「BAR 木蓮」(東京都渋谷区)のXアカウント(@barmokuren)は、「ご来店お待ちしております」というポストとともに1枚の画像をアップ。
なんとこのバー、4歳のメスである柴犬・卯月(うづき)ちゃんが“接客担当”として毎日出勤しているそうなんです!
どうして彼女は毎日お店に顔を出すようになったのか? 接客を担当する卯月ちゃんの性格は? 卯月ちゃんはお店でどんなことをしているのか……などについて、同店のオーナーバーテンダーである福崎将史さんから話を聞きました。
「この子の性格なら大丈夫」とお店へ連れてくるように
飲食業界で長く働いていた福崎さんは、2019年に「BAR木蓮」をオープン。長年かけて取り揃えた豊富な種類のウイスキーや手づくり料理が楽しめるお店として好評を博していましたが、程なくコロナ禍に突入します。このタイミングで、福崎さんは卯月ちゃんを飼い始めました。
福崎:もともと、「犬を飼いたい」とは思っていたのですが、コロナの影響でお店を休みにして時間ができたので、「これは今しかない」とペット可の物件に引っ越しをして卯月を飼い始めました。
――飼い始めたのはわかるのですが、卯月ちゃんが毎日お店に出勤するようになったというのがすごくおもしろいです。きっかけを教えてください。
福崎:飼い始めた当初はお店に連れてくるつもりはなかったのですが、吠えないおとなしい子に育ったので「これなら大丈夫かな」と。それで、お休みにしていたお店を2021年10月から再開し、そのときからずっと連れてきています。

福崎:家からお店まではだいたい歩いて20分ぐらいなので、お店の行き帰りが散歩も兼ねているという感じですね。もちろん、それとは別で卯月が起きたときも散歩に出ています。
ソファ席にお客さんがいると自分から隣に座ってくれる
――Xを見ると、店内で卯月ちゃんがリードでつながれているということはなさそうですね。福崎:はい、お店のなかでフリーにしています。

福崎:カウンターのなかに自分のスペースがあるんですけど、お客様がいらっしゃるときはだいたい外に出てソファ席にいます。



福崎:そうですね。2022年9月くらいから、ソファ席にお客様がいると自分から隣に座るようになりました。卯月はおとなしいですし、人間に対してワーッといくタイプではありません。怒らない・吠えない・いたずらしないの三拍子揃ったいい子です。
卯月ちゃんは“お触りし放題、吸い放題”

福崎:犬がいるとは知らないでお店に来る方も当然いらっしゃいますが、「犬がいるから帰る」ということは別にないです。
――飛び込みで初めてお店に来たお客さんも、当然いらっしゃると思います。そういう方たちは卯月ちゃんを見てどういう反応になることが多いですか?
福崎:だいたい、喜んでくれる方が多いです。まずびっくりして、「あ、いるんだ」「柴犬と一緒に飲むことができるんだ」みたいな(笑)。
――店内で卯月ちゃんとはどんなコミュニケーションが可能なのでしょうか。触ったりしても大丈夫?
福崎:どこを触っても大丈夫な子なので、もうお触りし放題、吸い放題です。
――お触りし放題(笑)! あと、吸い放題とは?
福崎:柴犬の匂いを楽しむために、どんどん“柴吸い(しばすい)”していただいて大丈夫です。店内は禁煙なのでたばこは吸えませんが、卯月はぜひ吸ってあげてください。

福崎:いえ、卯月は人間の食べ物に手を出しません。人間の食べ物をあげないようにしていたら理解したのか、もう興味を示さなくなりました。

常連になったら会うと喜んでくれるようになる
――お店は動物好き、犬好き、柴犬好きのお客さんが多いですか?福崎:多いですね。「いつも、SNSを見てました」「卯月ちゃんに会えて良かったです」という反響をよくいただきます。意外と地方からいらっしゃるお客様も多くて、仕事や観光で「東京に来たついでに来てみました」という方も少なくないです。
――初めて来たお客さんに卯月ちゃんは心を開いてくれますか? それとも、常連になったほうが心を開いてくれる?
福崎:ある程度の常連さんが来ると、やっぱり喜びますね。会ったら卯月が喜ぶような方は、実際に何人かいらっしゃいます。

福崎:普通に接しています。
――定位置だから、“接客担当”としてソファにいてくれるんですね! そして、お客さんがソファに座ったら「あ、いらっしゃい」と卯月ちゃんもソファに行くという。
福崎:そうですね、はい。
――うわあ、最高ですね!
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“接客担当”の柴犬がいるsibar、最高すぎます! しっぽり飲んで、吸って(notたばこ)、卯月ちゃんに癒やされて、お腹も心も満たされる居心地の良い空間。いつか実際に遊びに行って、ソファ席へ直行したいです!
<取材・文/寺西ジャジューカ>