普段の料理では、どんな油を使っていますか? 米油やオリーブオイル、ごま油など、色々ありますよね。また、料理に使う「見える油」以外にも、食品に使われている「見えない油」もあります。
実は、その摂取する油の種類によって、あなたの腸内環境や体重に差が出るかもしれないのです……!

最新研究で分かった「太りやすい油」ワースト3。ポテチや冷凍食...の画像はこちら >>
そこで今回は、最新の研究で明らかになった「腸が荒れて太りやすい油」ワースト3を、根拠に基づいて解説します。逆にどんな油を選べば良いのか、理由とおすすめまでお伝えするので、ぜひ最後まで読んで参考にしてみてくださいね!

最新研究で判明! 腸が荒れて太りやすい油

では早速、どの油が太りやすいのか見ていきましょう。今回参考にしたいのは、42の臨床試験を分析した、イランの研究チームによる非常に信頼性の高い報告です。(※)

この研究では、オリーブオイルやごま油、キャノーラ油、大豆油、パーム油など、私たちがよく使う様々な食用油が、体重にどのような影響を与えるかを徹底的に比較しました。

具体的には、以下の油です。
・オリーブオイル
・ごま油
・キャノーラ油
・大豆油
・パーム油
・ココナッツ油
・その他5種

その結果、残念ながら特に体重増加との関連が指摘された油が判明したのです………! ズバリ、太りやすい油ワースト3に選ばれてしまったのは………

1位:大豆油
2位:パーム油
3位:ひまわり油


でした!

大豆油やひまわり油は、あまりスーパーでは見ないかもしれませんが、「サラダ油」として販売されていることが多いです。パーム油も同様に、スーパーの油コーナーで見かけることは少ないかもしれません。

しかし、ポテトチップスなどのお菓子や冷凍食品、マヨネーズといった加工食品に「植物油脂」として、よく使われていますよ。原材料表示をチェックするクセをつけると、その使用頻度の多さに驚くかもしれません!

なぜ腸が荒れて、太りやすいのか?

これらの油が太りやすいのには、やはり理由があります。それは、油に含まれる「脂肪酸」の種類とバランスが大きく関係しているんです。

最新研究で分かった「太りやすい油」ワースト3。ポテチや冷凍食品に入ってる“見えない油”も
体重計の上で驚いている女性
特に、大豆油やひまわり油には「オメガ6系脂肪酸(主にリノール酸)」が50%以上と非常に多く含まれています。オメガ6は体に必要な成分ではあるものの、現代の食生活では過剰摂取になりがち。摂りすぎると、体内で炎症を引き起こしやすくなったり、腸内細菌バランスを悪化させることが懸念されているのです。

また、パーム油に豊富な「飽和脂肪酸(主にパルミチン酸)」の過剰摂取も、同様に腸内環境へ影響を与える可能性が指摘されています。


「大豆油」「パーム油」「ひまわり油」の3つに共通して言えるのは、普段の料理ではあまり使わないけど、加工食品から取り入れている点でしょう。つまり、知らず知らずのうちに、腸が喜ばない油をたくさん摂ってしまっているかもしれないということです!

何を使えばいい? 腸活するなら選ぶべき油はコレ!

先ほどの研究では、「最も体重減少に効果があった油」も明らかになっています。数ある油の中で、栄えある第1位に輝いたのは………「ごま油」でした!

最新研究で分かった「太りやすい油」ワースト3。ポテチや冷凍食品に入ってる“見えない油”も
ごま油とごま
筆者としては、オリーブオイルあたりが来るかな? と予想していたので、結構意外な結果でした。ごま油がダイエットに効果的な理由として、ごま特有の成分である「セサミン」などのリグナン類や、豊富な抗酸化物質が関係していると考えられています。

これらの成分が、体内の炎症を抑えたり、脂質の代謝を助けたりすることで、嬉しい効果に繋がるんですね!

もちろん、上述した3つの油が「ダメな油」ではありません。あくまでもバランスが大切なので、「偏らないようにすること」に気をつけていきましょう!

今日からできる! 油の上手な使い分け術

最後に、場面別のおすすめの油の使い分けをお伝えしますね。

<加熱調理におすすめの油>
加熱調理には、ココナッツオイルがおすすめです! 理由は、先ほども出てきた脂質の種類が関係しています。種類によっては熱で劣化してしまうので、注意が必要。ココナッツオイル以外だと、オリーブオイルが最適ですよ!

最新研究で分かった「太りやすい油」ワースト3。ポテチや冷凍食品に入ってる“見えない油”も
フライパンにひかれるココナッツオイル
<ドレッシングにおすすめの油>
ドレッシングには、香り高いごま油やエキストラバージンオリーブオイルを使いましょう。ポイントは、香り付け程度に使うこと! たっぷり入れてしまうと、脂質のバランスが崩れてしまいます。

最新研究で分かった「太りやすい油」ワースト3。ポテチや冷凍食品に入ってる“見えない油”も
サラダにオリーブオイルをかける手
また、食品を買う時は、できるだけ原材料表示をチェックしてみてください。原材料を見て「植物油脂(加工油脂)」が多すぎないか確認することも大切ですよ!

腸をいたわる油選びで「痩せ体質」へ!

今回は、最も太りやすい油と、関連して腸内環境にはどうなのか? 科学的根拠をもとにお伝えしました。まとめると、特に気をつけたいのは「大豆油、パーム油、ひまわり油」の3つ。

ただし、何度も言うように、大切なのは「どんな種類の油を」「どれくらいの量」摂るかというバランスです。
ぜひ今回の記事を参考に、普段取り入れている油に意識を向けてみてくださいね!

(※) Shima Abdollahi 「The effect of different edible oils on body weight: a systematic review and network meta-analysis of randomized controlled trials」(2024)

<文/腸活の研究家ざっきー>

【腸活の研究家ざっきー】
腸活の研究家。「健康と体作りを後回しにしない」をモットーに、フォロワー11万人のInstagramでは、論文を元にした腸活情報や腸が整うレシピを発信中。Instagram:@zakii312、Twitter:@chokatu_zakii
編集部おすすめ