新卒から18年半、テレビ朝日のアナウンサーとして、報道、スポーツ、バラエティなど多岐にわたる番組を担当してきた大木優紀さん(44歳)。

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 40歳を超えてから、スタートアップ企業である「令和トラベル」に転職。
現在は、令和トラベルが運営する旅行アプリ「NEWT」(ニュート)の広報、まさに「会社の顔」として活躍中です。

 第14回となる今回は、NEWTのSNS担当である森川晏里さん(26歳)と一緒に「Z世代のお金と旅行」について綴ります。

“ご褒美”の外食の予算は1人1万円

1人1万円の銀座焼肉、300円のTシャツ…20代女子に聞いた“若者のお金と旅行”のリアルに驚き
※イメージです moonrise - stock.adobe.com
 トレンドの最前線にいるZ世代(1990年代後半から2010年代初頭にかけて生まれた世代)。彼らの価値観や消費行動は、私たちの世代にはわかりづらいこともしばしばあると思います。私も、スタートアップ企業で働くなかで、若い世代から毎日刺激を受けて生活しています。

 そこで、今回は、NEWTの全SNSをひとりで担当している晏里ちゃんにお話を聞きました!

 まずはお金の部分について聞いてみました。都内で一人暮らしをしている晏里ちゃんは、衣食住のバランスはそれぞれ1/3くらいとのことですが、ちょっとした贅沢で自分へのご褒美もしっかり作っているそうです。

「一回の食事で1人だいたい1万円くらい使うこともあります。事前に行く店とかも決め込んで、贅沢したいからここに行こうみたいな感じです。『うちら頑張ってるから、ご褒美で焼き肉いっぱい食べるぞ』みたいな気持ちですね。贅沢してることの価値を享受したいというのがあって、銀座のおしゃれな焼き肉に行くこともあります」(以下、森川晏里さん)

 正直、1人1万円という予算には驚きましたが、毎回のようにこの予算の食事をしているわけではなく、会社の同期と食事に行くときは手軽に済ませることがほとんどだそうです。

「同期と行くときは、逆に会社の帰りに行くことが多いので、そこまで考えずに会社の近くとかで食べて帰りますね」

服は価格よりもデザイン重視

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大木さん
 次に衣食住の衣についても聞いてみました。晏里ちゃんはとてもおしゃれなので、この質問を投げかけてみたところ、洋服は「価格よりもデザイン」で選んでいるそうです。またブランド志向はあまりなく、ブランド品を買うことはほとんどないとのことです。


「原宿・表参道あたりの美容サロンに通っていることもあって、買い物もまとめて済ませることが多いです。オンラインでも購入することはありますが、よく失敗するので、割と実際に見て買いたいタイプですね。

トップスだと2万円くらいまでです。ただ、洋服は『お金よりもデザイン』で選んでいます。ときには、300円のTシャツを着ていることもあります。気に入ったデザインがあったら買っているので、価格は問わないです。

ブランド品は、両親から卒業や入社のお祝いでもらうことはあっても、自分で買うことはあまりないです」

母の日にハワイ旅行をプレゼント! 親子水入らずの時間

1人1万円の銀座焼肉、300円のTシャツ…20代女子に聞いた“若者のお金と旅行”のリアルに驚き
※イメージです
 旅行でのホテル選びは目的に合わせて選ぶとのことでしたが、友達と行くときと、家族で行くときとでは選ぶポイントに違いがあるそうです。

「どんなホテルに宿泊するかは一緒に行く相手によります。友達とのホテル選びはより慎重になりがちなので、最近は両親と海外旅行に行くことが多いです。つい最近のハワイ旅行も母と行きました。初めて母の旅費を出すという経験をしましたね。母の日のプレゼントです。

友達と行くときは日中は出歩いてほとんどホテルにいないので、ホテルのクオリティーはそんなに求めず、最安値のツアーを利用することもあります。
一方で、家族と一緒にってなると、ホテルステイも楽しみたいので、そこは求めるものが若干違います」

 親孝行ですね。当社が運営する旅行アプリ『NEWT(ニュート)』のカスタマーの方も同じ組み合わせで、特に独身で働く娘さんと50代くらいのお母さんが多いです。

旅行でのこだわりとは?やっぱりZ世代は映え重視?

 今度、遅めの夏休みとして晏里ちゃんは、ロンドンとサントリーニ島へ出かけると聞きました。そこにかかる費用や求めるものの基準は「せっかくならいい経験をしたい」という思いから、思い切ってお金をかけた部分もあるようです。

「ヨーロッパはめったに行かないので、せっかくならいい経験をしたいと思って、ホテルはある程度こだわって選びました。サントリーニ島はホテルステイを楽しむのが旅行の目的にもなってくるので、いいホテルを予約しました」

 たくさんのホテルがある中で、サントリーニ島のホテル選びはSNSがきっかけになったとのことでした。キーワードはやはり「映え」だそう。

「今回選んだホテルはInstagramを見て、一目惚れしたところです。プールがついていて、その先にサントリーの代名詞とも言える崖に広がる街並みが見えるんです! しかも、そのプールは半分洞窟みたいになってて、すごくインスタ映えするんです」

 ちょっとお高めのホテルを予約するときは、やはり友達とすり合わせが必要になります。直接友達と会って、相談することでお互いの温度感を確認しながら計画を立てたそうです。

「予算のすり合わせは結構気を遣ったので、友達と直接会って決めました。最終的には『高いけど、もうなかなかサントリーニ島に行く機会はないから、せっかくなら予約しよう!』ってなりました」

初めの一歩はやはり重い?

「よく海外旅行に行く人は、やっぱり家族がもともと海外旅行好きとか、学生時代にちょっとだけでも留学した経験があるとかが多いように感じます。少しでも海外経験があると、ハードルはグッと下がるなと思います」

 やはり初めの一歩ですね。0から1ってどうしても重たくて、1から2、2から3はスモールステップになりやすいです。


 自分の家族を見ていて、きっと私もレジャーネイティブに育ててもらったなと思います。私の親は旅行が好きで、海外旅行にも行っていました。他には、スキーや海遊びをきっかけにスキューバダイビングなどひと通りのレジャーを子どもの頃に経験させてもらいました。

 その一方で、そもそも家族旅行ってほとんど行ったことがないとなると、大人になってから第一歩を踏み出すのは本当に難しいなと思います。

 例えば、幼少期からあんまり旅行に行ったことなくて、年に一回帰省するくらいとなると、大人になってからスキーを始めるのは本当に難しいです。私の夫は後者のタイプで、大人になってから家族でスキーに行きたいからトライしたけれど、やっぱりできなくてもう諦めてしまいました。子どもたちはすぐできるようになるので、「パパ、大丈夫?」って状態になって、パパは引退です。

「まさにレジャーネイティブ、旅行ネイティブはキーワードだと思います」

Z世代が旅への一歩を踏み出すにはSNSがカギ

1人1万円の銀座焼肉、300円のTシャツ…20代女子に聞いた“若者のお金と旅行”のリアルに驚き
※イメージです
 晏里ちゃんは、Z世代の第一歩を後押しするものはやはりSNSが重要なカギだと考えているそうです。

「やっぱりSNSなのかなと思います。それこそ、サントリーニ島のホテル選びでは『ここってどんなところなのかな?』という期待と現実のギャップをなくすために、SNSでたくさんリサーチして決めました。

現地の雰囲気やどのくらい楽しめるんだろうかという小さな疑問や不安を解決する情報をSNSで手軽に入手できる時代です。だからこそ、Z世代の旅行に対するハードルは今まさに下がってきている瞬間なのかなと私は思います」

 私は高校生の頃から旅行をしていました。今みたいに全部の情報が揃っているわけではないから、雑誌で見たところにファックスをして予約することもありました。


 今は本当に動画でどこでも見られたり、そこに行った人の生の意見も聞けたりできます。そういう意味で私たちがやっているSNSって仕事は、そのハードルをグッと下げられるのではないかと思います。

 なんとか少しでも多くの方に、旅行を届けたいですね。第一歩のハードルをちょっとでも下げたいと私たちも日々SNSを頑張っています!

お金や旅行の価値観は世代間で差があるものの…

1人1万円の銀座焼肉、300円のTシャツ…20代女子に聞いた“若者のお金と旅行”のリアルに驚き
大木さん
 Z世代の代表としてSNS担当の晏里ちゃんにお話を聞き、節々で時代と世代を感じる時間となりました。

 日常でのお金の使い方に驚きを隠せない瞬間もありました。しかし、レジャーネイティブや旅行ネイティブなど旅行に対する価値観やハードルという部分では、昭和世代とZ世代に共通点も感じます。

「自分が納得するものにはきちんと対価を支払う」という行動がZ世代の特徴のように思います。

 また、SNSがどれだけ意思決定に影響を及ぼしているかを再認識し、今後さらにSNSを頑張らなければと気合いが入りました!

<文/大木優紀>

【大木優紀】
1980年生まれ。2003年にテレビ朝日に入社し、アナウンサーとして報道情報、スポーツ、バラエティーと幅広く担当。21年末に退社し、令和トラベルに転職。旅行アプリ『NEWT(ニュート)』のPRに奮闘中。2児の母
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