8月30日、31日に放送された『24時間テレビ48ー愛は地球を救うー』(日本テレビ系)。同番組内企画の横山裕(SUPER EIGHT)によるャリティーマラソン「子ども支援マラソン」では7億40万8600円を集めた。


 同じ放送終了時で募金額を比較すると、一昨年が2億2,223万8,290円、昨年が4億3,801万4,800円だったことから、あらためて横山、そしてSTARTO ENTERTAINMENT(旧ジャニーズ事務所/以下、SE社)のパワーを見せつけられる形となった。

『24時間テレビ』で見せつけた旧ジャニのパワー

Travis Japan松田元太、『24時間テレビ』で証明し...の画像はこちら >>
 同番組には、チャリティーパートナーとしてSE社からKing & Prince(以下、キンプリ)の永瀬廉と髙橋海人が抜擢されていた。また、横山を盛り上げるべく、マラソンスターターは、横山と親交の深い嵐・相葉雅紀が担当。

 横山と同じSUPER EIGHTの村上信五、丸山隆平、安田章大、大倉忠義が駆け付けただけでなく、SE社関西勢の後輩で横山を慕う“横山会”を中心にWEST.やAぇ! groupのメンバーもSUPER EIGHTの楽曲を歌唱したり、トークに参加して盛り上げた。

大勢の中、特に評価が上がった松田元太の活躍

 さらには日曜の早い時間帯にHey! Say! JUMPの山田涼介が登場。

 同番組終了後に『ゴールデンストーンズ×24時間テレビ!!両国・国技館から緊急生放送SP!』(日本テレビ系)が控えていたSixTONESからジェシー、髙地優吾、森本慎太郎、ダンス企画であるボーダーレスLIVE「We are the No Borders!!」に参加するTravis Japan(以下、トラジャ)の川島如恵留、松田元太も番組に花を添え、SE社のタテとヨコの繋がりからくる華やかさが前面に打ち出された。

 その中でも評価を爆上げしたのが、急遽体調不良で欠席となった髙橋の代打を完璧にこなした松田だ。

 ボーダーレスLIVEは音楽を愛し、ダンスの力を信じるパフォーマーやアーティスト達が、ダンス歴約20年でSE社で随一のスキルを誇る髙橋に共鳴し、総勢96人でステージを繰り広げる企画。

 市川團十郎、氷川きよし、本田真凛といった豪華面々も参加する。髙橋の代役を前日に務めることになるプレッシャーたるや想像に難しくない。

 だが松田ファン、ひいてはSE社ファンは松田の能力を信じていた。

永瀬廉の代役をこなした過去も

 松田は昨年4月に開催されたSE社所属アーティストが集結する『WE ARE! Let’s get the party STARTO!!』でも、前日に負った怪我の影響で突如休演することになった永瀬の代打で、キンプリの「moooove!!」を髙橋と踊り切った実績がある。

 2人でシンクロする振りも多く、間違えば即座に分かってしまうようなシーンでも、髙橋と一糸乱れぬダンスを披露。前日にたったの1時間で振りを覚え、早朝まで髙橋と細部のニュアンスまで共有したという。

 数万人を前に急な代役出演。
その緊張感の中で任務を遂行した後、「楽しくダンスできた」と振り返ったあたりが、永瀬の申し訳なさを拭い、ポジティブに変換する松田らしさだ。同公演のプロデューサーで嵐の松本潤からは「今日のMVPは元太だ」と称えられている。

 松田は当時、永瀬とドラマ『東京タワー』(テレビ朝日系)でも共演しており、禁断の恋に溺れる大学生役を色気たっぷりに演じた。演技でも鍛えられた役に入り込む力と表現力で、パフォーマンスはさらに磨きがかかった。

特殊能力とまで称される松田のダンス

 そもそも松田は小学生からダンスを始め、突出した運動神経と抜群の体幹で頭角を現した。ジュニア時代に旧事務所の中でもダンスに定評があるトラジャに加入し、2022年に全世界メジャーデビューを果たした。

 今年2月の『ミステリープラネット』(TBS系)では、脳科学の観点から、松田の振り覚えの速さを検証。九九も怪しいおバカキャラながら振り覚えについては「天才脳」、「驚異の特殊能力」とまで絶賛されている。本人はその秘訣を「集中力」だとしていた。

『24時間テレビ』のボーダーレスLIVEでは、大事なオープニングで“歌舞伎とHIPHOPという前代未聞の融合”に挑んだ。和装で見事なアクロバットを決め、市川團十郎とも並び立つ。

 世界的ダンサー・RIEHATA、聴覚障がいを持つデフダンサー達とも高速ユニゾンダンスで圧巻のコラボを見せ、テーマである「国境、人種、障がい、境界を超える」を体現。ゴールデン帯で、大御所や96人の大所帯を巻き込んだ、マラソンと並ぶ番組屈指の見せどころに穴を空けることなく完璧にパフォーマンスしてみせた。


キンプリファンからも絶賛された表現力

 直後に感想を聞かれた松田は、「表現者のみなさんと、髙橋海人と一緒にパフォーマンスができて本当に幸せでした」と、髙橋が「不在でない」ことにも触れる温かみある人柄を覗かせた。

 キンプリファンからは、髙橋のダンスの雰囲気まで踏襲していると絶賛されており、それが「一緒に」という表現にもなったのだろう。

Travis Japan松田元太、『24時間テレビ』で証明した実力。過去には人気アイドルの代役も…グループ間を越えるSE社の強みとは
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 松田は翌日にも生放送2本の出演があり、7月から敢行しているトラジャ2度目のワールドツアー『Travis Japan World Tour 2025 VIIsual』の残り3公演も9月に控えていた。

 そんな多忙な中で、突然の大抜擢に応えた松田には、キンプリファンやSE社ファン、それ以外の一般視聴者からも喝采の嵐が贈られた。

グループの垣根を越えるSE社の強み

 後輩の代役と言うと格が落ちるのが普通だが、「ViVi国宝級イケメンランキング 2025年上半期」NOW部門では松田が4位で、7位の髙橋より上位にランクインしている。

 髙橋と同等クラスの人気・知名度・実力を兼ね備える松田のような逸材を、グループの垣根を越えてスッと送り出せるのがSE社の強みだ。SE社がこうした精鋭を揃えられるのも、ジュニアの頃からの厳しい訓練のたまものだろう。

 存在意義さえ問われてきた『24時間テレビ』をあらためて救った横山を中心とするSE社タレントと、裏主人公とも言える松田。

 特に松田は今後どこまで飛躍していくのか見当がつかないほどだ。その活動を楽しみに見守りたい。

<文/こじらぶ>

【こじらぶ】
フリーライター・コラムニスト。言語学修士。男性&女性アイドル、地下、ローカルなど様々な現場を経験。
ドラマ、スポーツ、エンタメ全般から時事ネタまで。俳優、アイドルなどのインタビューも。X: @kojirabu0419
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