食欲の秋がはじまろうとしている中、ポテトチップスの新商品が続々登場しています。
私は食文化研究家として国内外のポテチを食べ歩いていますが、その中で確信しているのは、総合的に見て日本のポテチは世界一だということ。シンプルなうすしお味がこんなにおいしくてリーズナブルだなんて、夢のようです!
そしてそんなポテチの世界をじっくり見ていくと、定番を揺るがすほどの進化やトレンドが生まれていることに気がつきます。
結論から先に申し上げれば、今年は新商品が大豊作であること。日本のポテチを揺るがすような海外ポテチに彗星現るということです。そこで今回は、カルビーと湖池屋の押さえておくべきおいしいトピックスと、2強を揺るがす新勢力についてご紹介していきたいと思います。
湖池屋:じゃがいもへのこだわりが最高潮に。幻のポテチがさらに進化

ポテチに使用されているジャガイモはすべて国産。素材にこだわり、国産生じゃがいもを贅沢な厚さにスライスして揚げた「ピュアポテト」や、三段階の温度で揚げることでサクほろ食感を生み出した「湖池屋プライドポテト」は、どれを食べてもハズレがありません。
そんな中、さらなる極みとして登場したのが、「今金男しゃくポテトチップス」。幻のジャガイモと絶賛される「今金男しゃく」を使ったプレミアムなポテチです。
このジャガイモの特徴は、デンプン質が豊富で甘くホクホクした食感が楽しめること。過去9年の発売で累計500万食を突破したヒット商品で、今年はさらにパワーアップして登場。
私は一足先に試食をしましたが、おいしくて無言になってしまうほど食べ続けてしまいました。ジャガイモ好きにはたまらないクオリティであることは間違いありません。9月11日からEC限定で予約がはじまっています。
カルビー:スーパー共同開発品でも満足度を爆上げ

例えば激安スーパーとして全国進出を続けているオーケーとの共同開発商品は、節約欲を満たしながら素材へのこだわりを実感させてくれる、今の時代のニーズ(少しでも安く、少しでもおいしく)に合った商品です。
オススメは、バター味。国産ジャガイモに北海道製造バターの香りがシンプルに際立ち、食べるたびにファンになるような奥深さがあります。たっぷりサイズの100gで価格が145円というリーズナブルさにもぐっとくるはず。
さらにドン・キホーテとのコラボ商品も面白く、昨年には「これは何味?」というクイズ感覚の商品を発売して話題になりました。王者ゆえにできるノウハウなのか、消費者ニーズを捉えた遊び心やチャレンジ精神を感じる商品が至る所で光っています。
“貴族のポテチ”と称される「ハンター」は、トリュフポテチで不動の王者に

そしてプレミアムポテチ市場を見ていくと、圧倒的な存在感を感じるのが、HUNTER(ハンター)。そもそもハンターは黒トリュフのフレーバーで大注目されたドバイ拠点のスナックメーカーで、“貴族のポテチ”と称されるほど。黒いパッケージに見覚えがある方も多いと思います。

ハンターのポテチの魅力であるジャガイモの厚切りザクザク感に、高級フレンチを食べる時のような芳醇さが融合し、日本ブランドとは別次元のおいしさを楽しめるのです。
とにかく気軽に食べる定番ポテチとは完全に別枠。自分を喜ばせたい時にゆっくり味わいたい特別なポテチなのです。
・黒パッケージ⇒黒トリュフ
・茶パッケージ⇒白トリュフ&ポルチーニ風味
・白パッケージ⇒白トリュフ&チーズ風味

<文・撮影/食文化研究家 スギアカツキ>
【スギアカツキ】
食文化研究家、長寿美容食研究家。東京大学農学部卒業後、同大学院医学系研究科に進学。基礎医学、栄養学、発酵学、微生物学などを学ぶ。現在、世界中の食文化を研究しながら、各メディアで活躍している。女子SPA!連載から生まれた海外向け電子書籍『Healthy Japanese Home Cooking』(英語版)好評発売中。著書『やせるパスタ31皿』(日本実業出版社)が発売中。Instagram:@sugiakatsuki/Twitter:@sugiakatsuki12