「毎年、義母はお盆前になると『今年も孫たちに会えるわよね?』と聞いてくるくせに、実際に行くと、嫌味の連続……。帰省するのが嫌になります」

 そう話す立花ゆいさん(仮名・44歳)は、中2と中3の息子を持つ2児のママ。
毎年、お盆の時期になると、言葉と行動が伴っていない義母の態度にモヤモヤしてしまいます。

体調不良で入院したことを機に「お盆の帰省」が恒例行事に…

帰省するたびに嫌味を連発する義母に「もう来るのやめますか?」...の画像はこちら >>
 ゆいさんは25歳の頃、職場で出会った2歳下の男性と結婚。互いに両親との同居は望んでいなかったため、2人で選んだアパートで新生活をスタートさせました。

 子どもが生まれる前、義父母との交流はほぼなかったそう。しかし、出産後、義父母から「孫に会いたい」と言われて、顔を合わせる機会が増えました。

「息子たちが小さかった頃は、月に2回ほど我が家に来ていました。私は正直、うんざりしていましたが、夫が嬉しそうに息子たちの成長を義父母に話す姿を見ると、『あまり来てほしくない』とは言えませんでした」

 息子さんたちが大きくなると、義父母宅へ行くことが、お盆の恒例行事に。きっかけは30代の頃、お盆中にゆいさんが体調を崩して入院したことでした。

「恥ずかしい話ですが、夫は家事能力がゼロ。レシピを見て作っても、なぜか違う味になってしまうメシマズ夫でもあります。だから、食事に不満を持った息子たちが義父母に連絡したようで……」

 事情を知った義父母は「ゆいさんが退院してくるまで、うちで過ごせばいい」と言ってくれたそう。料理上手な義母が振舞った食事に、息子さんたちは大満足し、ゆいさんが退院した後も「ばあちゃんが作ったお好み焼きが食べたい」などと言うようになりました。

帰省時に“嫌味”を吐く義母にモヤモヤ

帰省するたびに嫌味を連発する義母に「もう来るのやめますか?」と言った結果→ありえない事態に
帰宅した孫娘を出迎えるシニア夫婦
 そんな息子たちの言葉を聞いた夫は、「じゃあ、毎年お盆はおばあちゃんとおじいちゃんの家で過ごすか!」と提案。すると、息子さんたちは、まさかの大賛成。
こうして、「お盆は義父母宅へ行く」という家族イベントが恒例になってしまいました。

「正直、最悪だな……と思いました。せっかくの休みなのに、気を遣わないといけないなんてしんどすぎるから……」

 自分だけ参加しないようにしようか。そう思いもしましたが、愛する息子たちから「ママも絶対参加だよ! みんなで行こうね」と言われてしまい、断ることができませんでした。

義母を思っての発言がまさかの展開に!

帰省するたびに嫌味を連発する義母に「もう来るのやめますか?」と言った結果→ありえない事態に
※AI生成画像を使用しています
 地獄の家族イベントが決定してからというもの、ゆいさん家族はお盆になると、義父母宅で2~3泊するようになったそう。ところが、年月が経つにつれて、義母の態度に変化が……。お盆前には「今年は、何日ごろ来る?」と嬉しそうな口調で電話がかかってくるのに、いざ義父母宅へ行くと、細かな嫌味を言われるようになったのです。

 例えば、料理の時。ゆいさんも手伝いますが、義母は「はあ……、大人数の料理を作るのってめんどくさいわあ」と漏らしたり、「こっちの体力が持たないわ……」と愚痴をこぼしたりするようになりました。

 義母は70代。体の負担もあるだろうな……。そう思い、ゆいさんは一度、「お盆にお邪魔するのは、今年でやめにしましょうか?」と尋ねました。すると、義母は「孫に会わせてくれないってこと!?」と、ムっとした表情に……。


「その後、義母は夫に『ゆいさんは、うちに孫たちを連れて来たくないらしいわよ』と曲がった方向で私の言葉を捉えて伝えたので、夫婦で大喧嘩してしまって……」

 もとはと言えば、義母が嫌味のような言葉を言ってきたから……。そう夫に伝えましたが、『ただのひとりごとだろう!』と言われ、ゆいさんは「孫と義父母を引き裂こうとする悪者」にされてしまいました。

「ママのご飯とどっちがおいしい?」と息子に尋ねる義母の性悪さ

帰省するたびに嫌味を連発する義母に「もう来るのやめますか?」と言った結果→ありえない事態に
祖母 老人 高齢者
 そんな出来事もあって、ゆいさんと義母の仲はギクシャク。お盆に義父母宅へ行くと、遠回しな嫌がらせを受けるようにもなりました。

「義母は息子たちにご飯を振舞う時、『ママとばあちゃんが作ったの、どっちがおいしい?』と必ず聞くようになったんです。息子たちは気を遣ってか、『ばあちゃんの!』と言うから義母はドヤるし、私は『本当においしくないんだろうか……』と、へこみます」

 また、義母がゆいさんの前で吐く嫌味は年々、ひどい内容になっているそう。去年の帰省時には、「来る人はラクだけど、迎える側は布団を干したり、買い物をしたり準備が必要なこと、あなた分かってる?」と言われたり、「孫たちが来ると、うるさくて疲れるわ。しつけしてないでしょ?」と、育児の仕方にダメ出しをされたりしました。

「そのくせ、お盆前になるとウキウキした口調で『今年も来るわよね?』とか『○○くん(孫)が好きなものを買っておいたからね』とか連絡してくるんです。正直、あなたのメンタルどうなってんの? って思います」

 今年のお盆こそ、「行かない」という勇気を持ちたい。そう思いつつも、結局、義父母宅へ行ってしまうお盆を何回も繰り返しているという、ゆいさん。恒例になってしまった家族イベントを止めるのは難しく、揉めることもありますが、自身の心を守る選択を下す勇気は必要です。


 ゆいさんが「今年は行きません」と義母に堂々と言える日が、少しでも早くやってきますように。

<取材・文/古川諭香>

【古川諭香】
愛玩動物飼養管理士・キャットケアスペシャリスト。3匹の愛猫と生活中の猫バカライター。共著『バズにゃん』、Twitter:@yunc24291
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