夫の不倫で13年の関係に終止符を打った女性。自信を失い、孤独に押しつぶされそうになった彼女を救ったのは、思いがけない“友人のひと言”でした。


13年も一緒に過ごした夫に浮気されて

佐久間美雪さん(仮名・31歳/派遣社員)は、昨年離婚をしました。

「元夫の誠也(仮名)は高校時代の同級生で、私にとって生まれて初めての彼氏だったんです

そして25歳までお付き合いを続けゴールインしましたが、昨年、誠也さんの不倫が発覚。半年間話し合った末に離婚をする決断に至ったそう。

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「私は誠也以外の男性とはお付き合いをしたことがないんです。そんな理由もあって、不倫という裏切りを受けて辛かったのに、なかなか離れる踏ん切りがつかなくてズルズルしてしまったんですよね

一方誠也さんは「美雪のことは好きだけど、部下の女性(不倫相手)のことの方が好きになってしまった」とすっかり新しい恋に気持ちが走り出していたので、話し合っている最中はとても虚しく「今まで私たちが積み重ねてきた13年の月日って一体なんだったんだろう?」と何度も泣きました。

「そして私が誠也との仲を修復しようとすることに絶望して心が折れてしまい、諦めるかたちで離婚にたどり着いたという感じです」

荒れ放題な部屋で一人、冷凍食品を温めて食べる

納得をして別れたはずでしたが、どうしても長年誠也さんに寄りかかっていた感覚が抜けず、一人でいることに耐えられなかった美雪さん。いつも足元がおぼつかないような不安定な日々を過ごしたそう。

「大学生の頃から結婚するまで一人暮らしをしていたのですが、常に誠也が入り浸っていたので、本当の意味での一人暮らしは今回が初めてで……自分だけのために料理や掃除をする気にはとてもなれず、部屋の中がひどいことになっていきましたね

「離婚しちゃった」31歳女性がSNSで発表したら…何人もの男性から言われ驚いたことは?
落ち込む女性
かろうじて仕事には行っていた美雪さんでしたが、会社にいる間は平常心で過ごすことでいっぱいいっぱいでした。

「そんな荒れ放題な部屋で一人、冷凍食品を温めて食べていたら、たまらなく寂しくなってきて『あぁ一生一緒にいようって言ってくれていた誠也に飽きられて捨てられるなんて……私には魅力が全然ないんだ』とどんどん自信がなくなっていったんです」

離婚したことを友人に話してみると……

そんなある日、久しぶりに女友達の友梨さん(仮名・32歳/会社員)から電話がかかってきたそう。

「どうせ愚痴になってしまうから、私が離婚の落ち込みから浮上して落ち着くまで友梨には連絡しないでおこうと思っていたんです。でも友梨の声を聞いたら我慢できず泣いてしまい、そのまま離婚報告をして結局愚痴をぶち撒けてしまったんですよね」

そして友梨さんがとことん話を聞いてくれたうえに、自分のことのように怒り、悲しんでくれたおかげで美雪さんはかなり癒されました

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電話
「それまでずっと愚痴は全て誠也に聞いてもらっていました。他の人にはあまり自分のダメな面は見せたくないという気持ちあり、つい自分の中に不満を抱え込んでしまっていたんです」

ですが今回のことで、素直に自分のダメなところも話して認めてもらうことの大切さが身に沁みて分かったそう。

「すると友梨が『ていうか、離婚のことをみんなに知らせて、ネタにして笑い飛ばすぐらいのことをした方が吹っ切れると思う』と私のことを考えてくれて。『たしかにそうかもしれない』と少し前向きな気持ちになることができたんですよ」

「離婚しちゃった」SNS投稿の反響に驚き!

そしてそのアドバイス通りに美雪さんはインスタに「実は最近離婚しちゃったのでよかったら励ましてください!」と重くならないように離婚報告をアップしてみたそう。

「そしたら想像以上に反響があったんですよね」

女友達からの「私もバツイチだよ! 仲間だね」や「じゃあ久々にみんなでまた集まって飲もうか」などの励ましコメントももちろん嬉しかったのですが……。


「離婚しちゃった」31歳女性がSNSで発表したら…何人もの男性から言われ驚いたことは?
SNSと女性
同級生や元同僚だった男性数人からDMで『よかったら近々会いませんか?』と誘われて。しかも総じて『美雪さんのことをいいなと思っていたけど、長年付き合っている彼がいてそのまま結婚してしまい、付け入る隙がなくずっとアプローチができなかった。なのでこの機会を逃せないと思って連絡してみたよ』というようなことを言われて、すごく驚いてしまったんですよ」

美雪さんは、ずっと誠也さんにしか相手にしてもらえないと思い込んでいたふしがあり、他の男性と新たにお付き合いできる気が全くしていませんでした。

「実はこんな風に、誠也以外の男性から好意的な気持ちを打ち明けられたのは初めてで……正直とても嬉しかったですし、ちょっと自信がついたんですよね」

自分の足で進めた、新たな一歩

「まだまだ私だって誰かの大切な存在になれるかもしれない」と思うことができた美雪さんには笑顔が戻り、今までの自分の視野の狭さを反省したそう。

そしたら今度は今まで我慢していたやりたいことがいっぱい浮かんできて。まず誠也が黒髪が好きだったので、一度も染めたことのなかった髪をアッシュベージュにしたらやっとスッキリした気持ちになることができたんです」

そうやって再び立ち上がることのできた美雪さんに、さっそく彼氏ができたそうで……。

「DMをくれた男性ではなく、マッチングアプリで知り合った純一さん(仮名・35歳/会社員)とお付き合いを始めました。自分から新たな出会いに挑んだことで、さらる自信を手に入れた感じです」と微笑む美雪さんなのでした。

<文/鈴木詩子>

【鈴木詩子】
漫画家。『アックス』や奥様向け実話漫画誌を中心に活動中。好きなプロレスラーは棚橋弘至。著書『女ヒエラルキー底辺少女』(青林工藝舎)が映画化。
Twitter:@skippop
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