9月23日時点で興行収入は150億円を突破。
また、アメリカのアカデミー賞・国際長編映画賞の日本代表作品にも決定し、世界でどのような評価を得るのか注目が集まっています。
親友でありライバル、“対照”的な歌舞伎役者
『国宝』は吉沢亮さんが主演し、横浜流星さんが準主役を演じています。後に歌舞伎役者として国宝となる喜久雄(吉沢さん)は、任侠の一門に生まれるも、組同士の抗争によって父を早くに亡くし、上方歌舞伎の名門の当主に引き取られます。そこで出会ったのが当主の息子で、生まれながらに将来を約束された御曹司・俊介(横浜さん)。
生い立ちも才能も異なる喜久雄と俊介は、ライバルとして互いに高め合いながらも、喜久雄は数奇な運命によって歯車が狂わされていき、もがき苦しみながら壮絶な人生を歩んでいくという物語。吉沢さん演じる喜久雄と横浜さん演じる俊介は、最高の親友でありながら、才能と血筋という“持つもの”の違いから、対照的な人生を歩んでいくのです。
仮面ライダーとスーパー戦隊でブレイク!
さて、そんな『国宝』コンビとしてムーブメントを巻き起こしている吉沢亮さんと横浜流星さんは、ご存知の方も多いと思いますが、出世作となったのは東映の特撮作品。吉沢さんは、福士蒼汰さん主演で2011年から2012年にかけて放送された『仮面ライダーフォーゼ』(テレビ朝日系)をきっかけにブレイク。主人公ライダーの仲間となる「朔田流星/仮面ライダーメテオ」役でした。

特撮作品という共通点はあるとはいえ、吉沢さんは仮面ライダーシリーズ出身、横浜さんはスーパー戦隊シリーズ出身ということで、さほど接点はなかったように思われるかもしれません。
2012年の『仮面ライダーフォーゼ』で共演
が、しかし!実は横浜さんは『烈車戦隊トッキュウジャー』でブレイクする前に、『仮面ライダーフォーゼ』にゲストキャラとして出演していたのです。しかも、その役どころは吉沢さん演じる「朔田流星」の親友「井石二郎」役。

余談ですが、吉沢亮さんが「朔田流星」という名の役、横浜流星さんが「井石二郎」という名の役という、少々ややこしい状況になっていました。
初々しい共演シーンのセリフを一部紹介!
「朔田流星/仮面ライダーメテオ」は、当初主人公ライダーと対立する役どころでしたが、それは親友である「井石二郎」を助けるため。「井石二郎」はゾディアーツスイッチという変身装置を使った際の事故で昏睡状態に陥ってしまい、「朔田流星」は彼を目覚めさせるために福士さん演じる主人公ライダーを殺してしまうという壮絶ストーリーでした(もちろん主人公はすぐに復活しますが)。
2人は2012年1月放送の第17話でテレビ初登場し、同年4月放送の第32話で「井石二郎」が病院のベッドで目覚めるシーンが描かれます。
朔田流星「二郎、俺がわかるか?」
井石二郎「流星……」
井石二郎「お前、なぜ、そんな切ない顔をしているんだ?」
朔田流星「俺は裏切り者だ。でも、もういいんだ。お前さえ助かれば」
こんな親友同士の会話のやりとりが繰り広げられていました。
『仮面ライダーフォーゼ』に見る、現在へつながる演技

2人が共演した『仮面ライダーフォーゼ』では、現在の『国宝』に通じるような友情や葛藤が描かれており、当時の演技から現在の活躍までの軌跡をたどることができます。気になる方は、各種動画配信サービスなどで過去作を振り返ってみるのも一つの楽しみ方かもしれません。
<文/堺屋大地>
【堺屋大地】
恋愛をロジカルに分析する恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラー。『日刊SPA!』(扶桑社)で恋愛コラム連載、『SmartFLASH』(光文社)でドラマコラム連載、『コクハク』(日刊現代)で芸能コラム連載。そのほか『文春オンライン』(文藝春秋)、『現代ビジネス』(講談社)、『集英社オンライン』(集英社)、『週刊女性PRIME』(主婦と生活社)などにコラム寄稿。LINE公式のチャット相談サービスにて、計1万件以上の恋愛相談を受けている。公式SNS(X)は @SakaiyaDaichi