコンビニに行く途中、野良猫だった銀ちゃんに出会いました。初対面にもかかわらず、銀ちゃんはお腹を見せて、ゴロン。飼い主さんがご飯をあげると、綺麗に平らげてくれました。
「生い立ちは全く分かりませんが、最初から人懐っこく、トイレもできたので、捨て猫だったのではないかと思っています」
動物病院を受診すると、銀ちゃんは先天的に右目が失明していることが分かったそう。獣医師から、失明している右目は膨らんでいき、いずれしぼむと告げられました。

失明した右目の眼球摘出手術を決断して…
失明した右目が膨らんできたのは、2022年の夏頃。目やにや血が出てきたため、眼球の摘出手術に踏み切りました。
「抗生剤が入ったご飯は、私の指であげないと食べませんでした。毎朝毎晩、指から与えていた日々も、今となってはいい思い出です」
術後は遠近感覚が鈍くなったと感じたことから、銀ちゃんが通るところに物を置かないようにするなど、飼い主さんは生活環境を見直しました。

「ウインクしてるみたいでかわいい」の褒め言葉が嬉しい
銀ちゃんは今の状態が、自然体。全てがかわいく、愛おしいからこそ、飼い主さんはSNSなどで他の人から「かわいい」と思ってもらえると嬉しくなります。
飼い主さんいわく、銀ちゃんは目力強めなため、男の子に間違われやすいそう。しかし、家族の前では迫力ある見た目からは想像できない“かわいい行動”も、たくさん見せてくれます。
例えば、うんちをした時には大声で鳴き、元気に報告。また、嫉妬深く、飼い主さんがスマホやテレビに夢中な時には、段ボールに入りながら圧をかけてくるのだとか。

「私は精神的に弱いほうだったのですが、銀ちゃんと出会ってからは明るく、強くなりました。
うちに来てくれて、本当にありがとう。そう語りかけつつ、飼い主さんはこれからも、ありのままの銀ちゃんを愛し続けていきます。

<取材・文/愛玩動物飼養管理士・古川諭香>
【古川諭香】
愛玩動物飼養管理士・キャットケアスペシャリスト。3匹の愛猫と生活中の猫バカライター。共著『バズにゃん』、Twitter:@yunc24291